歴代ナンバーワン女王は豊田真奈美!「女子プロレス総選挙をやってみた」をやってみた | KEN筆.txt

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BGM:ビューティ・ペア『かけめぐる青春』

 

3月の「鈴木健.txtのオールナイトニコプロ」は、先にテレビ朝日で放送された『プロレス総選挙』の結果に女子プロレスラーが登場しなかったことから、SNS上で「女子の総選挙もあればいいのになー」という声を見かけたため、例によってニコプロ民限定ながら「女子プロレス総選挙をやってみた」を実施。1月の悪役編、2月の怪奇派編に続き今回も興味深い結果が出た。

 

総選挙といっても投票数で順位を出すのではなく、あくまでもニコプロ仕様のアンケート結果によるもの。今回は歴史上の主要女子プロ団体を13カテゴリーに分け、まずは該当する選手名をコメントで視聴者に流してもらい、最大9枠…つまりは9選手をこちらでセレクトしてからアンケートに入る。

 

9人以上の名前があがった時点で進行である私の裁量が入る前提なのだが、たとえば最後の9人目としてどちらが選ばれても不思議ではない状況だとしても、こちらで泣く泣く落とした方を入れなければおかしいと異議を唱えるようなコメントはほぼなかった。つまりは「あくまでも“やってみた”なんだから、そう躍起にならずアンケート結果を楽しもうよ」という姿勢で協力していただけたのだ。

 

そうしなければ、いつまで経っても9枠が決められない。そのあたりは暗黙のうちに節度が守られていた。また、13枠のうち歴史のある全日本女子プロレスは昭和、対抗戦時代(以上は1位と2位が残る)、それ以後の時代(1位のみが残る)の3枠、ジャパン女子系(ジャパン女子、JWP、LLPW、OZアカデミー)は2枠(1位と2位が残る)とし、他の1位となった選手を含む計18名が準決勝へ。それをランダムに9名ずつ分けてアンケートをおこない、各上位4名に復活戦で1位になった者を加えた9名で決勝アンケートをおこなう。まあ、こうやって書いてもイマイチわかりづらいと思うので、とにかく順々にアンケート結果を発表しながら進めるとする。

 

まずは昭和の全女から。マッハ文朱に始まりクラッシュ・ギャルズブームを経てブル中野世代までが対象。そうそうたる顔触れの中で1位に選ばれたのは極悪同盟の師匠・ダンプ松本を押さえてブル様!

 

 

この2人が準決勝に進出。カリスマ的人気を誇った長与千種は3位と一歩及ばなかったが、復帰後に活動したGAEA JAPANやMarvelousで再度候補にあがる可能性を残している。

 

続いて1992年からスタートした女子プロ対抗戦時代の全女。ここも東京ドーム興行を経験した世代だからどれをとっても歴史に名を残し、なおかつ現在もリングに上がっている選手が多い。その中でアジャ・コングと豊田真奈美が同率1位に。この2人で決定。

 

 

“デンジャラスクイーン”北斗晶でさえ残れないとは…。続いて対抗戦ブーム以後の全女を支えた代。こちらは1位のみが通過となる。やはり昭和や対抗戦時代と比べると大きな活躍を見せた選手が限られるのか、7枠分しかコメントで候補があげられなかった。その中から1位となったのは圧倒的に中西百重。それ以外の「キッスの世界」メンバー3人が同率というのも興味深い。ここも高橋奈苗や脇澤美穂はスターダム、府川由美はアルシオンで再度登場する可能性がある。

 

 

以上、全女代表はブル、ダンプ、豊田、アジャ、百重に決定。続いてジャパン女子系は4団体分の歴史の中から9名をあげてもらった。結果は1位が神取忍で、2位はJWPのダイナマイト・関西とキューティー鈴木が並ぶ。

 

 

こちらは上位2名が残れるので、2位同士による決選投票に。このような形で関西vsキューティー戦が実現するとは…結果は関西!

 

 

これでジャパン女子系は神取、関西と2派に分裂した時のエースがいずれも準決勝進出となった。

 

続いてはGAEA JAPAN、センダイガールズ、Marvelousと、いわゆる長与の遺伝子団体。ここもコメントで流された候補は7選手にとどまった。結果はその長与を抑え、やはり現在の女子プロにおける横綱・里村明衣子が圧倒的支持を得た。

 

 

お次はスターダムと、そこから派生したSEAdLINNNG。高橋奈七永は全女に続くエントリーだったが、スターダムの象徴として一時代を築いた愛川ゆず季が現エースの紫雷イオを上回る。

 

 

続いてプロレスリングWAVE及びOSAKA女子プロレス。アルシオン出身の浜田文子がこちらの枠で1位に選ばれる。

 

 

吉本女子プロレスJd'にJDスター、さらには格闘美までで1枠。アストレスが話題にもなった団体だが、結果は現在もWAVEで活躍する桜花由美が1位に。2位が渋谷シュウというのも注目。

 

 

REINA女子プロレスは朱里と真琴が同率1位に。決選投票の結果、僅差で朱里が上回る。ちなみに堀田祐美子は全女から始まりもっともさまざまな団体枠でコメントに名前があがったものの、じっさいに9枠の中へ入ったのはこれのみ。今回の女子プロ総選挙では、ある意味堀田さんが一番人気だった。

 

 

全女、JWP、LLPW経験者が集まってスタートしたアルシオンと、その系列の団体。活動期間が長くはなかったのもあり、候補は6人に絞られた。当時は大きな活躍こそしていなかったものの、現在の実績も加味されてか華名(現ASUKA)が1位に。


 

この2団体は井上京子派という括り。その京子を押さえタムラ様が1位に。チャンピオンらしいチャンピオンとして、今も根強く評価されているということだろう。

 

 

こちらはさくらえみとその派生団体。ここも多くの人材を輩出したため9枠を選ぶのが大変だったが、最終的にはこちらの判断で決めたのち投票へ。創始者であるさくらを抑え藤本つかさが1位に。

 

 

大仁田FMW以後、日本マットにも定着した男女混合団体。FMW以外ではWI★NGプロモーション、IWAジャパン、DDT、ユニオンプロレス、K-DOJO、SMASHなどが該当する。コメントで流された幅広さはこの枠が一番だっただろう。ラム会長が出てくるあたりはさすがである。

 

この振り幅の中で選ばれたのは、男女混合の元祖的な存在の工藤めぐみ。納得の1位だ。チェリーの2位は地道にやってきた姿がちゃんと見られている証明。

 

 

どの女子プロ団体とも絡まず独自路線を歩み続ける東京女子プロレス。ここにある赤井沙希はDDTの赤井沙希ではなく美威獅鬼軍の沙希様であるのは言うまでもない。声優と二足の草鞋を履く清水愛の健闘が光ったが、1位はやはり“エース”山下実優。

 

 

最後はフリー及び海外(ディーバを含む)と、ローカルプロレス団体などどの枠にも当てはまらない選手が対象。この9人になったのもまったく統一性がなくて面白い。今年1月に引退した木村響子が、フリー女子プロレスラーの象徴ということか。

 

 

以上で各カテゴリーの代表者18人が決定。おさらい用に改めて記す。

 

★全女=ブル中野、ダンプ松本、豊田真奈美、アジャ・コング、中西百重

☆ジャパン女子&JWP&LLPW、OZ=神取忍、ダイナマイト・関西

★GAEA、仙女、Marvelous=里村明衣子

☆スターダム、SEAdLINNNG=愛川ゆず季

★WAVE=浜田文子

☆Jd'、JDスター、格闘美=桜花由美

★REINA女子=朱里

☆アルシオン、AtoZ、M's Style=華名

★NEO、ディアナ=田村欣子

☆我闘姑娘、アイスリボン、我闘雲舞=藤本つかさ

★男女混合団体=工藤めぐみ

☆東京女子=山下実優

★フリー、海外、その他=木村響子

 

さて、この後18名を9名ずつランダムに分ける。まずは準決勝A。さすがに各カテゴリーの代表者同士だけに1人に絞るのは無茶振りもいいところなのだが…結果は豊田がブル様超え。決勝アンケートはまず3位の里村、4位のゆずポンまでが確定。

 

 

続いて準決勝Bへ。ここでも対抗戦時代の全女代表・アジャが圧倒。このメンツの中で2位に藤本が入ったことで視聴者もコメントでどよめく。同率3位の中西、華名が決勝アンケート進出確定。

 

 

A、B各上位4人計8人に残り1枠は、準決勝で同率5位となった選手による敗者復活戦で決定。Aが朱里、田村、工藤。Bが神取と山下と合計5名が対象となった。その結果、ギリギリ残った1人は神取! 朱里、工藤と同率2位となった山下の健闘ぶりは評価できる。

 

 

かくして2時間半を超えるアンケートの繰り返しもいよいよラストを迎えた。選びに選び抜かれた9人の女子プロレスラーによって争われる決勝アンケート。はたして、その結果は…せーの、ドン!

 

 

女子プロ総選挙1位は“飛翔天女”豊田真奈美に決定! 11月3日に引退することを表明した直後というのもあっただろうが、やはりあの時代を見ているファンにとってはどれほど時間が流れ、多くの素晴らしい選手たちが登場したとしても、女子プロの常識を覆した豊田真奈美のプロレスは不変なのだろう。パピヨン朱美の気持ちがよくわかる。

 

一応、総選挙らしく順位をつけてみた。ここでも全体で3位となった藤本が光った。

 

「ニコプロ民が女子プロ総選挙をやってみた」ベスト9

1位 豊田真奈美

2位 アジャ・コング

3位 藤本つかさ

4位 ブル中野

5位 神取忍

6位 華名

7位 中西百重

7位 里村明衣子

7位 愛川ゆず季

 

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