P&G 新パンテーンエクストラボリュームシャンプー/コンディショナーの解析3 コンデの解析 | 化粧品犬が化粧品開発を模索するブログ

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大手会社の開発に勤務していましたが、好きな化粧品を好きなだけ追求するため円満退職。
ノラ犬となった化粧品犬が、面白いと思った情報を発信していくブログです。
化粧品コンサルタントとして仕事も受けています。
パームアミノ・ラボ合同会社 imori@palmamino-labo.jp

化粧品犬です。

2015/9/15にリニューアルされた、P&Gさんの パンテーンを解析しています。
3シリーズのうち、既に2シリーズを解析し終わったので、前々回から最後のエクストラボリュームシリーズの解析を行っています。

過去の解析はこちらからどうぞ。
エクストラダメージケア シャンプー/コンディショナーの解析(全3回)
シルキースムースケア シャンプー/コンディショナーの解析(全3回)

今回はエクストラボリューム シャンプー/コンディショナーの解析の第3回として、コンディショナーの処方内容の解析を行います。
エクストラボリューム シャンプー/コンディショナーの解析は、:今回で最終回です。

商品写真はこれです。
化粧品犬は、200gボトルを買ってます。


再掲載になってしまいますが一応、旧処方(2014年版)の写真も挙げておきます。
これです。

シャンプーでは新処方は旧処方(2014年版)から変更が無かったのですが、コンディショナーは少しだけ変更があります
変更点は、新処方では塩基性アミノ酸の一種でる「ヒスチジン」が添加され、pHを調整するためにクエン酸が添加されている事です。
これは今回のリニューアルの共通コンセプトである、

「ヒスチジン」 が、毛髪に溜まったミネラル不純物(銅イオン)を洗い出して、バージンヘアに戻します。

という宣伝に合わせるためだと思われますね。

また、今回の解析から読み始めた方にはちょっと唐突ですが、2013年まで販売されていたパンテーンナチュラルケアコンディショナーの写真も載せておきます。
ナチュラルケアシリーズは、「これを焼き直してエクストラボリュームシリ-ズが出来たのでは無いか?」と、化粧品犬が予想しているシャンプー/コンディショナーです。
ナチュラルケアシリズ2011年度に発売され、2013年に廃番になったようです。
そして2014年度より、エクストラボリュームシリーズ発売・・・(^_^;)
詳しくは、エクストラボリュームシリーズ第1回の解析に書いたので、そちらを参照してください。

写真は、これです。



この製品は、処方内容も似てますし、外観も良く似ています(^_^;)
何度か外観をリニューアルしているのですが、それもだいたい似ていて。
分かりにくくて困ります(^_^;)

続いて、裏面の処方を整理してみます。
2014年度の旧処方と、パンテーンナチュラルケアシャンプーの処方を併記しました。



パンテーンナチュラルケアシャンプーの処方内容や外観については既に本家のページが消えているため、シャンプー解析ドットコムさん及びアマゾンの商品ページ、ヤフーショッピングの商品ページを参考にさせていただきました。
http://www.ishampoo.jp/treatment/pantennatural.php
http://www.amazon.co.jp/パンテーン-プロブイ-ナチュラルケア-コンディショナー-480g/dp/B004KJDZBI/ref=pd_sim_121_5?ie=UTF8&dpID=41K8s1btoRL&dpSrc=sims&preST=_AC_UL160_SR160%2C160_&refRID=0ZEYJVM88DC3JNYY08W2
http://store.shopping.yahoo.co.jp/zaccaya/4902430296571.html

見ての通り、この3製品、良く似てますよね。
エクストラボリュームコンディショナーの新版と旧版は似ているのも分かりますが、ナチュラルケアコンディショナーも良く似ている。
とくにコンディショナーは、乳化物の「背骨」になるワックスとコンディショニング剤の選択が製品の要になるのですが、そこが3製品とも全く同じです。
次に重要な油剤も、:だいたい同じ(^_^;)

では、表の上の方から成分を精査していきましょう。
まずワックスのパート。
前述の通り、3製品とも同じですね。
内容は、ステアリルアルコールとセタノールの併用で、これは最も一般的な配合です。

次はコンディショニング剤のパートです。
ここも前述の通り、3製品とも同じですね。
ベヘントリモニウムメトサルフェートは、ターゲットリペアエンハンサー」という名前で、P&Gさんが201年より大々的に導入した素材ですね。

ナチュラルケアにも採用され、その流れで、このエクストラボリュームコンディショナーにも採用されていったようです。
名前は大げさですが、この原料を販売している会社(P&Gとは別会社)の説明では、単に通常の四級カチオンよりも安全性を高めた原料のようですね。

ジセチルジモニウムクロリドはベヘントリモニウムメトサルフェートと同様に、四級カチオンと呼ばれるコンディショナーの主成分の一つです。
この原料は、特に疎水基を二鎖型にして髪への吸着性を高めた所に特徴があります。

また、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドも3製品に配合されています。この原料のようなカチオンポリマーは本来ならシャンプーだけに配合されることの多い成分なのですが、なぜかコンディショナーにも配合されています(^_^;)
カッシアが、髪にハリを出させるメイン成分なので、念には念を入れて、コンディショナーにも配合し手しまったみたいですね。
髪の上で比較的柔らかい皮膜を作るので、それほどほ気にならないのですが、使うシャンプー/コンディショナーを代える時に、すっかり毛髪に溜まっていて、なかなかとれないのでびっくりします。
良くも悪くも、この吸着力の強いカッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドをコンディショナーにも配合しているのがこの処方の特徴でしょう。
カッシアについては既に前のシャンプーのエントリーで説明したのでそちらもどうぞ。

次は油剤のパートを見てみます。
ここも、ビスアミノプロピルジメチコンが3製品共通ですね。
エクストラダメージケアコンディショナーのエントリーで書きましたが、この成分もP&Gさんが、2010年に鳴り物入りで導入した原料です。
導入時の名前は「アミノサロンエッセンス」。シリコン油の一種であるアモジメチコンの吸着力を高めた成分です。
ナチュラルケアコンディショナーにだけアボガド油が配合されて、特徴を出してますね。しかし、今回のエントリーはエクストラボリュームコンディショナーなので、説明は省きます。

次は防腐剤のパートです。
毎回書いてますけど、外資系によく見られる、チアゾリノン系なんですよね。
チアゾリノン系は刺激が高い等安全性に疑問があるので勘弁して欲しいです。
シャンプー解析の再掲載になりますが、2013年にヨーロッパの業界団体から使用中止が呼びかけられました。
http://bhn.jp/news/17698
アレルギーを誘発する可能性があるというこです。

最後に保湿剤、 増粘剤他のパートです。
ここも大部分の原料が、3製品とも被ってます(^_^;)
数が多いので、気になる原料だけ取り上げます。

エクストラボリュームコンディショナーの新処方(2015)のみ、ヒスチジンとクエン酸が配合されてます。
理由は冒頭で述べたように、リニューアルのコンセプトを他の製品で合わせるためです。
コンセプトのように、ヒスチジンに銅イオンを洗い出す力があるとは思えないのですが、ヒスチジンは髪に吸着しやすく毛髪の補修には有効です。
またヒスチュジンを加えるとpHがアルカリ性になるので、」それを中和し直すためにクエン酸が配合されていると思われます。

残りの原料はエクストラボリュームシャンプーのエントリーでコメントしてた原料ばかりなので、そちらを参照してください。

というわけで解析終わり。

なんかエクストラボリュームシリーズてちょっと冴えないですよね。
コンディショナーのリニューアルはこんな少しだし、シャンプーは処方変更無しだし。

まあしかし、カッシアヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドのお陰で、他の2シリーズ(エクストラダメージケアとシルキースムースケアシリーズ)よりはキャラは立ってます。
このカッシアが好きになれるかどうかで、評価が割れますね。
逆にカッシアを試して見たいならば、この商品以外は最適です。

これで、エクストラボリュームシリ-ズの解析は終了です。
お疲れ様でした。