(ハヤカワ・ミステリ文庫) 2009
現代短篇の名手たち6。来年の3月に全巻出揃って、本棚に順番に並べて楽しめるというわけです。シリーズ1は何だっけ? おお、デニス・ルヘインか! ほとんど憶えてないぞ!
私メ、ローラ・リップマンは好きな作家なのだけど(テス・モナハンシリーズしか読んでないけど)、リップマンって読みにくいのが怖いんだよね。
まず、かの国の文化、言語、サブカルチャー、洒落、風習などに通じていないと読み取れないシーンが多い。また非常にさりげない描写を得意とする文芸作家で、中身を読み取るのがけっこうメンドイ。こっちから読み取りにいかないと置いていかれることしばし。
悪癖としては、ストーリー冒頭部分の難解さ。この作家の本はいつも最初の30ページでイヤになる。それを我慢したら読めるんだけど。
でも非常に上手い作家。ミステリ主要賞をとりまくってるけど、かなり文芸作家寄り。地味なシーンが得意。
たとえば長篇の「シュガー・ハウス」で、テス・モナハンが父とケンカをして、後に仲直りしたくなったが上手く言い出せないシーンで、テスが父にプレゼントされた腕時計を着けていることをちゃんと見らるように袖をまくるシーンなどは、うなるほど上手い。そういう作家なのだ。
でー、この本はもちろん短篇集。あまり印象に残らないかも。上手いんだけど・・。あ、でも読み終えてパラパラと読み直すと、「これ面白かったなあ」と思い出したりする・・。
「ベビー・シッターのルール」「魔性の女」「不始末の始末」が良かったなあ。「ベビーシッターのルール」のベビーシッターが雇い主のネグリジェをかってに着て、タンスに隠してあった拳銃を構えてポーズをとってるのがウケる。いい加減にもうやめろよとツッコみたくなるの。
テス・モナハン物の短篇も2+1個。「偶然の探偵」はテスのシリーズを未読の人は読まないほうがいい。
そうそう、ハーラー(投手と吐き手を意味する)というダジャレは、「吐う手」にすれば日本語のダシャレになったのに、けしからん。
やっぱり人にはススメにくい作家だなあ。テス・モナハンシリーズを俺のために早く翻訳してね。
本日は晴天なり。
さっそくブックオフへ行きました。
・・って勘違いしないでよねッ! 私メが一ヶ月に遣う本代は新刊20000円、ブックオフ5000円くらいなんだからね! いつもいつもブックオフにばかり行ってるわけじゃ・・。
市内のブックオフに到着。すると買取カウンターに老人がいて、店員と何か話し込んでいる。
「え! そんな安いの!」
「申し訳ありません」
「これ、日本で2000冊しかない本なんだよ」
「当店では、価値で価格を決めることはないのです。本の状態に注目するわけで、この本ですと10円しか・・」
あまりの不景気なので、あの老人は大切にしていた日本で2000冊しかない本を覚悟して売り払いに来たのでしょうかねえ。どんな本か覗きに行けば良かったんでしょうけど、そのときマキャモンの「アッシャー家の弔鐘」の上巻を発見して喜んでいたのでそれどころじゃなかったスマン。
店員の中年女性のストレートさに萌え。さいきんのブックオフ店員は中年女性が多い気がする。
拳闘士の休息 (河出文庫 シ 7-1)
ジャンピング・ジェニイ (創元推理文庫)
黄昏の狙撃手 (下) (扶桑社ミステリー)
黄昏の狙撃手 (上) (扶桑社ミステリー)
幻の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 9-1))
ロンドン・ブールヴァード (新潮文庫)
帰ってきちゃった発作的座談会
蜘蛛の微笑 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
変な学術研究 1 (1) (ハヤカワ文庫 NF 320)
幻の特装本 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
オッド・トーマスの受難 (ハヤカワ文庫 NV ク)
メデューサとの出会い (ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク 3) (ハヤカワ文庫SF) (文庫)
現代短篇の名手たち5 探偵学入門 (ハヤカワ・ミステリ文庫) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ケ)
アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)
<トリイ・へイデン文庫>シーラという子--虐待されたある少女の物語 (ハヤカワ文庫 HB)
骨の島 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
ロミオとロミオは永遠に〈下〉 (ハヤカワ文庫JA)
ロミオとロミオは永遠に〈上〉 (ハヤカワ文庫JA)
ヘリオット先生奮戦記 下 ハヤカワ文庫 NF 77
世界名探偵倶楽部 (ハヤカワ・ミステリ文庫)
時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)
人類博物館の死体 (ハヤカワ文庫NV)
クリスタル・レイン
ヘリオット先生奮戦記 上 ハヤカワ文庫 NF 76
越境 (ハヤカワepi文庫)
セックスとニューヨーク (ハヤカワ文庫NF)
キリング・サークル (新潮文庫)
レポメン (新潮文庫)
妖女サイベルの呼び声 (ハヤカワ文庫 FT 1)
料理人 (ハヤカワ文庫 NV 11)
(創元推理文庫) 2009
新版が出たのでちょーどいいやと着手。
これは斬新ですねえ・・って、1929年の作品に言っていいのか。
今よりもっと推理小説が身近でオモチャになっていた時代なんですかね。
後半に噴出する探偵小説論が楽しいです。
探偵が正しい推理をするんじゃなく、探偵が犯人を作り出すと言わんばかり。
内容は「犯罪研究会」(まんま)のみなさんが迷宮入り確実の未解決事件を推理し持ち寄り、犯人を当てる。順番に推理を披露するって時点で、片っ端から外れるんだろうとはわかっていても、楽しく読んじゃう。
やたらと自信満々の名推理が次から次へと外れていくサマはまさにカタストロフィ。
まあ、こういう本はたしかに必読ですわな。
(文春文庫) 2009
リンカーン・ライムシリーズ6作目。こいつを飛ばして7作目の「ウォッチメイカー」を読んでました。
微小な証拠から科学捜査で凶悪犯を追い詰める科学ダイスキ人間にはたまらないシリーズで、1作目「ボーン・コレクター」2作目「コフィン・ダンサー」は実に良かった。4作目あたりから科学無関係になって来て、長さからして読むのがツラいシリーズになって来ましたが、マンネリ好きな読者なら大丈夫ではないかと。
で、6作目。ぜんぜん科学捜査ないわー。がっかり。
140年の時を超えた二つの事件。スケールは大きく、ラストのカタルシスもお見事です。
でもライムが事件に関わるあたりが強引だし、大事件と判明するくだりも「ほんまかいな」って感じ。
練り込められたツイストも読者の目線をずらしただけのお手軽な手品みたいで、初期のインパクトはないなあ。
どんでん返しにも慣れちゃった。
とはいえこれを書いたのがディーヴァーじゃなかったら、もっと高い評価できるんだけど。ボーン・コレクターなど初期作の衝撃がまだあるから、あれらに比べたら本作はヌルすぎる。
個人的なオススメは「コフィン・ダンサー」。科学ネタをおかずにご飯が食べられる人で、コフィンを読んでない人には「何してるの」といいたい。
『汚れた守護天使』リザ・コディ(ハヤカワ・ミステリ文庫)1999
最萌えヒロインここに降臨! 女子プロレスラー、エヴァ・ワイリーのハードボイルドだ。
お世辞にもシナリオの完成度は高いとはいえないが、この主人公があまりに魅力的なため、文句は出ない。
気の利いた警句はハードボイルドに不可欠だが、このエヴァの場合はあくまでも実用的な発言なのが強い。ただのスタイル(まやかしというか)で喋っていないということだ。自然体で高潔、だけどヒールにしてダーティー(車盗みすぎ)な、最高のヒロインの活躍だ。
しかしエヴァのあだ名の一つ「バケツ顔」って、どんなんだ!?
うーん、つくづく苦手な作家だと思いました。あ、ミネさんのデビュー作ね。
『死ぬほどいい女』ジム・トンプスン(扶桑社)
ノワール。ラストの狂いっぷりがお見事。こういうラストの、なんていうのかな・・、活字のギミックはイイよね。
『キッド・ピストルズの冒涜』山口雅也(創元推理文庫)
パラレル英国での、パンク刑事の連作集。なんじゃそりゃ。しょーもなくてあちこち笑ったけど本格推理は苦手だなあと再認識。でも続きを探そう。