奉仕(ほうし) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

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 今日は、奉仕(ほうし)という言葉です。

 私の職場では毎年、従業員の意識調査のようなものを実施しています。従業員個々の立場の変化、心情の変化、環境の変化など様々な変化の中で、書かれてくる内容も毎年、同じようなものはありません。その内容は、後ろ向きなものもあれば、前向きなものもあります。今年、一つ感心した前向きな書き込みですが、それは、自分の仕事だけに拘らず、自分の部署以外の業務にも関心をもって必要があれば積極的に手伝うような心構えが必要・・そんな書き込みがありました。自分のためだけでなく、他のためにも働く。それが、全体を良くする。そういった意識だと思いますが、これは私がいつも心に念ずる”奉仕(ほうし)の心”にも通ずるものかもしれません。

 さて、奉仕(ほうし)ですが、奉(ほう)とは、ささげる、礼を尽くして目上にたてまつる、身を受けて行うetc.の意味があります。仕(し)には、つかえる、みやづかえ、つかまつる、目上の人のそば近くにいて用を足すetc.の意味があります。奉仕(ほうし)とは、もともとは目下の人が、目上の人のために何かをする...そんな意味があったようです。最近では、若干ニュアンスも変化が生じ、利害を超えて”他の為に尽くす”。そんな意味合いも強いのではないでしょうか。

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 これは、決して自己犠牲の精神ではなく、自分の足場を固めながら、自分の視野を広くするためにも、損得抜きで自分以外の為に尽くす。そうすることで、自分の視野も広がり、同時に救われる人たちも居る。”奉仕の心”を持つことは、自分の心根を優しくします。他人を見る眼も優しくします。何かに向かうときの心の余裕にもつながります。似て非なる言葉に”ボランティア”がありますが、ボランティアは自発的な社会貢献、奉仕は他人や社会のために尽くすこと。微妙に違います。いずれにしても、自分の心の向かうところが自分以外である点は共通項のようですね。皆様も、自分にとって他とは?と考えたとき、この奉仕という言葉を思い出されたらどうでしょうか。