PCOSで体外受精は? | 両角 和人(生殖医療専門医)のブログ

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生殖医療専門医の立場から不妊治療、体外受精、腹腔鏡手術について説明します。また最新の生殖医療の話題や情報を、文献を元に提供します。銀座のレストランやハワイ情報も書いてます。

去年、結婚して、二人とも子供を希望しているので、2月から近所のクリニックに通い始めました。テストステロン95高めでした。病気ではないけどpocぽいようです。amhが高めで一寸喜んだのですが、年齢的に高すぎる気がしています。無月経はありませんが、26~36日周期で不順です。年齢的に早めに体外受精を進めたほうがよいでしょうか?


このようなご質問がありましたのでお答えします。


PCOS は排卵障害があるため自然では排卵しにくいため排卵誘発剤を使用しないと周期が長くなります。


ただし卵巣のキャパが良すぎて、排卵誘発を行うと過剰に反応して、数多く排卵してしまうため多胎の危険性があるため、せっかく育ってもキャンセルしないといけないこともあり、コントロールすることが難しいケースが多くみられます。


なかなか先に進まなく負担とストレスが多くなりステップアップを考えてしまう事もあります。


PCOSは、精子が少ないことや、卵管の閉塞などと異なり、体外受精の絶対的適応にはならないですが、以上のような理由から、体外受精へステップアップするケースもたびたびあります。


いつどのようなタイミングでステップアップするかは年齢や経済的な観点、治療歴など様々な面から考えなければいけないため一概には言えませんが、主治医の先生と相談しながら慎重に検討すべきといえます。


宜しければ以下の記事も参考にしてください。


PCOSは体外受精の適応になるか?


PCOSの刺激方法


PCOSに対する誘発方法


PCOSとグリスリン


PCOSとAMH