音と光で振り返る
私の今まで。
音と光②(0歳の記憶)
音と光③(2歳の記憶)
音と光④(4歳の記憶)
ちなみに
大学時代以降は
音と光がテーマではありませんが
以前に書いています。
長いですが(笑)
良ければ、どうぞ。
さて、幼稚園時代の
記憶その2。
私がなぜ
①人に嫌われてはいけない
（誰からも好かれなくては...)
②目立ってはいけない
(人と同じでいなくては...)
③不細工
と思っているか。
特に③に関係する記憶です。
何しろ私は
「美」とは
生涯渡ることのない
彼岸にあるものだと
思い定めていたほどです。
by coocan
入園後、友達ができず
クラスで孤立したのが
年中の時。
そして
初めての友達ができたのは
入園から半年位過ぎた
秋のことでした。
ちなみに
その子は、隣のクラス(笑)
目がぱっちりとして
モデルのように可愛く、
面倒見が良い
お姉さんタイプ。
学年が変わり、
クラス替えをするまで
自分のクラスに
友達らしい友達は
できませんでした。
まぁ、それはさておき。
年長さんになり、
幼稚園にも慣れてきた初夏
私は、いじめに遭います。
いじめっ子のメインは
幼稚園バスが一緒の
女の子2人。
名前は
Aちゃん、Bちゃんと
しておきます。
2人の内、Bちゃんは
私が園で初めて
友達になった子でした。
「うっわ～...
ひっど〜。
ブス！！不細工！！
見たら目が腐るから
あっち行って！
見えるとこに、
こんとって！！」
から始まり、
言動の片っ端から
「生意気」だの
「キモイ」(気持ち悪い)
「きしょい」(気色悪い）
「変人、変子」
「バカ、アホ、マヌケ」
「ダサい」
「ガリガリ、細すぎてキモイ」
「ちび」(当時から、細くて小柄だった)
「死ね」
「世界から消えて」
などなど、
毎日、言われ続けました。
中でも、一番言われたのが
「ぶっさいく」
まぁ、たぶん
彼女たちが知っている限りの
よろしくない言葉を
言ってくれたのだと
思います。
最初は、言い返したり
泣いたりしていましたが、
よけいにヒートアップさせるだけ
だったので、
そのうち無表情でスルー。
それでも、
「キモイ。顔変。能面。」
特にAちゃんは、
なんやかんや言ってきましたが
私は、
砂嵐の風の中にいて、
聞かないことにしていました。
by flickr
いじめの渦中にあり
私が思ったことは
(当時は、『いじめ』って
言葉も知りませんでしたが)
「誰かAちゃんに
私がされているようなこと
してくれたらいいのに。
そしたら、Aちゃんも
されている人の気持ちが
わかって、しなくなるのに。」
でした。
恐いですね
もちろん、
そんなに都合よく
事が運ぶはずもなく
しばらく
いじめられ続けます。
私の性格からして
人に相談したり、
ましてや親や先生に
助けを求めるなんてことは
決してありませんでした。
またAちゃんは
しっかりした子だったので、
先生にバレるようなところで
いじめたりしません。
先生も親も、
全く気がついておらず、
むしろ、
大人達は私が
Aちゃん、Bちゃんと
仲が良いと勘違いを
していました。
ですが、
どんなに陰でこっそり
いじめていても、
子ども達は気がついているものです。
時々、心配そうな視線をくれる
男の子がいることも
私は知っていました。
夏の終わり頃、
「ああ、今日もバカブス
言われるんやろうなぁ。」
と重い足をひきずり、
AちゃんとBちゃんに挟まれる形で
幼稚園バスに乗り込みました。
（家も近かったので、
バス停が同じだった。)
時々、視線を投げかけていた
男の子が、
私に声をかけます。
「桂子ちゃん、こっち。
僕の隣に座り。」
と言って、
ニッコリ笑いました。
それは、
前から2番目の列、
先生の視界に入る席。
しかも
そこの座席は2人ずつ
並んで座るタイプ
だったので、
いじめっ子は
私の隣に座れないし
先生の目もあるので、
とやかく、ちょっかいも
かけられません。
でも、AちゃんとBちゃんに
睨まれて恐かったので
彼の誘いは断り、
いつも通りバスの一番後ろの席
先生から見えない席に
いじめっ子達と共に座りました。
しかし、
翌朝、バスに乗るとき
彼はまた、
前日と同じ席に座っており
明るく優しい声で
「こっちにおいで。」
と言いました。
そう、彼は最近
その席に座るようになっていました。
思慮深い子だったので、
気にかけてくれて
どうしたら助けられるか
考えていたのだと思います。
それで、
この席ならいけるな
と思って、
私を誘ったのでしょう。
辛抱強く見守り、
私が耳を貸さなくても
もう一度、声をかけてくれた。
彼は、大丈夫。
そのことに、気がついて
私は、彼の隣に座りました。
Aちゃん、Bちゃんは
なんやか言いましたが…
男の子に笑って
「ありがとう。」
と言ったとたん
ほっとして
涙があふれてしまい、
気がついた
先生はビックリ。
「どうしたん？」
と尋ねられ、
「目にゴミが入ってん。」
と答えました。
(なんだ、その言い訳は。笑)
涙腺が落ち着いてから
「ありがとう。」
と、もう一度お礼を言うと
彼は
「良かった。」
と言って、またニッコリ笑い
「桂子ちゃんは、バカじゃない。
あの子らに言われたことは
気にせんとき。
大丈夫。
明日も、僕の隣に座ればいい。
それと、、、
桂子ちゃんは、かわいいよ。」
と言いました。
それ以上は
いじめのことも
いじめっ子達のことも
話題にせず、
普通に接してくれました。
近くの席にいた子達も
「(言われていたことは)
全然、気にしなくていい。」
と口々に言っていました。
私は、
「そうなんかな…？
全く違っていたら、
ブス・変人とか
言われないと思うけど…」
と半信半疑だったものの
とにかく
心配したり、
味方になろうとしてくれた子が
何人もいたことを知り、
とても心強く思いました。
そして
その日を境に
いじめはフェードアウト
していきました。
私は、
思いもかけないところから
助けがくるという
体験をしたことで、
やっぱり人生は
どこかで誰かが助けてくれるもの
なのだなぁと思いました。
こうやって振り返ってみると
私は、
人に嫌われ(①誰からも好かれなくては...)
人と違う所があって(②人と同じでいなくては...)
不細工(③目が腐るほどぶっさいく)
だから、嫌な目に遭わざるを得なかった
と思っていましたが、
本当は、ちょっと違いますね。
①②③には、
もう、囚われる必要がありません。
捨て去りたい過去が、
実は『宝物』だったりする
ということ。
その頃の私、
「桂子ちゃんは、
他の子と違う。
いつも、自分で
ちゃんと立ってる。
上を向いて咲いている
花みたいだね。」
と言われたことを
ふと、思い出しました。
あれは、きっと
褒められていたのですね。
そして
いじめる側にも
やむを得ない事情が
あったと思います。
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