準決勝の日本ーフランスは激戦となった。
フランスチームは、親善試合と違って最初から前プレスに来なかった。これが体調面によるものか作戦的なものかは定かではない。
しかしLe ParisianでBompastorは
「私たちは十分アグレッシブじゃなかった、2点取られて起きるまで」
と述べているから、やはりチームに何か問題があったのかもしれない、体調面なのか精神面なのか
しかしそれにしても試合はフランスが攻撃、ひやりとするシーンもあった。
局面が変わったのはもちろん38分、大野選手がファールをもらって宮間選手がFK。
このとき宮間選手は、GKが前に出てくることを予測してブレ球を蹴ったとのことである。そしてGKがキャッチミスしたところを大儀見選手が拾って先制
「相手GKは、自信のあるプレーをしていた。だから、わざとブレ球を蹴って、キャッチミスや相手のヘディングのミスを誘った。狙い通りですね」
しかしまさか名手Bouhaddiがあんなに簡単にキャッチミスをするとは意外だった
彼女はL'Equipeで「私のミスのせいで負けた」と述べている。
日本が先取点を取った後でもフランスはスピードアップをしなかった。日本は少しラインカウンター狙い気味。そして37分のクロスに福元すばらしい飛び出しとパンチング
前半終了間際にもボックス内GKの前にグランダーが入るも素晴らしい守備でシュートを打たせず
後半立ち上がりでもフランスはそれほど攻めず、そして48分、またしても宮間選手のFKから阪口選手、必殺ヘッドでゴール2点目
このときもフランスはニアに気をとられすぎてファーに目が届かず、阪口選手も「頭に当てただけ」というが、GKの逆をついて枠の中へ行く決して簡単なシュートではない。
阪口選手はヘッドが得意であるが、今シーズンを通じて決していいパフォーマンスをしていたわけではない。それがここ一番で出るのはやはり強さといえるのだろうか。
2点目が入ってからフランスが目覚めたというのは本当のようだ。前の圧力が増加して、日本は攻撃ができなくなる。
そして56分、Ablily投入。57分Le Sommer投入。
この後はほぼ日本のボックス付近での攻防となる。囲むフランスに対してセカンドボールもまったく拾えないような状況。
しかし70分、Necibのボックス内のシュートを福元選手、すばらしいセーブ
やはりParisianではこのセーブを「信じられないほど鮮やかな防御だった」と絶賛している。
74分大野選手に代え安藤選手投入。
しかし75分、阪口選手がボールを失い、鮫島選手のスライディングはうまく拾われて、TomisからDelieのスルーそして折り返してのLe Sommerのゴール76分
さらに攻め立てるフランス、今度は日本の右サイドを破り、またもボックス内でまたも阪口のファールでPK
このPKを蹴ったBussaglia、完全に逆をつくもはずす
ParisianでやはりBompastorは
「PKは私かNecibが蹴るべきだった」
と述べている。しかしあれだけ神セーブを見せられれば狙いすぎるのは無理もないかもしれない。
これは完全に勝負の分かれ目。83分に阪口から田中選手に交代して逃げ切り体制。
77分には日本も川澄選手のドリブルからカウンター、89分には熊谷選手のロングフィードが大儀見選手に通り、シュートするもポスト
日本は4分のアディショナルタイムも含め、福元選手を中心に、ほぼノーファールで守りきり、銀以上のメダルを確定させて、決勝戦へと駒を進めた。
佐々木監督は、
「勝つんだという思いが、ちょっとの差でフランスの選手よりも、なでしこジャパンの方があった」
と述べた。
一方フランスのL'Equipeは、フランスチームが、
「終盤は攻勢に出たが、それまでは動きが硬く、パスも不正確だった」
この大舞台でフランスは平常通りのプレーができず、日本は平常以上のプレーができた。それはやはり経験の差、ベタなことを言えば流した涙の差かもしれない。
試合後、本当は涙もろいという宮間主将は、初めて人前で涙を見せた。
敗れたフランスチームのために、フランスのフォーレの名曲『夢のあとに』
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