閻魔にアドバイスする小野篁
夜になると閻魔大王に仕えていた[→記事]
小野篁(おののたかむら)は、
あの世(冥界)とこの世の出入り口である「六道の辻」という
不思議なポイントを利用して
閻魔大王がいるあの世にアクセスしていました[→記事]
。
さて、毎晩毎晩この人は閻魔大王の下で何をしていたんでしょうか
順を追って説明してきます。
まず、平安時代の京都には、
鳥辺野、化野、蓮台野という3つの葬送の地がありました。
これらのうち、
鳥辺野は六道珍皇寺の東、化野は福生寺の西方にありますが、
この点からも地理的にも六道の辻が
この世とあの世の境界に位置してることがわかります。
さて、もう一つ葬送の地の蓮台野は平安京の北に位置しています。
ということは、
蓮台野のすぐ南のポイントにもこの世とあの世の境界があるべきなのですが、
しっかりそんな推測に合致する施設が実際にあるんです。
それは、小野篁が建立した千本閻魔堂(せんぼんえんまどう)です。
このお寺の本堂には、閻魔大王のいる裁判所が再現されています。
小野篁は閻魔大王に仕えていてこの裁判所に通っていたんで、
具体的に裁判所を再現できたわけです(笑)。
中央に裁判官である閻魔大王、
左には書記が、右には閻魔帳をもった検事がいます。
弁護士がいないので民主的な裁判ではないのですが、
まぁあきらめるしかないんでしょうね(笑)。
閻魔大王の像は閻魔大王の指示で小野篁がつくったということですが、
残念ながら、オリジナルは[応仁の乱]
で焼けてしまったということです。
ところで、実際に小野篁は裁判所で何をしていたかということですが、
閻魔大王のアドバイザリー・スタッフだったようです。
閻魔大王に意見することができたようで、
死んで裁判にやってきた恩人を生き返らせてあげたり、
若干の公私混同もあったようです(笑)。
ちなみに、裁判の結果(六道)は、よい方から
(1)天→(2)人間→(3)修羅→(4)畜生→(5)餓鬼→(6)地獄
ということです。私は少なくとも(2)以上を目指したいと思ってます(笑)。
さて、ここからは私の考察なのですが、
千本閻魔堂は、あくまでも小野篁によって建立されたレプリカであって、
この世とあの世の境界にあるリアルな裁判所ではありません。
ただ、ストーリー的には、
死の六道と生の六道のちょうど中間にあるこの地の地下に
この世とあの世を分ける裁判所があると
下の地図のようなかなり合理的なレイアウトになります。
(クリック拡大)
というわけで、あくまでも直感にすぎませんが、
リアルな裁判所(閻魔堂)がこちらの地下にあるということを
当時の人たちは信じていたのではないかと推察する次第です。
いちばん左の像が小野篁像です。こちらにもいらっしゃいますね。
旧盆には多くの人たちがこちらの供養池に参拝し、精霊を迎えて送ります。
ところで、話は変わりますが・・・
閻魔大王は、裁判のときに被告人に対して
「ウソをつくと舌を抜くぞ」とよくいわれるらしいのですが、
このことについてちょっとだけ疑問があります。
もしもウソをついたかどうか判定できる眼力があるのであれば、
最初から全部お見通しなわけですから
質問なんてしなくても判決を出せることになります。
ということは、「舌を抜くぞ」というのは単なる脅しなのではないでしょうか
そんなこといってると、地獄に落とされそうですが・・・(笑)
さて、次回は、だれもが知ってるあのスーパーレディーを救うため
小野篁が行った大作戦について紹介しようと思います。
関連記事
♪今日聴いた一枚♪
地獄といえばやっぱり彼らでしょう(笑)。