拙速(せっそく) | 二文字熟語

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漢字の中には、その文字を超越した深い意味思いが込められていることが多くあります。日頃何気なく読んでいる数々の言葉の中に、脈々と流れている日本精神を読みとろうと努めてみませんか。とても、興味深い事実に気がつくはずです。

走る!ミス
 今日は、拙速(せっそく)という言葉です。

 私の若い頃からの信条の一つが、”拙速(せっそく)を尊ぶ”です。少々、仕事が粗くとも、大勢に影響がない範囲であれば、遅くて丁寧な仕事より、荒くても早い仕事の方が良い・・そういった価値観です。それから、拙速と軽率は、まるで違う、似て非なるものです。拙速とは、仕上がりが荒っぽいだけで、肝心な要点はしっかり抑えている状況にありますが、軽率は、大切なところが抜けている。そんな違いがあると思います。

 さて、拙速(せっそく)です。拙(せつ)とは、つたない、へた等の意味となります。速(そく)とは、速い、速やかである、速さ等の意味があります。拙速(せっそく)とは、つたなくともスピード感に溢れている状態です。

のうはくさい
 視点は少々ことなりますが、仕事が出来る人でも、酒やタバコにふけっているうちに、体力年齢も、脳内年齢も、老化が急速に進みます。あれほどスピード感に溢れ良い仕事をしていた人が、穴だらけの仕事をする。老化とは、そういった事なんです。従って、ある程度の年齢を過ぎたら、自己管理が極めて重要になります。自分の能力、体力を維持する努力。それさえあれば、若い頃と同じように、拙速でも良い仕事ができるはずです。