4月に入り、今年度の始業式寸前に、20名を超える転入生がありました。
この震災で、海沿いの町から避難してきた子どもたちです。
ランドセルも、学用品も、持ち出せた子はまだ良い方で、学校に置いたまま緊急に避難した子も多く、運動着姿のまま逃げてきた子もいました。
新しい学校に転入して2週間あまり。
養護教諭などを中心に、被災した子どもたちの心のケアにもあたってきました。
「学校にいるときは、みんなといっしょだから大丈夫だけど、夜になると眠れない。」
といった声もありました。
学年の上の子どもたちは、「記念日症候群」にも、気を付けてきました。
「その日になると、あのことを思い出す。」「その日になると、パニックを起こす。」etc・・・。
「その日」に大きな余震があったりしたので、たいへんでしたが・・・。
先日、6年生の担任が、職員室でこんなことを話していました。
「5時間目に詩を書かせてたら、M君、『帰りたい。ああ帰りたい。帰りたい。』って、書いて、『ぼく、ほんとのこと書いちゃった。』って。
だから、『いいよお。ほんとの気持ちだもんねえ。』って、言っちゃったあ。」
そこに5年生の担任が、
「そう言えば、うちのほうの転入生のY君も、この前ぼそっと、『帰りたいなあ。』って、つぶやいてたことがある。」
それはそうですよね。
住み慣れた町、これまで友だちと過ごした思い出だってあるはず。
避難してきた大人だって、そう思っています。
でも、あのこの町は、とうとう「警戒区域」になってしまいました。