この景気後退を期に教育業界からメスをいれる。
建築士試験という国家資格。
もしそこに不正があったらどうしますか?
昔々あるところに、工務店の現場監督がいました。
その現場監督は日夜勉学に励み、現場までの移動時間なども当然利用しながら一生懸命に二級建築士資格取得を目指し、いつか二級建築士として住宅をメインにして活躍したいと夢見ていました。
その監督にとって、勉強はとても苦しいものであり、これまで勉強嫌いだったことも手伝ってその資格学習には非常に苦戦していました。
そんなある日のこと。
その監督と同じ志を持って一緒に勉強していた上司は言いました。
○○さん、昨日○○材木店に言ったらそこの社長に言われたよ。
世の中『カネ』だよって!
当時その監督と上司は独学で勉強していましたが、そこの材木屋の社長の娘は高い学費を支払って日本を背負って立つ資格学校へ通っていたのです。
でもここまでは別になんてことない話し。
問題なのはここからです。
実はその材木屋の娘のところには試験の前日にその資格学校から電話があったそうです。
明日の本試験では○○っていう問題がでるからねって!
当然その娘さんはその年の試験で合格されました。
この建築士試験においては数年前の姉歯事件以来、一気に難易度が上がり、現在の最終合格率は一級においてはほんの数パーセントとなってしまいました。
それまではその倍以上の合格率だったのに・・・。
いきなり半分にまでする必要がどこにあるだろうか。
このように構造計算書偽造問題によって関係のない資格試験にまでその影響が及んでいる。
そして改正不況とも言われた改正建築基準法による悪影響。
国交省の策はどれもまったくもって先が見えていない対策が目立っています。
特にこの教育という面においては社会人として活躍するための入口部分ですから、適正な能力を自然人が的確に把握できる試験制度をつくりあげ、試験のための勉強を長くさせるのではなく、実務における勉強を長くさせるように業界全体を変えていただきたいと心から願っております。