永久凍土地帯(ロシア・ヤクーツク)の名物料理  | 世界の食卓  グルメ探求の旅

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エアラインスタッフの食べ歩き日記

ハバロフスクから国内線で2時間。ロシア・サハ共和国のヤクーツク。


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アエロフロートのツポレフTu-154 (モスクワにて 2007年7月撮影)


シベリアの内陸であるがゆえに冬場はマイナス60℃近くまで冷え込み、夏場は

40℃近くまで気温が上昇する永久凍土の過酷な大地です。

年間の温度差は何と100℃です。人間がこんな地に住めること自体が驚きです。

ダイヤモンドが獲れること、冷凍のマンモスが出土したことでも有名な地ですね。


kashiwanにはかつてヤクーツク出身の知人がいました。10年程前に帰国してしまいましたが

県内の語学教室にてアルバイトでロシア語を教えていた女子留学生。

ロシア人ですがヤクーツクのあるロシア・サハ共和国出身で顔立ちはモンゴル人や

日本人とそっくり、イリーナという名前が不釣合いに感じられました。

帰国後に「一度冬場にヤクーツクへ遊びに来てください。」という国際郵便をもらいましたが、

マイナス60℃の世界なんて怖くて足を踏み入れることができません。


冬のロシアで体験したマイナス30℃ですら、肺や気道が凍りそうで呼吸が苦しく、

カメラのレンズが割れてしまうほど強烈でしたから。


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さて、最近米原万里さんの著書「旅行者の朝食」(文春文庫)を読んでいて気に

なったのが「冷凍白身魚のカンナ屑」と記された食べ物。

著書ではマイナス53℃のヤクーツクを流れる凍りついたレナ川に穴を開けて

オーク二という白身魚を釣る様子が描かれています。

釣られた魚は空中に舞ったと思ったら天然瞬間冷凍されてしまうそうで、それを

カンナのようなもので鰹節の要領で削ってたべるとのこと。


記事を読んだ瞬間、どこかで食べた事があるなと思いました。

それって、吉祥寺の「カフェロシア」で出てきたシベリアの冷凍白身魚

「ストロガニーナ」ではありませんか。

食べた時は凍ってシャリシャリする刺身が美味しくないのは明らかなのに、

どうしてわざわざ凍らせるかな?日本人なら解凍物の刺身を嫌うのにと不満を言ったもの

ですが、過酷なシベリアの風土が生み出した郷土料理だったのですね。


さきほどLIVE天気予報で現在のヤクーツクの気温を調べたら猛烈な濃霧で

マイナス38℃。午前11時頃に太陽が顔を出し、午後3時には日没を迎える長くて

暗い冬のヤクーツクでイリーナはこんな料理を食べているのでしょうか?

今まであまり美味しいとは思ってなかったのですが、米原さんの著書には

とても美味しそうに書かれていました。

現地で食べる凍りたて削りたてのストロガリーナはきっと美味しいんでしょうね。


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さて、こちらは最近食べた六本木のバイカルのロシア料理。

昔はロシア人客ばかりで、店員さんもロシア語ONLYの人が多かったけれど、

最近は「ぐるなび」に割引クーポンを載せたらしく日本人客で満席でした。

店員のロシア人たちも日本語が上達していてビックリ。


(左)は茄子の温かい前菜、(右)はハム、たまご、キュウリ、ディルのマヨネーズ和え。

いずれもロシア人が好む酒の肴です。


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ロシアのウォトカ(ウオッカ) プティンカ

ストレートで一気に飲んで黒パンをほおばります。



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(左)ビーフストロガノフ


(右)カプースタ(キャベツ)のピロシキ

   ロシアでは揚げよりも焼きピロシキが一般的です。

米原さんの著書を読んだら久しぶりに冬のロシアに行きたくなってしまいました。

ロシア熱再発です(笑)


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六本木ミッドタウンのクリスマスツリー