百人一首のお話や日本語関連のお話 を採り上げましたところ、同じように考えていらっしゃった皆様から、貴重なコメントを頂きました。
グローバル化が進む現代、世界を相手にできる語学力も必要ですし、自国の文化を理解することも大切なこと。
小学校の「総合的な学習の時間」の中での、「国際理解教育」においても、異文化理解はもちろんのこと、自国文化理解も学習の要素になっています。
これは、改訂された新学習指導要領 について、何度かお話ししてきましたが、英語活動の正式な導入 がなされたり、国語科においては、伝統的な言語文化と国語 ということで、「枕草子」などの「古典」が、小学校でも採り上げられたりしたこととも連しています。
ところで、それほど遠い昔のことではなく、昭和の時代(平成にも?)生活の中で使われていたのに、現代の小学生には、「???」かも知れない単語が、教科書に出てくる物語(昔話)にも出てきます。
例えば、年末にお伝えした昔話「かさこじぞう」。
この中で、売り物の笠だけでは足りなくなったじいさまが、自分の「つぎはぎだらけ」の手ぬぐいを、最後の地蔵様にかぶせてやるところがあります。
昭和以前生まれの大人は、この情景がすっと、頭に浮かぶのですが、豊かな時代に育った2年生は、「つぎはぎって何?」。
さし絵を示しながら、その意味するものと状況を説明してやらないと、読んだだけでは、わかりにくいのです。(つい、同じように分かっていると思いがちですが。)
しかも、「だらけ」が付く状況というのは、どんなものなのか。
そもそも、今の世の中、「村のはずれの野っ原にある、お地蔵さん」を目にしながら、学校に通ってくる子どもたちが、どのくらいいるのでしょうか?
「うす」や「きね」についても、幼稚園などで、餅つき大会があったりすると、目にする機会があるようですが、実物を見たことがある子はあまりいないようです。
「うちは、電気餅つき器あるよ。」「うちは、買ってくる。」
「さるかに合戦」のお話を読んだことのある子は、そのさし絵を思い出していました。
「先生、うすって、重いの?」(何をする道具かは分かっても、重さの量感までは、分からないんだ!)
「かにさんをひどい目にあわせたおさるを懲らしめるのに、うすさんがとった方法は?」
「屋根の方から、おさるの上にとび降りた。あっ、重いからだ。」
子どもたちは、こうやっていろいろと分かっていくんですね。