2月14日、ロイヤルバレエの『白鳥の湖』です。
1月21日に映画の『ブラック・スワン』が公開され、1月22日にロイヤルバレエの『白鳥の湖』が初日を迎えました。
評論でも、この二つが並べられたりしたこともあり、いつも完売になりやすい『白鳥』がいつも以上の人気。
なんと、ボックス・オフィスには、『ブラック・スワン』で主演した、ナタリー・ポートマンがいつ踊るのか?という問い合わせがあったそうです。 それも、1件、2件ではないそうで。
初日に観て、もう一度観たいと思ったキャスト。 買ってあっても、予定変更で観られない公演もあるので、その分、今回もう一度行くことに。
『白鳥の湖』 アンソニー・ダウエル版、 チャイコフスキー作曲
オデット/オディール: ゼナイダ・ヤナウスキー
ジーグフリード王子: ニーマイア(ニァマイア)・キッシュ
ロットバルト: ウィリアム・タケット
王妃: エリザベス・マクゴリアン
家庭教師: アラスター・マリオット
ベンノ: ヴァレリー・フリストフ
ジェネラル/式典長: ギャリー・エイヴィス
第1幕
パ・ドゥ・トロワ: ラウラ・モレーラ、 ユフィ・チェ、 セルゲイ・ポルーニン
ワルツ: クリスティン・マクナリー、 ヴァレリー・フリストフ
ヘレン・クロウフォード、 ヨハネス・ステパネク(酔っ払い)、
小林ひかる、 ブライアン・マローニー、
シャーン・マーフィー、 蔵健太
アイオーナ・ルーツ、 マイケル・ストーイコ、
エマ・マグワイヤ、 エリーコ・モンテス、
ジェマ、 ルドヴィック・オンディヴィエーラ、
ロマニー・パジャック、 リアム・スカーレット、
ピエトラ・メロ・ピットマン、 ヴァレンティーノ・ズチェッティ 他
第2幕
4羽の白鳥: アイオーナ・ルーツ、 リヤーン・コープ、 ロマニー・パジャック、 エマ・マグワイヤ
2羽の白鳥: フランチェスカ・フィルピ、 ターラ・ブリジット・バフナーニ
第3幕
花嫁候補: クレア・カルヴェート、 フランチェスカ・フィルピ、 ピエトラ・メロ・ピットマン、
シャーン・マーフィー、 オリヴィア・コウリー、 メリッサ・ハミルトン
スペイン: クリスティーナ・アレスティス、 ローラ・マックロック、
トーマス・ホワイトヘッド、 蔵健太
チャルダッシュ: ディアードル・チャップマン、 ジョナサン・ハウエルズ 他
ナポリタン: アイオーナ・ルーツ、 リカルド・セルヴェラ
マズルカ: デメルツァ・パリッシュ、 ラーラ・ターク、 ナタリー・ハリッソン、 クリスティン・マクナリー、
ヨハネス・ステパネク、 平野亮一、 サンダー・ブロンマート、 エリーコ・モンテス
1月22日とはまた違った舞台をみせてくれました。
ゼナイダのオデットは誇り高く、ジーグフリードと出会った時にも、警戒心もありますが、本当にこの人を信じてよいのだろうか(オデットは悪魔により人間から白鳥に変えられてしまっているのですが、もし、彼女を心から愛する人に出会って、彼に求婚されたら、魔法が解ける)、というような気持ちが伝わってきます。
同じ場面で、ニーマイアのジーグフリードは、ただただ彼女に惹かれている。 だからこそ、この二人のやり取りが意味をもったのかな、なんて思いました。
黒鳥オディール、グラン・パ・ドゥ・ドゥのアダージオ、後方にオデットの姿が映し出された後、オディールは白鳥の動きをする場面があります。 その時になったら、急に、彼女はオデットの表情に戻り、そして、音楽のフレーズが変わったところで、彼女に惹かれて、ボーっとなっている王子に、「あなた、うまくだませそうね!」という、かなりいたずらな表情に。 あのような変化を観るのが私は好きです。
黒鳥の最後のフェッテは、前半の回転の最後に2回転を入れたら、そこでがたついてしまいました。 それでも、彼女は視点をずらしていくフェッテをやりました。 残念ながら最後の3回分くらいは回れませんでしたが、普通だったら、あそこでがたっとなった時点で、より難易度が高い回り方は避けると思います。
賛否両論があるとは思いますが、私は彼女の精神力が好きです。
そして、その後は何も無かったかのように、きちんとキャラクターに戻りました。
第4幕は、最後まで葛藤。 彼女は王子を許す表情はしなかった。
でも、彼に手を差し伸べるし、かなりの迷いがあります。
最後まで、気高い女性を演じました。
王子に手を差し伸べているのに、後ろから、ロットバルトに引っ張られる部分、実際にはロットバルトは彼女に手を触れていないのに、引力を感じました。
ニアマイアは、前回よりもずっと安定し、なおかつ、表情もだいぶ細かくなりました。 もちろん、まだまだやることはあるとは思いますが。 元々誠実そうな顔をしているので、第3幕の黒鳥オディールに、全く疑いもありません。
第3幕の花嫁候補たちが踊っている間、彼女たちに背を向けた時、頑なになるのではなくて、自分の決めた人(オデット)しか見えていない目。
パ・ドゥ・ドゥの最後のアラスゴンド・トゥール(足を真横に上げたまま回転)が、足の高さが下がらずにきれいでした。
ジャンプの時に、もっと上に伸びられたら、もっときれいに見えると思うのですが。 止まっている気がします。
今回は、パートナリングも安定していました。
第1幕のパ・ドゥ・トロワ、今シーズンずっとこの女性の組み合わせで見ています。
ユフィちゃんが、踊れば踊るほど、よくなっています。
ワルツの中心男性4人、まとまっています。
ヨハネスの酔いっぷり、毎回少しずつ違って、感心します。
毎回のことながら、エリザベス・マクゴリアンの王妃は、優しい表情をしながらも、息子に結婚をinsistしていきます。 言葉では表せない、彼女の表情の細かさ。 あのママにああいう風にされたら、どんな息子も何もいえないのでしょうね。
次に私が白鳥を観に行くのは3月。 3週間くらいあくはずです。