1月30日付ロイター等によれば、アジアサッカー協会のジャン・ジロン(張吉龍)会長代行が、国際サッカー評議会(IFAB)に対して、女性の頭部スカーフ着用禁止の見直しを求めるとのとの表明を行った。
日本でもCNNJapanが報道している
この問題は当ブログでもお伝えしてきたが、2010年6月3日にアジアオリンピック予選で、イラン女子が試合前に失格になったことで一気に国際的にクローズアップされたものだ。
イスラム関係がご専門の内藤 正典一橋大学大学院教授の著作によれば、この女性の服装問題はクルアーン(コーラン)の
「美しいところを決して人に見せないよう」〔中巻 光の章 31節)
という文によるもの、とのこと。
イスラム社会においては伝統的に女性の髪を性的部位として見ており、大方のイスラム法学者の見解によれば、顔と足以外の身体すべてということになるとのことだ。(集英社新書「イスラムの怒り」)
しかしそうは言っても、近年はスカーフをしていない女性も少なくない。イスラム放送のアルジャジーラを見ても、美しい髪をさらした女性アナウンサーが多数出演している。
イスラム圏の女子サッカーユニフォームも調べてみたが、例えばヨルダンの選手は、スカーフをしている人もしていない人も居る。
内藤先生の著書等によれば、女性がスカーフをつける理由としては主に以下のようになるようだ。
1.宗教上の理由
2.慣習上髪をさらすことが恥ずかしい
3.夫や親からの強制
髪や腕、足部をさらすのが耐えられないという選手に対してはスカーフユニも有効だと思う。
しかし、イランのように、選手全員、さらに女子スポーツ選手全員が晒してはならない、というのは、国家や宗教からの強制にあたるのではないだろうか?
アフリカの選手もムスリマだろうが、サッカーユニについては普通の選手と同様である。
それどころか、ドイツのムスリマであるBajramajさんの見解では「ヌードにならなきゃいいのよ」ということで、結構ハデな露出もOkのようである。
先のブログで書いたが、フランスの女性団体が、このスカーフ着用解禁を機に、国家や宗教が反対にスカーフ着用を義務づける可能性があるとの懸念を示している。
この問題を探ってるなかでMislim in SPORTSというサイトを見つけたが、この最新ニュースによれば、サウジアラビアがようやく女性のサッカースタジアムの観戦の許可を検討中とのことである。
ということは女性もサッカーを見に行きたいわけなんだろう。それを国家や宗教や男性が「行くな」と強制するのはいかがかなと思わずにはいられない。
そこが女性にとって危険と思われるところなら男性がエスコートすればいいことだし。日本で近年増えてきた女性車両のように女性だけの観客席をつくればいいのではないか
内藤教授の著書によれば、イスラムは寛容であり、例えば飲酒の戒律を守れなくても貧者に施しをするなどの善行で埋め合わせがつくという。
では女子選手のユニ問題も同じように考えればいいのではないか
このサイトではいろんなスポーツでのムスリマのユニが見れてなかなか興味深い。どう見てもスポーツには軽装のほうが理に合うというものだろう。選手たちが本当はどう思っているのか聞いてみたいものである。
今日のエンディングはナンシー・アジュラムの『Ebn El Geran』
レバノン出身女性歌手で、今アラブ圏で最も人気の高いシンガーだとのことですがどう見ても露出してんでしょ。アラブ男こんなの見てもええんかい
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