豪州戦のなかにすべて潜んでいたフランス戦敗北 | 1.FFC Frankfurtと世界の女子サッカー

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率直に言って悪い予想が当たるというのは嬉しいものでもない。


フランス戦のスタメンが発表になったときからこの結果は予想された。何とか当たらないでほしいと願っていたのも本当だ。

しかし現実は残酷だ。なでしこは完全に攻略されていた


今回のシステムはオーストラリア戦グッド!で機能していなかった後半のシステムで先発した。すなわち宮間左サイド、大野右サイド、FW大儀見、川澄システムである。


このシステムの欠点は中央が空いてしまい、ボールを運ぶためには宮間がボランチの前まで下がらねばならず、そこのスペースに侵入されて、左の前が押され気味になって結局ライン全体が下がるということである。

今回もその通りになった。


フランスはなでしこ対策の定石というべき、阪口をつぶしにかかった。そして、空いたスペースの日本の左サイドにTomisとDelieの2トップ2人を配置して崩しにかかった。そこで日本は防戦一方になてしまった。


本来ならこういう場合の攻撃は、右サイドのSBがボールをもってあがるのが通常であるが、日本の右サイドの近賀選手はドリブルが得意な選手ではなく、左サイドでドリブルができる鮫島選手は抑えられている。

しかし日本の左サイドは実は決定的に破られるのは稀なのである。今回もTomis、Delie、Necibという3人傘にかかった攻撃もなんとか凌ぎきった。


問題が起こったのはまたもや日本の右サイド

フランスはよく見ていて、大野選手の裏にボールを出されると、Bompastorが悠々と日本陣内にノーチェックで侵入。

無人の右サイドに簡単にボールを出されると左からDelieが戻ってきて失点してしまった。


がんばれ 1.FFC Frankfurt-デリ

得点したフランスのデリ©フランスフットボール協会

大野選手の運動量の無さ、スタミナの無さは、佐々木監督にも指摘されて、新聞にも出ていたが、今回は完全にそこをつかれたのである。

さらに岩清水選手の位置も全く中途半端で、右は完全にガラ空きになっていた。岩清水選手の試合勘はまだ戻っていない。


1点取られたあとの日本のラインは最悪だった。

すなわち、澤が前にあがって、前はあがるのだが、後ろのラインは突破を恐れてあがらない。これはどこのチームでもある悪いパターン。


日本はラインをコンパクトにして、全体が押しあがらないと本来の攻撃ができない。

攻撃も底が浅く、結局宮間選手のFKでしかチャンスをつくれず、前半1-0で終了。


後半は予定通りフランスがラインを下げる

日本は澤選手が完全にあがってしまって、その後ろに思い切り大きなスペースができる。そして相変わらず後ろはあがらない。


これもオーストラリア戦グッド!と同じであり、それが長く続くと、その後ろを狙って中盤を完全に支配されてしまう。
日本のシステムは全体をコンパクトにしないと機能しないのだが、誰も統率していない。


日本は阪口がワンボランチになってしまっていて、中央で止めるので必死で、出しどころがなくなりミスを犯す。

フランスの狙いはやはり日本の右サイド。

中央から大野選手の裏の右サイドへボールを出すと途端に危機を招き、CKを取られる。


CKについてはフランスは全く同じ。後ろからのRenaldの突進

マークしている大儀見選手のチェックが間に合わず、熊谷選手のところまで来ると、もう間にあわない。


がんばれ 1.FFC Frankfurt-ルナール

得点して手をあげるルナール©フランスフットボール協会

スピードが出ているので後ろから飛べる。来るのがわかっているので、横からあてるべきであった。

2回目の熊谷選手とのマッチでは熊谷選手があたって正確なヘッドにさせていない。


2点をとられたあとは全くの術中

悠々と守るフランスに、前と後ろがあわない日本

宮間選手が孤立して、結局長いクロスを送るしかないという悪いパターンになる。


澤選手が完全に焦っていて、後ろに帰ってこないので、誰もボールが出せない。

岩渕選手を出したところで岩渕選手がボールを持っていたが、誰も取りに来るものがなく、またオーストラリア戦グッド!と同じボールクレクレ状態となっていた。




今回はなでしこもがっぷり四つで組んだ戦いを行ったし攻撃中心でやっていた。

またなでしこの状態はアウェーと疲れで最悪であり、パスを受けに足を出す動きがなく、それがパスミスにつながった。


本来なでしこは強豪相手には守備サッカーである。

組織で守りきり、相手のフィジカルの有利さが消えた後半にライン全体をあげて勝負をかける

フランスは完全な強豪国であり、フィジカルでは勝負にならないことを考えて、本番では戦略の構築を望みたい。


なお澤選手であるが、澤選手はせっかくボランチになっていたのにボランチになっておらず、トップ下になってしまっている

もし国民の期待が澤選手を走らせているなら、佐々木監督は冷静になるよう指示してもらいたいものだ。


澤選手は必要最小限でプレーができる選手であり、だからこそ奇蹟が起こせるのである。

今の彼女は、必要以上にヤル気が走っているようで危惧される。

ワールドカップの決勝トーナメントのように周りを活かすプレーを望みたい。


サッカーはほんの少しが違うだけで結果がまったく違ってしまう競技である。特に女子サッカーはフィジカルへの依存が男子よりも少ない分、それが顕著に現れる。

オリンピック女子サッカーはこれからが本番である。

チャンピオン日本がもはや絶対本命ではなくなったことが明らかとなった今、本番で何が起こるかわからない


さあすばらしい女子の戦いを楽しもうではないか。





エンディングは菅原 紗由理の『はばたくキミへ』川澄ちゃんのPV見て心を慰めてください





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