KEN筆.txt

鈴木健.txtブログ――プロレス、音楽、演劇、映画等の表現ジャンルについて伝えたいこと

【イベント情報】
「鈴木健.txtのDDT20年史ドラマティック講座」第4回
★1月29日(日)東京・株式会社大阪屋栗田7Fホール(16:00~17:30)
〔企画責任者・進行担当〕伊野尾宏之(伊野尾書店店長)
〔講師〕鈴木健.txt
〔参加費〕入場無料(定員残り16名)
〔予約申し込み〕http://kokucheese.com/event/index/445612/
〔会場アクセス〕東京都文京区小石川2-22-2和順ビル7F/都営三田線春日駅下車徒歩3分、メトロ丸の内線後楽園駅8番出口から徒歩3分。あゆみBOOKSという書店があるビルの7階
〔内容〕DDT20年の歴史を年代によって5分割し、全5回の開催を予定。月に一度、DDT後楽園ホール大会終了後の午後に開催。第4回は「2009年~2012年編」として「夢の両国国技館初進出」「大社長、ユニオンへ移籍」「飯伏vsケニーはなぜあの試合になったのか」「竹下幸之介のデビューとポイズン澤田JULIEの引退」のテーマを予定
〔詳細〕http://inoo.cocolog-nifty.com/news/2016/09/txtddt20-623f.html
〔問い合わせ〕伊野尾書店 inooshoten@gmail.com

【編集&執筆媒体情報】
〔サイト名〕中日新聞プラス 
〔コラム名〕達人に訊け!「鈴木健.txtの文化系名古屋プロレス講座」
〔URL〕http://chuplus.jp/blog/article/detail.php?comment_id=5856&comment_sub_id=0&category_id=237
〔1月19日更新〕岩本煌史の新たなる道がスタート――老舗・全日本プロレスのリングで孤高の芸術を極めよ!

〔携帯サイト名〕週刊プロレスモバイル
〔コーナータイトル〕「EYEコラム」月曜更新「週モバ野郎NOW」
〔1月16日更新〕DDT参戦・帝王に男色の試練到来

〔書名〕月刊スカパー!2017年1月号
〔発行〕ぴあ株式会社
〔価格〕500円
〔内容〕新日本プロレス「東京ドーム大会」ほか新春熱闘!格闘祭り特集ページにてオカダ・カズチカインタビューほかを執筆。「ケニーの狂気性に似た部分は自分にもある」

〔サイト名〕FIGHTING TV SAMURAI公式サイト
〔コーナータイトル〕鈴木健.txtの場外乱闘番外編
〔URL〕http://www.samurai-tv.com/jougai_full/
〔12月2日更新〕第18回ゲストはキックボクシングの新星・那須川天心。「己のすべてをキックに捧げる18歳『個人の夢? 考えたことがなかったです』」と題し「KNOCK OUT」参戦への思い、これまでの足跡、父とのエピソードなど多岐に渡り語っています

【TV出演情報】
〔本放送〕
■サムライTV「DDT1・29後楽園ホール大会生中継」:1月29日(日)12:00~15:30/リピート放送:1月29日(日)22:00~25:30、2月3日(金)26:00~5:30
※実況:村田晴郎、コメンテーター:鈴木健.txt

■サムライTV「DDT2・4エディオンアリーナ大阪第2競技場大会」:2月11日(土)22:00~24:00/リピート放送:2月12日(日)4:00~6:00、2月13日(月)8:00~10:00、2月13日(月)18:00~20:00、2月17日(金)13:00~15:00、2月18日(土)15:00~17:00、2月19日(日)18:00~20:00、2月21日(火)10:00~12:00

■サムライTV「DDT2・19後楽園ホール大会生中継」:2月19日(日)12:00~15:30/リピート放送:2月19日(日)22:00~25:30、2月25日(土)13:00~16:30
http://www.samurai-tv.com/

■GAORA SPORTS「WRESTLE-1 1・8後楽園ホール大会」:1月23日(月)20:00~22:00/リピート放送:1月26日(木)24:00~26:00、1月28日(土)22:30~24:30、2月9日(木)23:30~25:30
※実況:高橋大輔、解説:鈴木健.txt
http://www.gaora.co.jp/wrestling/1776080

〔リピート放送〕
■サムライTV「DDT1・3後楽園ホール大会」:1月19日(木)10:00~12:00、1月23日(月)18:00~20:00、1月26日(木)13:00~15:00
※実況:村田晴郎、コメンテーター:鈴木健.txt

■サムライTV「年越しプロレス12・31後楽園ホール大会生中継」:1月31日(火)22:00~25:00、2月1日(水)19:00~22:00、2月2日(木)7:00~10:00、2月3日(金)17:00~20:00、2月5日(日)12:00~15:00、2月9日(木)7:00~10:00
※実況:村田晴郎、登坂栄児。解説:須山浩継、鈴木健.txt。ゲスト解説:伊東竜二、佐々木大輔、HARASHIMA、橋本和樹

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1月23日よりDDTの公式動画配信サイト「DDT UNIVERSE」がスタートする。かつて、プロレスはテレビで見るものだったがこの数年でオンデマンド配信が発達し、団体が独自のサービスをおこなうようになった。

 

ザッとあげただけでもWWEネットワーク、新日本プロレスワールド、スターダムワールドとあり、昨年9月に旗揚げしたさいDSWはNWAオンデマンドの日本公開も明らかにした。YouTube、ニコニコ動画も加えると全日本プロレス、大日本プロレス、ドラゴンゲートなど多くの団体がチャンネルを開設しており、プロレス専門ch的な役割はニコニコプロレスチャンネルが担い、CS放送のサムライTVもオンデマンドで視聴できる。また、アイスリボンではUSTREAMの普及時に「19時女子プロレス」というコンセプチュアルなものに着手していた。

 

厳密にはテレビが放送、ネットが配信となるのはともかく、こうしたメディアが増えるに連れてそれぞれに月額料金が発生する。その中から自分の嗜好と相談してセレクトする時代となった。

 

これらの放送・配信は、住んでいる場所にとらわれることなくファンに自分たちの試合や選手の個性を楽しんでもらうのが目的である。だが忘れてならないのは、動画サービスはあくまでもライヴに足を運んでいただくための入り口だということ。

 

それぞれのチャンネルに入会することで団体側に収益は発生する。ただ、そこで満足してしまい「中継で見られるから会場にいかなくていいや」となったら、選手たちが報われない。やはりプロレスラーは観客に自分の闘いや表現、生き方を見てほしいし、それによってパワーを与えられる。

 

充実したサービスは入り口にとどまるためのものではなく、一人でも多くの人にライヴを体感してもらうことにつながっているのだ。だからこそ、これらの放送や配信を見て心に染みたり、満足感を味わったりしたら時間と財布、そして距離といった条件と相談した上で、お礼の意をこめて会場にいっていただきたい。

 

私はサムライTVやニコプロで実況も解説もやらせていただいている立場だが、そのような大会や試合を見るたびにそう心から願わずにいられなくなる。「ファンは試合や放送を見るたびにお金を払っているんだ。金も払わずに見られるマスコミにそんなことを言う権利はない」と言われるのを承知で、だ。

 

だからこれは、マスコミが自分の立場もわきまえずバカなことを言っていると受け取っていただいてかまわない。その代わり、一人ひとりが放送を通じて得られたものに対しチケットを買うという形で還元すれば、確実に体を張った選手が潤うことを理解していただきたい。

 

なぜ、こんなわかりきったことを書くのかというと…本日、3日はニコプロで12・26葛西純プロデュース興行を配信。実況を入れているうちに「彼らが今よりもっともっと報われてほしい」との思いが、何度も頭の中を旋回したからだ。

 

昨年末の大会を今頃クローズアップするのも時期を逸しているのだが、この日は第1試合から異様なまでの雰囲気の中で進み、セミ前のDTUウルトラバイオレントチャンピオンシップ・竹田誠志vsミエド・エクストレモ戦と、セミファイナルの月光闇討ち&ゴルゴタの丘十字架デスマッチ、葛西純vsグンソ戦がいずれも狂おしいほどの闘いとなった。

 

いずれも、その日の最終試合として興行が終了してもライヴで体感した全員がかなりの満足度で帰路へつけたはず。にもかかわらず、そのあとにメインは据えられていた。


葛西興行とはいえ、プロレスリングFREEDOMSにとっては2016年最後の後楽園大会。しかも、年間を通じ同所における最高の入り(1370人=超満員)となったそのメインに向かったのは、これまでKING of FREEDOM WORLD CHAMPIONSHIP戴冠経験のない正岡大介だった。

 

ついこの間までは若手とカテゴライズされていた正岡だが、すでに年齢は33歳。葛西、佐々木貴という二大デスマッチファイターの存在が大きすぎて、なかなか次世代を継ぐ選手が浮上できぬまま来た。

 

そんな中、FREEDOMSファンのハートをワシづかみにしたのはビオレント・ジャックと、今年から参戦したミエド・エクストレモ。いずれもメキシコの無名デスマッチファイターだったのがまたたく間に支持を得て、ジャックはKFC王座まで奪取した。

 

葛西に敗れ、罵倒され、金髪だった頭を刈ってまでして正岡は現状を変えたかった。その執念が、宮本裕向というデスマッチの先人に勝っての挑戦権獲得という形につながった。

 

それにしても…お膳立てが揃いまくっているのに加え、自分の前2試合が恐るべきクオリティーで超満員の観衆を興奮の坩堝へとブチ込んでいた。過去に味わったことがないほどのプレッシャーが正岡を襲ったのは、容易に想像できる。

 

デスマッチは狂う半面、その真逆である平常心や冷静さもなければならない。後者を見失い、やみくもにやっていたらちょっとしたタイミングのズレや動きの鈍さがとりかえしのつかぬ大ケガへとつながるからだ。

 

だからこそ、プレッシャーに負けたら試合の内容以前にデスマッチというジャンルそのものに泥を塗ってしまう。とはいえ、落ち着こうという意識が強いと今度は見る者の心に響くようなファイトにブレーキをかけてしまう。

 

デスマッチが、やりたい人間同士で使いたい凶器アイテムを使いボカスカ殴り合って喜んでいるだけのシロモノだと思ったら、大間違いである。むしろ、こういう形式だからこそあらゆる意味で強いメンタルが必要なのだ。

 

そうした経験をしてこなかったのだからプレッシャーに押し潰されたとしても、責められまい。ところが正岡は、竹田vsミエド、葛西vsグンソを遥かに上回るソウルフルなデスマッチをジャック相手にやってのけた。

 

4メートルはあると思われるスキャフォード(建設現場の足場)の上からのスワンートンボムを放ったジャックに対し、ダイビング・ボディープレスにとどまらず雪崩式シュバイン(しかも叩きつけたのは4脚のイスに設置されたガラスボード)を敢行。最後もロークラ改(ダイビング・ダブルニーアタック)で天から舞い降り的確にヒットさせて3カウント奪取。FREEDOMS所属としては佐々木、葛西についで3人目のチャンピオンとなった。

 

▲スキャフォードの上からガラスボードに叩きつけた正岡の雪崩式シュバイン。やる方もやられる方も狂気性とともに冷静さも備えていなければ大変なことになりかねない。なお、同大会の模様はタイムシフトで1月10日23時59分まで視聴可

 

「なんで返せるんだ」「スゲー!人間じゃねえ!」「すごいものを見た!」「東スポベストバウト級やん」「言葉が出ない」「泣ける」…ニコプロのコメントも、明らかに気持ちを揺さぶられていた。ただ危険なことをやっていたわけではなかった証拠である。

 

デスマッチとは、死ぬためにやるのではない。むしろ死ぬほどまでに生き抜いてやろうという生への執着が、選手たちをあそこまでさせるのだ。正岡もジャックも、このFREEDOMSのリングで生き抜くためのことをやった結果、人々の胸を打つプロレスとなった。

 

思わず頭の上に手を持っていって拍手をしたくなるようなものを見せてもらった喜びとともに、大きな悔いも生じた。そう、私はあの日、ライヴでこれを体感できなかった。実況録りで見て、メイン前の時点で声が出なくなるほどに興奮したのだから、現場で見たらもっともっと心に刻み込まれただろう。

 

そういう後悔をしないためにも、感じるものがあったら動かなければならないのだと思う。現代のプロレスは、素晴らしい。どの団体も選手も、ファンのことを考え、一人でも多くの人に自分が打ち込んでいるジャンルを知ってほしいと思っている。

 

放送・配信、あるいは我々マスコミは手段であって、目的そのものとは違う。プロレスにおける目的を達成させられるのは、ファンの“応える力”なのだ。

 

4日はニコプロ大日本プロレス新木場1stRING大会生配信の実況を務めたあと新日本ドームに向かい、終了後にニコプロで同大会の二次会をおこないます。22時から年間最大の業界を代表するイベントについて語り合いましょう。

 

【2017年1発目の生中継!】大日本プロレス 1.4新木場1stRING大会 生中継!

 

新日本プロレス「戦国炎舞 -KIZNA- Presents WRESTLE KINGDOM 11 in 東京ドーム 」 二次会

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年明け一発目の取材は全日本プロレスから。いったい、いつから2日&3日の後楽園大会が続いているのか知っている方がいたら教えてください。これはチャンピオン・カーニバルや世界最強タッグ決定リーグ戦が継続しているのと同じぐらいすごいことだと思う。

 

なんといってもジョー・ドーリングの姿を見なければと思っていた。一時期来日が途絶えていたのが、昨年のチャンピオン・カーニバルでエントリーが発表されるや大「ジョー」コールが発生したのが忘れられなかった。

 

「ヘビー級の大男たちが正面から激突するド迫力」こそが全日本であるならば、ジョーはまさにその体現者。かつては多くのガイジンレスラーたちが担っていたものを、ひとりでその期待を背負っていたからこそ全日本のファンは強い思い入れを持っているのだろう。

 

それだけに悪性脳腫瘍が発覚しカーニバル欠場となった時は誰もが落胆し、そしてその再起を心から祈った。11・27両国国技館に来場し、高らかに復帰を宣言。孤独な闘いを乗り越えたことで人間力が高まっているかのようにオーラが漂っていた。

 

今年の全日本は13名の所属選手による新年の挨拶から。その中に、1月1日付でスポルティーバ・エンターテイメントから移籍した岩本煌史もいる。近いうち、本格的にジュニア戦線に食い込んでくるはずだ。

 

 

入場式後、自由を啓発させる曲が流れWRESTLE-1を退団しフリーとなったKAIが登場し、2月より参戦することを発表した。古巣のリングに立ち、過去にやり残した三冠ヘビー級奪取を目指すと宣言。その後はバルコニーから全試合を観戦していた。

 

 

さて、休憩中に有刺鉄線ボードがリング内へ持ち込まれる。戦前、ルール問題に揉めに揉めたアジアタッグ戦は結局のところ、大仁田厚の主張がほぼ全面的に認められスクランブルバンクハウス形式でおこなわれることに。立会人の小佐野景浩さんがボードの前へ立つというレアなシーン。

 

 

挑戦者チームのセコンドとして姿を現したケンドー・カシンは、リング内に設置されているボードを見るやひっくり返し、有刺鉄線の方を裏に向けてしまった。この後、邪道信者の皆さんが振る幟を奪うやズタズタに叩き折るというケンドーではなく邪道っぷりを発揮し、殺意を抱かれていた。そして開始のゴングが鳴るや大仁田のセコンド、パンディータを捕獲し南側客席へなだれ込み、そのままどこかへ消えてしまった。

 

 

両国に続いてこういう展開に。大仁田は腰の骨を折っていてもテーブルクラッシュを敢行! そしてそれに手を貸さず、傍観を決め込む渕。

 

 

「骨折しているらしいが容赦しない」と宣言していた通り、秋山準は徹底した腰への攻撃。そして大仁田がボードへ振ろうとしたところを切り返した。あの秋山が、有刺鉄線ボードを使った瞬間である。

 

 

大仁田もやり返したが、やられたのは秋山ではなく井上雅央。2006年4月23日、日本武道館のメインでGHCヘビー級王座を懸けて闘った2人がその10年8カ月後、このようなシチュエーションに身を置くとは誰が予想しただろう。

 

 

渕の首を場外パイルドライバーで破壊しにかかるや、場内は大ブーイング。全日本のリングで大仁田がやりたい放題やっているのに民意は王者組に。どういうことなのか。

 

 

テーブルの破片で秋山の脳天をブチ抜いた大仁田だったが、ギターショットはディフェンスされ、逆に殴打された。ものすごい白煙がリング内を包み込んだ。

 

 

渕がエクスプロイダーで投げられそうになったところを毒霧で救出した大仁田。秋山の顔面が一瞬にして赤く染まった。この後、再び両者場外へなだれ込みリング上は渕と雅央に。

 

 

東側ひな段席で大仁田と秋山が乱闘を繰り広げる間、リング内では渕の首固めを2度返した雅央だったが、その後の逆さ押さえ込みは返せず。気がついたら試合が終わっていたため秋山はぼう然。

 

 

収まらぬ秋山に対し、大仁田は「秋山、よく聞け。プロレスはなんでもありじゃ」と、FMW旗揚げ当初のコンセプトをこのタイミングで持ち出した。ちなみにカシンはパンダを連れ出したまま結局戻ってこなかったが、パンダの方はいつの間にかセコンド業務へ復帰していた。

 

 

試合中、邪道には一切手を染めなかった渕だが、それでも防衛を果たして嬉しそう。今後の防衛戦も、大仁田が暴れている間に渕がしとめるという戦法でやっていくようだ。

 

 

そしてセミファイナル。待望のジョーが登場。ものすごくモフモフしたファーガウンを羽織っていたため超巨大に見えた。

 

 

コールと同時に「お帰り!」の紙テープ。ファンからの励ましのメッセージが刻まれたEvolutionフラッグを掲げる。本当に…本当にこの瞬間が訪れたのだ。

 

 

諏訪魔との豪快な投げっ放しフォールアウェイスラムも帰ってきた。これぞオールジャパンプロレスの醍醐味!

 

 

さらにジェイク・リーのアゴを的確に捕えた重爆ドロップキックも復活! この日のジョーはリングを離れている間にたまっていたものを一気に吐き出さんかのような瞬発力に溢れていた。

 

 

諏訪魔が押さえているところへラリアットを放つと、相手の肉体を貫通して衝撃が到達。諏訪魔もコーナーポストまで吹っ飛ばされるという仰天シーン。「おいおい、暴れすぎだぜ」とばかりに顔をしかめつつも、盟友の変わらぬパワーを実感し諏訪魔は嬉しそうだった。

 

 

最後もカウンターのクロスボディー一発で野村直矢を圧殺。手がつけられないという点では欠場前を明らかに上回っていたシカゴの暴走機関車。勝負が決したあとも大「ジョー」コール。ジョーは再びフラッグを掲げ、リングサイドを回りファンとタッチを交わし花道を帰っていった。

 

 

ジョー復活の衝撃から一転し、メインは新春恒例バトルロイヤル。これが思わぬ展開に。阿部史典とともに和田京平レフェリーまでもがロープ渡りを披露したのだ。

 

 

そして阿部とカチ合うと問答無用に場外へ突き飛ばしたため、阿部はオーバー・ザ・トップロープで失格に。しかし直後、京平さんも落とされて場外へダイブ! 全日本の新春バトルロイヤル史上初と思われる「レフェリー失格」となり、この後は李日韓レフェリーが裁いた。京平さんは足から転落し、しばし動けず。セコンドの肩を借りて退場していった。

 

 

バトルロイヤルの終盤はヤンキー二丁拳銃の2人、チームドリフの3人、GET WILDの2人の中へ取り残されたブラック・タイガーⅦがうまく立ち回ろうとしたが、最終的にはGET WILD同士の決勝に。うまく大森隆男が征矢学を丸め込み、世界タッグ挑戦前日に明暗を分けた。勝った大森さんは「今のバトルロイヤルを見てもわかる通り、最初に真実を貫き通したものが最後に賞金を手にする」と新年早々哲学的なマイク。

 

 

全日本後楽園終了後、水道橋の街に出て原稿を書くべく電源のあるカフェにいったが1月2日とあってお休み。モスバーガーに移動するも、ここも正月時間の17時閉店。その後、ヴェローチェへ移って作業を続け、18時半には大日本後楽園へ。

 

こちらも所属選手による新年の挨拶。ガッツワールドから移籍した吉野達彦もBJWのジャージーに身を包みリングへ上がった。選手を代表し関本大介が挨拶。

 

 

この後、道標明や気仙沼二郎をメジャーデビューさせたキングレコード・大槻さんとともに観戦したが、21時からニコプロがあったためメインのBJW認定タッグ戦は見られず。グレート小鹿会長が認定書を間違うことなく読み切ったのを確認し会場を出る。佐藤耕平&石川修司と関本&岡林裕二がすごい試合を見せたことをあとで知り_| ̄|○

 

ニコプロは2日後に迫った新日本1・4東京ドーム大会の全試合勝敗予想会。今年も東京スポーツ・岡本佑介記者と観戦の参考にならぬことを2時間半もしゃべりまくる。とはいうものの、私はともかく岡本記者の話はちゃんと聞くとけっこうな情報を提供してくれているので、イメージだけにとらわれぬようにしましょう。

 

 

試合に関すること以外にも岡本記者からは「取材に遅刻した内藤さんからLINEで送られてきたのが、内藤スタンプ。しかも音つきで『トランキーロ…あっせんなよ!』と聞こえてくるわけです。自分のスタンプを使うのもどうかと思いますけど、あの音で改めて言われると頭に来ますよねー!」という耳寄りな情報も。いろいろとこぼれ話が出てくるのでドーム大会前に見てください。

 

さて3日はニコプロで、12月26日に後楽園ホールで開催された葛西純プロデュース興行の実況です。相当凄まじい大会だと聞いております。たぶん、実況の方も興奮すると思います。

 

葛西純プロデュース興行「BLOOD CHRISTMAS 2016」12.26後楽園ホール大会 中継!

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新年あけましておめでとうございます。旧年中はお世話になり、心より感謝いたします。今年も文章、コメンタリー、実況、講座ほかを通じプロレス、音楽、演劇などのさまざまな表現ジャンルの素晴らしさを伝えることで皆様としあわせを共有していきたく思います。変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願い申し上げます。

というわけで今年から、できるかぎりこのブログを更新していこうと思います。MySpace時代から、書くとしたらちゃんとした読み物でなければという強迫観念のようなものがあったのですが、大概は先に他の媒体で出力してしまうもので結果的に更新が滞るという現状が続いておりました。

だがしかし、日々にあったことや感じたことを1行でも書きとめておくのもいいかと思いました。

以前に岡林裕二選手から聞いたのですが、大日本プロレスは毎年12・30後楽園→12・31年越しプロレス→1・2後楽園→以下は通常営業となっているため、年末年始感も新年を迎えたという実感もないそうで、学校の年度変わりのように4月からが新たなる年という感覚なのだとか。これは業界全体が似たようなものなのではないでしょうか。

各団体とも年末まで大会をおこない、2017年を迎えると同時に興行ラッシュとなりタイトルマッチが目白押しに。その中で業界最大のイベント、新日本プロレス1・4東京ドーム大会が開催されます。

そういった流れの中に携わることができるのは、とてもしあわせなのだと思います。大晦日は、年越しプロレスのサムライTVコメンテーターを務めさせていただきました。

これは週刊プロレスを離れた翌年の2010年から7年連続。2000年代はじめあたりまではプロレスを見ながら年を越す場はなく、それを思うと毎年後楽園で新年を迎えられるのはなんと恵まれているのだろうと実感します。


かつてはお祭り的な大会ということで大日本、DDT、K-DOJOの選手たちが集い企画性の高いカードを並べていた年越しプロレスも、ここ数年はワンナイト・トーナメントで固定。シングルからタッグへシフトし、回を重ねるごとに若い選手たちのエントリーが増えてきた中で今回の決勝戦は4人全員がキャリア5年以内の二十代という顔合わせとなりました。

そのあたりの感じたことは週刊プロレスモバイル連載コラム「週モバ野郎NOW」に書きましたのでご一読ください。決勝の樋口和貞&宇藤純久vs神谷英慶&竹下幸之介戦を見て思った「“将来性”とは未来ではなく現在を表す言葉」を、そのままタイトルにしています。

年が明けて最初のお仕事は元日恒例「ニコプロテレフォンショッキング」でした。1月1日という選手の皆様もくつろいでいるであろう夜に電話をかけ、昨年の総括や新年の抱負を聞くという迷惑千万なこの企画。昨年はザ・グレート・サスケが2016年の予言をするなど例によって持っていってしまい、アンケートでも1位になったため今回も打診したのですが、12月29日に送信したLINEが現在も既読になっておらず。

ブログを見ると、どうやら年末は「隠密行動」に勤しんでいたようで、宇宙大戦争前に世間へ到達した発言等によるものなのか、LINEを受信できぬ国かどこかに身を潜ませていた可能性があります。なので諦めました。

今年は大森隆男、小峠篤司、征矢学の各選手に電話出演していただきました。いずれも年明け早々タイトルマッチが組まれているお三方。大森さんは世界タッグと三冠ヘビー級、征矢さんは同じく世界タッグとWRESTLE-1チャンピオンシップを奪取し、ベルトとともに2人でニコプロスタジオへやってくると公約。そのさい、私がミニキーボードで演奏し『Get Wild』をデュエットで歌っていただけるとのこと。

征矢さんいわく、意外にもこれまで大森さんと2人でGet Wildを歌ったことはないそうです。実現すればこれが初披露となるので楽しみ。「ただし! 大森さんが歌詞を覚えていないので、まずは歌詞を確認するために一人で歌ってもらいます」(征矢)

小峠さんはヘビー級転向に関する意気込みを語っていただきました。話の中にも出たのですが、大阪プロレスでデビューした当時の細い体を見ている一人として、その口からヘビー級という目標が聞かれたのは感慨深いものがあります。

これは、デルフィンアリーナ時代から今も小峠さんや原田大輔選手を応援している大阪のファンの皆さんも、同じではないでしょうか。年が明けるとプロレスリングNOAHの事務所が水道橋に移転しますが、じつはニコプロスタジオとは道をはさんだお向かいさんとなります。

ご近所付き合いを深め、見事なまでの癒着っぷりを築くよう約束しました。そして最後に追加で電話をかけて出演していただいたのが、横浜にお住まいの「アイアンキング」さん。2日に3回ブックオフにいくというアイアンキングさんは、プロレスの話はあまりせず、ものすごいBPMで話題が変わっていく方でした。

一応、大日本プロレスの2017年について聞いたところ、返って来たのは「鉄日本プロレス/アイアンジャパンプロレス」(略してアイジャ)旗揚げという仰天プラン。室蘭、釜石、君津などの鉄で栄えた都市を巡業するとともに、鉄の大切さを知ってもらうべくそうではない町にもいくという構想をブチあげました。

▲サングラスをしているのはかつて日本のお昼時の顔となった方を踏襲しているため

スタイル的に、あるいは頭の方もまるで溶岩のようにこり固まったカテェプロレスになるとアイアンキングさん。これほど表現の幅が広がった日本のプロレスシーンにおいて、それはもしかすると空き家と言えるかもしれません。

そんなヨタ話をしただけなのに、アンケートではアイアンキングさんがダントツの1位に。これでは他のお三方が浮かばれません。どうしてくれるのか。

そんな2017年のはじまりでした。明日は1・4東京ドーム直前座談会に出演します。東京スポーツ紙敏腕記者の岡本佑介さんとともに全カードの勝敗予想会をおこないますので、ご参加ください。

新日本プロレス「戦国炎舞 -KIZNA- Presents WRESTLE KINGDOM 11 in 東京ドーム」 直前座談会!
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10月より読売日本テレビ文化センター(よみうりカルチャー)恵比寿センターにて文章講座「鈴木健.txtの体感文法講座」新期を開講します。プロのマスコミを目指す実戦派はもちろん、趣味として文章力を高めたいという受講者にも役立つ内容を2010年4月より多くの受講生が学んできました。読み手の目線にならったリズム感のある伝わる文章、ブログ等では意識しないテクニックを身につけるのが目的です。文章力をつけたあとにプロレス観戦や映画鑑賞をした上での取材実習、インタビュー実習といった目標を立てて、継続的に学んでいくものです。

「鈴木健.txtの体感文法講座」
〔講座日時〕10月11日より毎週第2&第4火曜日19時~20時。3カ月分の開講日は以下――第1回…10月11日、第2回…10月25日、第3回…11月8日、第4回…11月22日、第5回…12月13日、第6回…12月27日
〔会場〕東京・読売日本テレビ文化センター恵比寿センター(JR恵比寿駅ビル「アトレ」7F http://www.ync.ne.jp/ebisu/
〔受講料〕3カ月(6講座)分税込み1万9440円(うち消費税1440円。以後3カ月ごとに更新)
〔設備費〕3カ月分777円
〔読売カルチャー入会金〕税込み5400円(他のよみうりカルチャー講座を受講している場合は不要)※WEB割引用クーポン券を利用すると税込み3240円になります→
http://www.ync.ne.jp/yomicul/coupon.php#coupon-info
〔体験講座〕どんな講義なのか体験してみたいという方には体験講座があります。受講料1回分3240円と設備費1回分126円を申し込みください。なお2回分以上希望の場合は通常の3カ月分申し込みとなります
〔申し込み・問い合わせ〕読売日本テレビ文化センター恵比寿センター(TEL03-3473-5005、担当・小玉)にて受付中。ウェブからの申し込み、詳細は http://www.ync.ne.jp/ebisu/kouza/201610-01110004.htm

インターネットの普及により、現代では誰もが自分の書いた文章を不特定多数に向けて発信することができます。そうした中、雑誌や新聞、書籍など商用媒体に掲載されるのは“読者にお金を払ってもらう文章”であるのが最大の相違点です。無料で文章や読め、情報が得られる中でお金を出して買ってもらうには、読者という消費者のニーズに応えられるものでなければならず、その大前提としてわかりやすい、伝わりやすいものであるのが必須となります。伝わりやすい文章とは何か? それは読み手の目線、意識にならった書き方です。読者が読みやすいと思える構成、自分本位ではない内容であるのを意識するだけで、ブログの文章とはまったく違うものが書けます。

読者に伝えるための押さえどころとしては“リズム感のある文章”“くどくない文章”があげられます。当講座では、そのための具体的な文章構成力を養っていきます。改行ひとつに気を配り、句読点の位置にも意味を持ち、同じ言葉の乱発を避けることで文章にはリズムがつき、スラスラと読まれるようになります。また漢字・かたかな、記号の使い分け方のようなブログレベルでは意識しないテクニックも磨けます。これらの読み手の立場になった上での呼吸、間に基づいた文法を「体感文法」と名づけました。

カリキュラムはまず基礎的なルールの理解からスタートし、書いてみてその修正を繰り返すことで文法を身につけていきます。さらに取材実習やインタビュー実習を通じ構成力を養います。学ぶ内容は本格的ですが、カルチャースクールですからみんなで楽しむのを前提にやっていくつもりです。そのためには取材実習にも積極的に参加して、仲間を増やしていってください。


なお、過去に寄せられた質問と回答をFAQとしてまとめましたので参考にしてください。

Q プロレスにもスポーツ全般にも興味がありません。そんな人間が受講しても大丈夫なのでしょうか。
A 講義内容については、私自身の経験に基づいていますのでプロレスに寄ったものになると思います。寄ったもの…というのは、具体的な例文や経験したことの事例をあげるさいにそうなるケースが多いことを指します。ただし、プロレスだけでなく音楽や映画、演劇などの見たものを例として出すことも考えられます。どのジャンルに特化しても文章を書く、あるいは書き方を覚える上ではすべて地続きです。文章力を身につけたあとにおこなう取材実習に関してもプロレス観戦に偏るつもりはなく、映画や演劇等を見た上で文章を提出する機会も設けます。これらは希望者によるものですので、自分が体験したいものを選んで参加していただければけっこうです。参加しない実習でも、ほかの受講生が書いて添削を施された文章をいっしょに講義でなぞっていくだけでも、自分自身の力になります。なので、プロレスを見ていなくても学ぶことは実になると思われます。

Q 受講を決意してはいるのですが、カルチャースクールや文章を学ぶという経験がないため、紹介文の「実戦派」という単語に軽い恐怖を抱いております。句読点の付け方をなんとかしたい、文章の構成方法がよくわからないレベルの人間でも、問題なく受講できるものなのでしょうか。
A 文章講座に関してはプロレスなどの練習と同じように基礎をしっかりと身につけるのが第一前提であり、最優先される目的と考えております。そして、それが身についたところで初めて“実戦”を目指せるのであり、今回受講いただく皆様は全員、スタートはその基礎作りにあります。ですので、句読点の付け方をなんとかしたい、文章の構成方法がよくわからないという方々向けのものであり、そこでもうワンステップ上にいきたいとの願望が芽生えたら実戦向きのものに着手していただければと思います。実戦よりも、基礎を何度も反復することで完璧に身につけたいと思われる場合は、それでもかまいません。要は、目的に合ったスタンスで受講いただければいいかと思われます。最初の3カ月は、本当に基礎中の基礎…なぜ、そこに句点が来て、ここに読点が来て、ここで改行するのかといった細かく地味ながらも、それでいて本当に文章の足場となることを理屈で覚えていく作業となります。それを経て、自分の文章力に変化が見えて具体的なテーマを立てた上で、さらに伸ばしたいという方のために取材実習等を考えております。

Q プロレスマスコミになりたいのですが、その道は拓いていただけるのでしょうか。
A 講座を通じて私から推薦するに値する能力が身についた方で希望される場合は関連メディアに斡旋します。以前に同センターでおこなった講座からは4名がマスコミ関係の仕事に進み、うち1名が週刊プロレスに在籍していました。プロレスにかぎらず独自にマスコミ、ライターを目指す方も文章力と心構えについては合格レベルのものを養えると思われます。

Q 文章の書き方以外に役立つことはありますか。
A まず、講座を受けることで他者の話を聞く姿勢が身につきます。お金を払って参加されるわけですから、あらゆるものを吸収していただきたい。そのために集中することで自己を抑え、他者の目線になれます。じつは文章を書く上でこれが非常に重要になってきます。「読者の気持ちになる=相手の気持ち、立場になって考える」が、私の考えるお金をとる文章とそうではない文章の違いだからです。この講座は、文章実習を通じてそうした姿勢を養う点にもうひとつの目的があります。

Q 3カ月更新となっていますが、本当に3カ月だけの受講でもいいんですか。
A 講座のカリキュラムとしては前半3カ月で基礎を身につけ、後半3カ月で実習を重ねるのが1つのサイクルであり、それ以上に実習を積み重ねてより腕を磨きたい方は3カ月ごとに更新し、継続していくほどに上達します。なので、本来ならば6カ月単位で募集するところですが、それだと一度に払い込む受講料等が高くなってしまうため3カ月単位にしました。せっかく身につけた基礎をじっさいに試してみて、添削を受けることでさらにブラッシュアップする。その繰り返しで腕は磨かれていくので、最低でも6カ月は続けることをお勧めします。

Q 第2回目以降からの途中参加は可能ですか。
A すでにカリキュラムが進んでいますので、それまでの資料をお渡しし、別枠で受けていない分をまとめて説明することはできます。ただし、半分進んでしまうと内容的にそれが難しくなりますので、途中参加は第3回まで可能と考えています。その場合の受講料等に関してはセンターにお問い合わせください。

最後に、過去在籍した受講生が課題で書いた講座の紹介文を掲載します。この方も、スタート時は一般的なテキストでしたが地道に積み重ねた結果、ここまでのリズム感がある読みやすい文章が書けるようになりました。

文章を書くことによって
引き出されていくもの

三橋 建

 日常生活において、文字にふれな
いで一日を過ごすのは難しい。街に
出れば、そこには言葉があふれてお
り、学校や会社で私たちはたくさん
の文章と出会うことになる。
 文章の読み書きはコミュニケーシ
ョンのツールとして、会話についで
大切な手段である。相手あってのも
のなので、自分本位の一方的な出力
ではならない。
 インターネットの普及により、誰
でも簡単に公へむけて自分を発信で
きる時代となった。便利になる一方、
twitterや大型掲示板、facebookと
いったところでの他人との衝突や事
件も増えてきたようだ。
 人とのコミュニケーションが円滑
にすすめられるためのものであるに
もかかわらず、文章への理解がない
ために、友人を傷つけてしまう。あ
るいは、間違った情報で結果的に人
を騙してしまうのも、なんとももっ
たいない話だ。
 だからこそ私たちは、その情報が
間違いでないか、自分のことが正確
に発信できているかを見直す必要が
ある。社会全体が文章という表現と
伝達の方法を、学びなおす時期なの
でと思う。
 鈴木健.txt氏の文章講座は名称が
『体感文法講座』となっている。ポ
イントになるのはもちろん“体感”
というフレーズである。
 体感は、この場合“リズム”と置
き換えても構わないだろう。読みや
すく、音楽のように耳に届いてくる
文章ということだ。
 講座では毎回、完成した文章を自
分で音読することになる。書いてい
た時は気づかないのだが、声に出し
てみると、文章のバランスの悪さに
気づく。
“てにをは”といった助詞の使い方
はもとより、句読点の打ち方や段落
の作り方。同じ言葉の重複をさけ、
いかに読みやすい文とするか、じっ
さいに声をだしてみて、それを体感
しながら基本を学んでいく。
 よい文章はすらすらと読みすすめ
ることができ、読み手にストレスを
与えないもの。講座の講師である鈴
木先生は、つねにその存在を意識し
た文章の意義を生徒に伝え続けてい
る。
 日常生活でも、自分のことだけを
くどくどと話し続ける人との会話は
苦痛である。聞き手を意識し、必要
な内容をわかりやすく伝えるのがポ
イントだ。
 文章においても大切なことは削る
作業。誇大する自分をおさえ、いか
に自身へNOをいえるかの闘いでもあ
る。
 また、文章においては文字が紙面
に残ることになる。ここにも読み手
への配慮が必要。たとえば“やさし
い”という言葉は、漢字で書くのと
ひらがなとでは見た印象が大きく変
わる。
 ひらがなを使えば印象はやわらか
いものとなるが、漢字で“優しい”
と書くとその画数の多さから少し重
いイメージを与えてしまう。またこ
の字は“人が憂う”や“すぐれてい
る”という意味でも使われるので、
これを使い分けることによって、自
分の感情をより正確に表現できる。
 漢字の使い方に関してはもっと細
かく指導がある。“超える”と“越
える”とではなにがちがうのか。ま
た「行った」と書くと“いった”な
のか“おこなった”なのかがわから
ない。こういった表記に気をまわせ
るようになるだけでも、一気に読み
やすい文章へと変わっていく。
 課題の作成には毎回テーマが出題
される。劇や映画のレビューだけで
なく、時事問題についての意見、自
分自身のことなど、非常に幅広い。
 書き手はつねに第三者である読み
手を想像しながら書くので、ひとり
よがりな文章にならぬよう、受講者
全員で課題にふれることになる。ま
ずはこの人たちからの共感と理解を
得られるかどうかだ。
 普段こういったことは気の合う友
人とだけ話をしているようなら、気
をつけたほうがよい。講座には老若
男女、さまざまな人が参加している。
職業もちがえば、歩んできた人生も
異なる。
 なにげない出力に、自分の意図と
はまったく別な感想が返ってくるこ
ともある。これを会社などでおこな
っていたかと思うと、少しこわくな
る時もしばしばだ。
 逆に人の課題を読み、自分とはち
がう意見や感想にびっくりさせられ
るケースもしばしば。この講座のお
もしろみは、ここにもある。他者の
意見を知り、自分の見識がさらに深
まっていくのだ。
 課題にはかならず書き直しが必要
となる。大量の“アカ”とよばれる
先生による訂正の指摘をいれられ、
参加者全員の前で音読をし、その体
感を自分で確かめる。そのあとみん
なでほかの訂正箇所や内容について
の評価をおこなう。
 そうやってアカをいれられた部分
を訂正し、ほかの参加者の意見を聞
き、より読み手を意識し書き直して
いくと、それだけで段違いに文章が
よくなるのだ。自分の思考が深化さ
れ、より簡略化された出力に驚くは
ずだ。
 鈴木先生は人の言葉をより深め、
その奥にある思考を引き出すのが抜
群にうまい。そうやって講評と会話
を通したなかでうまれた文章は、見
違えるように読みやすく伝わりやす
くなり、そしておもしろいものとな
っていく。
 そしてこれが文章を書く喜びにも
つながる。自分の思考が言葉となっ
て表現でき、人に伝わったときの感
動は知る人ぞ知るもの。さまざまな
芸術家たちが内面を形にせんと苦悩
しながら、表現する作業をやめない
のがよくわかる。
 引き出されるのはそういった表現
だけではない。文章とは自分自身の
言葉だから、課題を書く際には否応
なしに自らと向き合うことになる。
 人の歩みに大きく左右される文章
は、いわば人生そのもの。自分がど
う感じ、判断してどのように生きて
きたか。日常生活に埋もれてしまい
がちな部分を、この講座は掘り起こ
してくれる。
 そして、文章として自分の言葉で
第三者の前へさらしたときに、あら
ためて己の生き方がどういうもので
あったか、自身がどういった存在で
あるかを見つめなおすことにもなる。
 忙しさにかまけていろいろな人の
気持ちや自分の感情を置き去りにし
ていると感じるのであれば、文章を
書くのはそういったものを引き出す
のに、じつは一番いい方法であった
りもするのだ。確かに、ほかの表現
活動と比べて孤独なものだし、
地味
な作業なのは否めない。
 しかしこの講座では、
人とのつな
がりの中で作っていくも
のだと教え
られる。たとえそれ
が、弱いつなが
りであったとし
てもだ。
 講師である鈴木先生は、プロレス
専門誌の記者だった方だ。現在はフ
リーライターとして、芝居や映画の
レビュー、音楽誌への寄稿などを手
がけている。一方でプロレス中継の
実況やコメンテーター、イベントや
インターネット番組の司会として、
あらゆる媒介で活躍をされている、
マルチな才能を持つ人である。
 文章は通常の記録を目的とした新
聞記事のようなものから、読み手が
思わず吹き出してしまうコミカルな
ものまでと幅広いが、一番の特徴は
人の
歩みを丁寧に追っていき、言葉
だけ
でその軌跡をドキュメント映像
や映
画のように、読み手の脳裏にう
かび
あがらせる表現力と巧緻力だ
う。
 人間の特性を見抜くのが抜群にう
まく、博識と多方面への好奇心を絶
やさない人なので、講師としても生
徒の秘めたる部分を引き出すことが
できるのだと思う。この『体感文法
講座』は、人の内面や能力を呼び起
こす講座でもあるのだ。
 職場で必要な文章作成がより楽し
くなり、コミュニケーションのスキ
ルアップにもつながる。自分の枠が
なかなか広がらずにいるのであれば、
こういった場で今までまったく接点
のなかった人たちの薦める映画やお
芝居にふれてみるのもいいだろう。
 ネット上でのものではなく、生身
の人間としての感想や意見を聞き、
理解を深めていく。このような文化
サロンとしての側面をもつ場所も、
今の時代はなかなかに得難い場所で
あるといえる。
 英語では教育のことを“education”
という。educeという動詞の派生語
で、引き出す意味である。
 いろいろなものに行き詰まりを感
じている方へ、特にこの講座をお勧
めしたい。内面にある本人でも気が
ついていない自分自身を引き出せる
場所と講師が、ここにはある。
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テーマ:
P-MODELのファンとして、ヴァーチャルドラマー・TAINACO以外の歴代メンバーに関してはその後の活動も追うようにしている。音楽から離れた者もいるが、やはり“そっち系”を続けているケースが多い。

そんな中、突然変異的に真逆とされる方向へ進んだ元メンバーがいる。“改訂P-MODEL”のアルゴリズム(ドラム)として存在感を発揮した上領亘だ。

グラスバレーからプロとしてのキャリアをスタートさせ、ソフトバレエのサポートを経て平沢進と出逢い、そのソロライヴのドラムを務めたことでP-MODELに加入。前任者の藤井ヤスチカ(グルーヴァーズ)がエレクトリックドラムで無機質なリズムを刻んだのに対し、硬質な生ドラムを叩き小西健司のハンマービートと相まってサイバー感あふれるサウンドを現出させた。

ソロアルバムもリリースする一方、大物アーティストのサポートでアリーナクラスのステージも経験。メジャーな活動とマニアックな方向性を両立させることで独自性を誇るプレイヤーとして評価された。個人的には平沢ソロでの『夢みる機械』と『舵をとれ』や、P-MODELとしては『OH MAMA!』のリズムアレンジが出色していたと今でも思う。

そんな上領が民謡を題材に活動をしていると聞いた時は、まったく結びつかなかった。平沢も和の要素を採り入れたメロディーや歌唱法を聴かせるが、民謡という言葉は用いていない。ましてや上領は主にロックやポップスの世界を渡り歩いてきており、和の音楽との強い接点はなかったはず。

さっそく、そのプロジェクト――NeoBalladを調べると、ちょうど『会津磐梯山』のMVが発表されたばかりだった。会津若松市で生まれた自分にとっては、民謡の中でもとっつきやすかったわけだが…ひとたび聴くやそのオリジナリティーあふれるアレンジによって、血中テクノ濃度の高い我が身に心地よいグルーヴ感がかけ巡った。ちゃんとテクノで、ノリがあって、なおかつ日本人としてのDNAが駆り立てられる懐かしいサウンドだった。

音楽的に対照と見られるものを融合させれば斬新に映るだろう。でもそれが目的なのではなく、あくまでも民謡に新たな息吹を与える方法論としての現代的なアレンジであることが、この時点で感じ取られた。それはなんといっても、若狭さちのヴォーカルが核に据えられているからにほかならない。

民謡特有のコブシを効かせたヴォイスがシンセサイザーサウンドの上に乗せられながら、そこに違和感は微塵もなくむしろ水を得た魚のように音と戯れながら舞っている。さっそく2枚目のアルバム『02~黄金の里~』を購入すると、それはもはや古めかしいものとして敬遠される民謡全集とはまったくの別モノだった。

比較するならば、上領のファーストソロアルバム『鴉』(これに収録された上野洋子ヴォーカルの『君』は名曲!)よりもニューウェイヴの味がしたし、前者が実験的要素の強い方向性だったのに対しこちらはわかりやすさでも幅広い層に受け入れられる作りになっていた。

いろいろ探ってみるとNeoBalladは地方のイベントに呼ばれるとシンプルなドラムセットとオケを出すシステムを携え出向いていた。ある時は通りすがりの人々が立ち止まって眺めるような野外ステージで、ある時はお爺さんお婆さんが集まる中でビートの効いたサウンドを響かせ、若狭が一人ひとりに語りかけるかのごとく民謡を歌う。

グラスバレー時代から見続けてきた者ならば、その光景は衝撃的だったはず。“あの上領亘”が袴姿になり、数十人のオーディエンスの前で朗々とドラムを叩き、リズムを刻んでいるのだから。

いったい、どのような思いでこのNeoBalladをやっているのかを確かめたくなり2014年8月、高円寺HIGHのワンマンライヴへ足を運んだ。ステージ上の上領は、じつに楽し気で充実感に満ちた表情をしていた。P-MODELの頃はその中で自身のカラーを際立たせるかのごとく叩いていたのに対し、NeoBalladでは若狭やオーディエンスの存在を俯瞰して見られる距離感を保ちつつ、それでもプレイヤーとしての物足りなさは見受けられず…とでもいうべきか。

さらにライヴで印象的だったのは、若狭がまとう艶である。それは民謡や和服姿である以上に、ステージ上で見せる動きによるところが大きかった。

指先まで神経が行き届いた振り付け。手をかざした時の横の間合いがじつに独特で、歌と音を包み込む動きが民謡で描かれる人間ならではのやさしさやぬくもりを表現しているかのようだった。

手拍子をする者もいれば、グルーヴ感に乗せられ体を揺らす者もいる。ロックのようなカタルシスはなくとも、日常の中で忘れかけている根源的なものが染み込んでくる…それがNeoBalladの世界観だった。

国内ではまだ小規模のステージが多いNeoBalladだが、日本文化を表現することからフランス・パリで開催された「Japan Expo 2015」に招へいされ、台湾の台北でもステージを経験している。おそらく今の時点では、外国の方が先入観を持たれることなく受け入れられやすいのだろう。

伝統的な民謡と並べたら、NeoBalladのアプローチの仕方に対し同じカテゴライズとすることに異を唱える者もいるかもしれない。だが本来は土地土地に根づく世相を反映し、その物語を歌にしたものだったはず。ならば時代に合わせて表現を自由に変えていくことこそが、あるべき形だと言えまいか。

そんなNeoBalladの活動が、キングレコードの大槻淳氏の目に留まった。90年代からプロレステーマ曲のアルバムをリリースし続け、最近では新日本プロレスの田口隆祐が扮する道標明をCDデビューさせた仕掛け人とつながるとは、夢にも思わなかった。

「民謡のような純音楽はそのままやっているだけではどうしても地味なジャンルで、習っている人口も昭和の時代と比べて激減しています。これを後世に残すべく私の先輩たちも元に戻す作業をやってきたのですが、どうしても民謡をやっている人にしか響かないんです。昔は唄や音楽を習うといったら民謡や童謡、あるいはクラシックがあったと思うんですけど、今はポップスやダンスミュージックというセレクトが出てきて、テレビに出たいとかAKBに入りたいとかそちらの方にいってしまい、民謡はやってもすぐやめてしまう。

それならばもっと洗練された形で、もっと自由に日本人のDNAを揺さぶる唄を自然に歌えればいいじゃないのかと思っていたところで彼らがいたんです。さっちゃんは声だけでなく動きもきれいで、全体的に華がある。そしてまさかの上領亘…これは今でも信じられないんですけど、僕もNeoBalladを見て目の前にいても最初はピンとこなかった。ということは、リスナーはもっと衝撃だろうなと。民謡を今風にするという切り口は会社の理解を得られました。今まで通りインディーのツールで活動するのもいいけど、メジャーのツールにすることで彼らのやっていることがワンランク上がるわけです。上領さんをなんとかメジャーに引き戻して、さっちゃんにはメジャーの世界の華やかさを体感してほしかった。それによって民謡をやっている子たちにあこがれてほしいんです」

かくしてNeoBalladは、3枚の自主製作アルバムを経て『04~寿~』でメジャーデビューすることになった。過日、大槻氏のはからいで新MV収録の場を取材させていただいた。音楽専門ライターでもない何者かもわからぬ私を、2人は笑顔で迎えてくれた。

まさかP-MODEL時代『電子舟訪日行脚』というツアーで渋谷クアトロ3DAYSを見にいった自分が、このような形でそのステージ上にいた上領と出逢うとは夢にも思わなかったし、若狭のように華を持ったアーティストが会津から輩出されたのも自分のことのように誇らしかった。この収録は、NeoBalladが定期的にライヴを開催していた築地・無玄流でおこなわれたのだが、けっして大きくないステージが絵画のように栄えて映った。

それは、ここにアップしたショットを見ても伝わるだろう。撮影の合間を縫って、2人に話を聞くとその出逢いがいかに運命的なものだったかがわかった。

――小さい頃から祖母の影響で民謡を習い、接してきた若狭さんですがロックもポップスも聴いている中で、最終的に自分を表現する音楽が民謡に定まったのは何が大きかったんでしょうか。
若狭 向いているというのが一番にあるのだと思っています。演歌も歌謡曲も好きなんですけど、自分が歌うとしたらアレンジした民謡だなと大学の頃からずっと思っていました。
――民謡、ではなくアレンジした民謡ですか。
若狭 幼い頃から民謡が好きで歌っていましたが、廃れていると感じておりまして。お年寄りの音楽というイメージを持たれていて、民謡を習っているというと「そんな古臭いのやってんの?」とあしらわれる感じだったんです。それでも自然を歌ったりお国自慢を歌ったりするのが気持ちよくて、これをアレンジして表現力をつけて向き合えば自分しか歌えないやり方で伝えられるんじゃないかなと思ったんです。
――ということは、上領さんと出逢う前からそういった発想があったんですね。
若狭 はい。民謡調でロックを歌っていました。でも、民謡そのものは歌えなかったんです。アレンジできる方と巡り会えない中で、上領さんと出逢い「民謡やっているんだよね? じつは民謡をアレンジしたいと思っているんだ。できたら歌ってくれる?」と言われました。

驚くべきことに、若狭は上領と出逢うよりも前から民謡を今風にアレンジして歌う発想を持っていた。一度はそれぞれの活動があり音源化されるまでにいたらぬまま終わりながら、数年後にふとしたきっかけで再会、NeoBalladは結成されたという。

若狭は小さい頃から民謡に慣れ親しんでいたからわかるとして、上領はどの段階でその方向性を見いだしたのか。

――これまでのキャリアにおいてはニューウェイヴ、テクノ、ロックという方面で活動してきた上領さんにとっては、民謡は真逆のジャンルになります。そういった新たな試みをやろうと思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか。
上領 じつはそれほど新しい試みとは思っていないんです。というのも、80年代にグラスバレーでデビューした頃、オリエンタリズムを採り入れたアーティストがカッコいいなって思ったんです。JAPANとか…YMOはこちら側からの発信でしたけど、そういう表現をするバンドが多かったんですね。グラスバレーの時もP-MODELの時もやる上で影響を受けていましたし、自分の中でもこっちから発進したいという思いがその頃から常にあったんです。完全にそれを消化できる状況ではなかったんですけど、若狭に出逢って彼女は民謡が歌えると。じゃあ、昔から温めているそれをやってみようと思って1曲アレンジしてやってみたら面白い感じになったんですね。
――キャリアを重ねていくうちに行き着いたというよりも、以前から持ち続けていた発想だったんですね。
上領 エレクトロニクスに関しては80年代の音楽の手法が僕の中には流れていて、アナロングシンセの使い方とかもそのつどやってきたことで、ジャンルごとに変えてはいましたけど僕がいじるとそういう音にはなっていた。それが民謡をアレンジすることに変わっただけで、やり方は変わっていないんです。
――それこそNeoBalladのルーツをたどるとJAPANの『ブリキの太鼓』(東洋のサウンドやメロディーがフィーチャリングされたアルバム)に行き着くわけですか。
上領 そうなりますよね。グラスバレー自体が影響を受けていましたし、尊敬もしていましたから。
――民謡そのものとの出逢いは、どの段階になるんでしょう。
上領 じつはNeoBalladが初めてなんです。だから正直言って、民謡文化そのものがわからなかったですね。でも、こういうものだと教えてもらって、そこからネタ探しが始まるわけです。ネタ探しをすると当然聴くようになる。いろいろ勉強して、なるほどなーと思うことが山のようにあって、それが現在にいたっている感じです。


これも意外な回答だった。真逆と思われていたテクノ/ニューウェイヴと民謡が、元をたどると上領の中ではつながっていたのだ。

民謡を音楽としてやるにあたり、上領はメロディーだけでなくその背景にある物語や歌詞の意味まで勉強したのだという。「そうでないとできないんですよ。僕も最初の頃は安易に考えていた部分があったんですけど、地域に密着している分すごく大事にされているとか、先人たちが育ててきて残っているものとかをある程度理解していないとダメなんだとわかってきた」

そして2人は、民謡の魅力とその背景にある文化を伝えるためならば、固定した価値観にとらわれぬ信念を共有している。

上領 地元の方に言わせたら「それは違う」となるかもしれませんけど、メロディーラインとか守るべき部分は守った上で自分たちなりの解釈をしていけばいいんじゃないかって。最終的には伝わるかどうかが重要であって、民謡をいかに聴いてもらうかが僕らの目指している部分ですから。ドラムを叩いて、ギターも使って民謡をやるということは、裏を返せば元のものをどこまで大事にできるかが勝負だと思うんです。それで地元の方に面白いですねって言ってもらえたら…何ものにも代え難いですよ。地方にいくと、ご年配の方々とか車イスに座っているお婆さんがテクノビートに乗って体を揺らしているんです。元のメロディーラインを大事にしているから一緒に歌ってもらえる。
――グラスバレー時代やビッグアーティストのサポートなどで何千、何万というオーディエンスの前で歓声を浴びていた上領さんが、町のイベントに呼ばれてお爺さんお婆さんが座る前でシンプルなドラムセットを叩いているのを初めて見た時、心を揺さぶられました。これができるのは素晴らしいと思いました。
上領 見る人によっては「上領、落ちたな」という声もあるでしょう。でも自分にとってはやり甲斐がすごくあって。要はふれあいなんです。ふれあいってすっげえ大事なんだなって、この活動を始めてみてよくわかりました。終わったあとに「よかったよ」って声をかけてもらえたり対話ができたりするのが、いいなあって。年配の方に「なんかよくわかんないけど、あのピコピコするのがいいんだよなあ」って言われたりして、とても嬉しかった。

若狭 私はお婆ちゃん子で、祖母との思い出がいっぱい詰まっているのが民謡なんです。その分、曲に対する思い入れが強くて、アレンジしているといってもお借りしている曲という受け取り方をしています。その分、地元にいって一緒に楽しめる…民謡にはそういうパワーがあります。流派に属さずやっているので、いろいろなことにチャレンジできるのが楽しいところでもあります。和物の習い事も含め守っている方がいて、代々受け継がれてきているものをある意味壊してやるのは、愛情を感じてもらわないといけないと思っているので、曲に対し尊敬の心を持ちながら、背景にある人々の気持ちを考えて採り入れられたらいいなと。


なぜ何千人規模のオーディエンスの前でプレイした経験を持つ上領が小さなイベントステージでドラムを叩いているか、これでご理解いただけただろう。このことはグラスバレーやソフトバレエ、P-MODELのファンにも知ってほしい。

また、若狭の舞いに関してはまったくのオリジナルである事実にも驚かされた。日本舞踊を習い始めのたのはごく最近らしく、ちゃんとした下地があるとばかり思っていたところ「曲によって決まった振り付けもなく、その時の気分で空気をつかむ仕草を、自分なりに表現してやっている感じ」なのだという。

「彼らがやってきたことはそのままでいいと思うので、それをクールジャパンとして海外へ持っていきたい。哀しいことに日本人には受けずとも、外国の方が日本の伝統に詳しかったりするので、外国で認められたということを逆輸入して日本の人にも認めさせたい。ウチの大塚文雄さんという民謡の超大物に聴かせたところ『これが今の民謡だろ』と言ってくださいました。やはり、いいものは形を変えてでも知ってほしいし、日本人の文化として誇りを持ってほしい。それは手を変え品を変えでいいと思うんです。ほかの国の人には絶対にできないことなんで、私は自信を持って世界に出せます」(大槻氏)

このMV収録後には2度目となるJapan Expoへ出演。ニューアルバムは8月3日にリリースされ、8月18日にレコ発ワンマンライヴもおこなわれる。新しいモノ好きにも、伝統的な価値観を愛する者にもわけ隔てなく伝わる音と歌、そして老若男女が味わえる艶と美――NeoBallad(新たなる民謡)は、あなたにとって音楽以上の何かになるはずだ。(文中メンバー敬称略)


◆8月3日(水)キングレコードより4th Album『04~寿~』-ZeroYon Kotobuki-発売開始
【収録曲】
大漁唄い込み~斎太郎節~ (宮城民謡)
沢内甚句 (岩手民謡)
三条凧ばやし (新潟民謡)
会津磐梯山 ~寿Ver~ (福島民謡)
潮来あやめ踊り (茨城民謡)
黒田節 (福岡民謡)
長崎のんのこ節 (長崎民謡)
秩父音頭 (埼玉民謡)
越中おわら節 (富山民謡)
山形大黒舞 (山形民謡)
10曲入り2500円(税込み)



◆8月18日(木)赤坂グラフィティ「NeoBallad 04~寿~レコ発ワンマンライヴ 天地人神心Vol.6」
【場所】東京都港区赤坂3-21-10赤坂NSビルB1 
【OPEN/START】18:30/19:30
【Guest】 津軽三味線.寂空/Gt.夢時/篠笛・お囃子.ミカド香奈子/VJ.岩下達朗
【入場料金】前売り4000円、当日4500円(+1Drink600円)※中学生以下は保護者同伴
のもとドリンク代のみで入場可
【発売場所】チケットぴあ、赤坂グラフィティ
【メール予約】neoballad@gmail.com
【公式サイト】
http://www.neoballad.com/

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