『監督』 海老沢 泰久 | たまらなく孤独で、熱い街

『監督』 海老沢 泰久

監督 (文春文庫) 監督
海老沢 泰久
文春文庫)
初版:1995年1月10日 
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「全読書リプレイ」 のjettさんから、お薦めいただきました。
ありがとうございました。
 
最初に刊行されたのが1979年ですか。
30年ほど前ですね。
解説が山口瞳さんというのも時代を感じさせます。
 
野球マンガは相変わらず人気がありますが、野球小説は(少なくとも野球人気に比べて)少ないような気がします。
野球というのは投げて打って走って捕って、ですから小説としてのプラスアルファをどこに求めるかですね。
作者は王でも長島でも金田でもなく、一見地味そうな広岡達朗を弱小球団スワローズ(小説ではエンゼルス)の監督に据えました。
これが成功したようです。
さらにエンゼルスは監督の広岡も含めてすべて架空の人物ですが、他のチームは実在の人物を配したので面白味が増したような。
読者は広岡がエンゼルスの監督になってからの快進撃に一喜一憂するのみならず、監督やコーチや選手の葛藤にハラハラし、これから野球を観戦するときは今までと違った角度からも見ることができそうです。
 
書いたのが78年とすると、その頃のパリーグはブレーブスが強かったのか。
カープがバファローズ相手に2連覇したのもその頃だったような・・・。
嗚呼、すべてが懐かしい。