世界の珍フライト   ~これでも飛行機は今日も飛ぶ~ | 世界の食卓  グルメ探求の旅

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エアラインスタッフの食べ歩き日記

今までに経験した面白い(怖い?)フライトの小ネタ集です


fujinh1   富士山上空


成田出発前に聖クルアーン(コーラン)の一節を機内で

 (パキスタン航空 東京⇒カラチ 1997年)


 パキスタン航空に乗ると離陸前に3分程暗~い声で

 イスラームの聖典クルアーン(日本では訛ってコーラン)の開扉章が読み

 上げられる。 (機内モニターにはメッカ・カーバ神殿の映像) 


 「ビスミッラーヒ ラヒーム ラヒー~」(慈悲あまねく慈悲深きアッラーの御名において~)


 重~い空気。日本人乗客はただただ圧倒されるのみ。。。。


 このクルアーン読誦、4パターンあるようで暗いバージョンや少し明るいバージョンを発見

 尚、プロペラ機のF-27には機内オーディオ装置が付いていない関係で、スチュワードがライブで

 マイクを使って大声で読み上げていた。


 飛行中もお祈りの時間に通路でお祈りする人が!サービスができないっ!)

 

 搭乗時間とお祈りの時間がぶつかった日は、スチュワードたちがウエルカムをせずにお祈りしている

 横を私はそそくさと搭乗。

スチュワーデスはみんな黒装束 

 (イラン航空 テヘラン⇒カラチ 1998年)


 イラン航空のフライトはイスラム色が異常に濃い!


 スチュワーデスは黒い布で全身を覆っている

 それじゃあ、イラン人女性乗客と区別つかないじゃないか!って思ったら、

 一応、黒装束ながらも金のウイングバッジと階級を示す金のラインがアクセントで入っていた


 スチュワードも多く乗務しているが、みんなワイシャツにノーネクタイ

 イランでは西欧化の象徴となるネクタイの着用が禁じられている(98年当時)


 もちろん機内は禁酒。アルコールの持ち込みも禁止。イラン国内では外国人女性であっても

チャドルまたはヘジャーブ(全身を覆う布)の着用が義務付けられているため、 テヘラン

 着陸態勢に入る前に外国人女性全員が着用を求められる。髪の毛がはみ出したり、

 体のラインがわかるものは不可。華美な布もだめ。顔の一部と手のひら以外は出しては

 ならない。街中では宗教警察の取り締まり対象。


 
 着陸前、外国人女性の華やかな洋服が、一転して全員黒子のように。。。機内の空気も

 引き締まる。

 でも、乗務員のみなさんは意外とフレンドリーで私は好き。



非常口に機内持ち込みの冷蔵庫  (ロシアの某地方航空会社 1999年)


 名誉のために航空会社名を出すのは避けるがロシア・シベリアの地方航空会社の

 旧ソ連製ツポレフTu-154型旅客機に乗ったときのこと、


 *乗客が持ち込んだ冷蔵庫やら家電やらが機内の非常口付近に積み上げ

 られていた


 *シートベルトの無い席がある。


 *離陸時のショック(ロシアの空港は舗装が悪いためガタガタ)天井の一部がが外れた


 *天井から水滴が大量に落ちてきた (私の上着を直撃)


 *トイレは水浸しで使用不能。


 *着陸体制に入ると猛烈な水蒸気で機内の視界がゼロに!

 

 うーん、旅客機とは思えないシロモノだ。安全意識はあるのだろうか?



パイロットは「お先に~!」 (アエロフロート・ロシア航空 モスクワ 1997年)


 ロシアの航空会社は目的地に着くと乗客より先にパイロットが降機する

 (ただし日本路線は除く)


 パイロット「ダスヴィダーニャ!(さようなら!)」

 乗客は拍手。


 旧ソ連時代の労働者を尊ぶべきだという慣習か?


 

えっ?飛行機なのに立席? (パキスタン航空 サイドゥシャリフ⇒ペシャワル96年)


 全日空が昭和48年まで日本で使用していた中古プロペラ機(フォッカーF-27 製造後45年経過)に

 乗ったときのこと、操縦席に全日空の名残(日本語のプレート)があるということで、日本人の私は

 飛行中に機長からコックピットに招待された。 着陸態勢に入ったので私が客席に戻ろうと

 すると、「着陸まで見せてあげよう」と言うではないか。 嬉しいのだが、ジャンプシート(補助席)

 が無いので、立ったまま機長の座席にしがみついてペシャワル空港に着陸。

 スリリングだったが貴重な経験となった。



飲料の栓がポンポン飛ぶ (ボージャ航空 ムルターン⇒イスラマバード 98年)


 パキスタンのボージャ航空のヤコブレフ42型(ウクライナ製)に乗ったときのこと。

 乗客の飲料の蓋が飛行中にポンポン飛ぶではありませんか。

 たぶん、ヤコブレフ機の与圧調整がうまくいってないのでしょう?


 この飛行機、ウクライナ製で、しかも飛行機はリトアニアのリトアニア航空からのリース機

 (機体はリトアニア航空と書いてあったが、小さなボージャのシールが貼られていた)

 パイロットはリトアニア人・客室乗務員はパキスタン人。

 

 後日談で、このボージャのリトアニア人パイロット氏、カラチ駐在中はホテルを自宅として

 使用しているそうだが、ホテル内で制服姿でウオッカ飲んで酩酊しているのを私の知人が

 何度か目撃した。

 まさか飲酒運航してませんよね~。(旧ソ連のリトアニアならあり得なくないか?)



未舗装の砂利地に着陸 (ロイヤルネパール航空 カトマンズ⇒ポカラ 1991年) 


 「あれ?ここは空港?もしや草原に不時着する気かな? ん??」 ドカドカ ガタガタ~。

 ネパール航空のプロペラ機(HS-748)は未舗装の砂利地に着陸。これ、実は空港なのだ!

 飛行機は牛のいる草むらに駐機。ポカラ空港ターミナルは小さな木造の小屋だった。

 




今日はこの辺で。

こういうネタはどうしても南アジア・中東・ロシアの航空会社になりますねえ。。。