龍安寺石庭の15個の石、本当は一度に見れます | 西陣に住んでます

龍安寺石庭の15個の石、本当は一度に見れます

龍安寺石庭


新春から少しマニアックなネタで申し訳ないのですが・・・(笑)


世界遺産にも指定されている京都の龍安寺石庭(Rock garden)は、
たぶん日本で一番有名な庭ではないでしょうか。

というテーマを基に造られたこの庭を見るために
日本国内はもちろんのこと、世界中から観光客が訪れます。


さて、この石庭には15個の石があります。


これらの石のレイアウトを説明するために
庭の前を少しずつ移動しながら撮った写真をつなげてみました。
すると、↓こんなふうになります。

龍安寺石庭

(画像をクリックすると拡大画像が飛び出します)


このランダムな石のレイアウト、かなり素敵です!!


ところで、この15個の石は


「どこから眺めても必ず1個は他の石に隠れて見えないように

 設計されている」


とのことです。


東洋では15という数字は完全を意味すると考えられているのに対して
この石庭は14個しか見えない状態で不完全を表しているということです。

具体的には、
庭の右側から見ると、左側の2番の石が3番の石に隠れて見えなくなり、

龍安寺石庭

左側から見ると、右側の15番の石が14番の石に隠れて見えなくなります。

龍安寺石庭


で、このような不完全な状態を克服するために
心眼(心の目)で隠れた石を見抜くというのが正しい見方のようです。


この話って、すご~~~く有名な話です。


ガイドブックやネットでも龍安寺石庭といえば、この話って感じです。
実際、この石庭を訪れてほんの1分もいれば、
見学者のどなたかがこの話をされているのを必ず聞くことができます(笑)。
素晴らしい話ですね。もしそれがホントならば・・・


実はですが・・・
この15個の石を肉眼(笑)ですべて見ることができる場所があります。

↓写真の赤いところのあたりです。わりと広いエリアです。

龍安寺石庭


このあたりから庭の写真を撮ってつなげるとこんな画像になります。

龍安寺石庭

(画像をクリックすると拡大画像が飛び出します)


ここで、写真を拡大して見てみると、まず2番がこんな風に見えます。

龍安寺石庭

龍安寺石庭


そして、15番はこんな風に見えます。

龍安寺石庭

龍安寺石庭


したがって、↓こんなふうに15個全部が見えていることになります。

龍安寺石庭

(画像をクリックすると拡大画像が飛び出します)


ちなみに立っても座っても見ることができます。


なお、この角度であっても石の全体像については見ることはできません。
部分的に必ず隠れます。したがって、この話は、


「どこから眺めても必ずいずれかの石の一部は

 他の石に隠れて見えないように設計されている」


と百歩譲って解釈することもできなくはありません。


ただ、そう考えると、庭の右の部分を見ただけで
2番4番の石の一部が真ん中にある3番の石に隠されているので、
それだけで石のすべての姿をを見ることが不可能となります。
この場合、15個がど~のこ~のという問題ではなくなり(笑)、

こんなんでよければ、私でも簡単に
一つの石が見えないようにレイアウトできると思います。

したがって、この百歩譲った解釈は合理的な解釈ではなさそうです。


以上から、考えられることは次の3つです。

(1) この庭の設計者は1個隠れることを意図してレイアウトしなかった。
(2) この庭の設計者は1個隠れることを意図してレイアウトしたが、ミスった。
(3) この庭の設計者は1個隠れることを意図してレイアウトしたが、

  誰かが少しだけ石を動かしてしまった。


こんな素敵な庭を設計した人が

(2)のようなミスをすることはないと思います。
また、この庭を大切にしている龍安寺が
(3)のような管理ミスを起こすような可能性もないと思います。

したがって、(1)が正しいのではないでしょうか?


こんな素敵な話を否定したくありませんでいたが、
私がこんなふうにして証明しなくても、いずれわかることです(笑)。
むしろ、事実を見ない方がいけないと思います。
まあ「嘘も方便」という仏教思想を学ぶにはいいチャンスではありますが(笑)


また、この話が否定されることによって、
この庭の価値が減ってしまうことなどありえません。
ほとんどの人はこの素晴らしい石庭を訪ねてから、
コネタとしてこの話を知るようになるわけで、
この話を聞いて感動したからここを訪ねる人は少ないからです。


ちなみに、入場したときにもらえる龍安寺の公式パンフレットには
この話は全く触れられていません。念のため。

この話は龍安寺のオリジナルではなさそうです。


まあ、いずれにしても、

「どこから眺めても・・・見えない」というのは嘘です。

空から見れば15個全部見れることは明らかですからね(笑)


以上の考察は、暮れに龍安寺の石庭の前で1時間くらい考えた結果です。

やっぱりここくると、いろいろと考えてしまいますね(笑)。[過去記事]



ところで、

今までいろいろと京都について考察したバックナンバーを中心として

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