まだ合意はしてませんよ | 朝倉新哉の研究室

朝倉新哉の研究室

全ては日本を強くするために…

やあ、みなさん、私の研究室へようこそ。

夜中から、TPP大筋合意という報道が何度も出ていますが、
まだ合意したわけではありません。

>>>
TPPで経済再生相「大筋合意の可能性強まる」

10月5日 2時00分

TPP=環太平洋パートナーシップ協定の閣僚会合で、
甘利経済再生担当大臣は日本時間5日未明、
最大の焦点のバイオ医薬品の開発データの保護期間を巡り、
アメリカとオーストラリアの協議が合意に達するなど
難航していた分野で前進があったとして、
交渉全体が大筋合意する可能性が強まったという認識を示しました。

可能性が強まった であって、合意した ではありません。

アメリカ南部のアトランタで行われている
TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉参加12か国による閣僚会合は、
日本時間5日の正午ごろまで日程が再度延長され、
各国の首席交渉官による会合が開かれるなどしています。
こうしたなか、甘利経済再生担当大臣は
日本時間の5日未明、鶴岡首席交渉官らから
各国の交渉状況などの報告を受けたあと、記者団に対し、
最大の焦点となっていたバイオ医薬品の開発データの保護期間を巡って、
アメリカとオーストラリアとの間の協議が合意に達したことを明らかにしました。
そのうえで、甘利大臣は
バイオ医薬品の問題に懸念を示しているほかの国との調整が残っており
 アメリカとオーストラリアで懸命に調整にあたっている。
 乳製品も、ニュージーランドが残されているアメリカを中心に、
 協議をきのうから本格化し、大筋合意を目指す時点までに決着すると見通されてきている」
と述べました。
また、甘利大臣は、自動車分野に関して
「日米で合意し、その後、カナダ、メキシコとの調整を行い、
 ほぼ合意と言うところまで達しており、大きな障害にはなっていない」
と述べました。
そして、甘利大臣は
「現地時間のきょう午後に閣僚の全体会合を開き、
 そのうえで、大筋合意を発表する共同記者会見を開く準備が整ってきていると考えている」
と述べ、
日本時間5日未明にも、交渉全体が大筋合意する可能性が強まった
という認識を示しました。

日本時間5日未明なら、今日の午前中にも大筋合意になるはずですが、
午前中にそんな発表はありませんでした。


一方、甘利大臣は、安倍総理大臣に対し、
大筋合意の可能性が強まったという見通しを報告したことを明らかにし、
「安倍総理大臣は、非常に喜んでいた」と述べました。
>>>

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20151005/k10010258681000.htmlから引用。
(青字、赤字による強調はブログ主による 緑字はブログ主によるツッコミ)

午前中に、大筋合意の報道があるかと思ったら、結局ありませんでした。

>>>
TPP、大筋合意へ最終調整 きょう夜に結果発表へ

朝日新聞デジタル 10月5日(月)13時3分配信

米アトランタで開いている
環太平洋経済連携協定(TPP)交渉の閣僚会合で
5日未明(日本時間同午後)、大筋合意へ向けた最終調整が続いている
米通商代表部(USTR)は5日未明(同午後)、
閣僚会合閉幕後の共同記者会見を同午前9時(同午後10時)に開くと発表した


米政府関係者は4日夜(同5日午前)、記者団に対し、
ニュージーランド(NZ)が米国などに輸入拡大を求めてきた乳製品で、
調整が続いていると説明した。
こうした残る懸案の整理を進めたうえで、
12カ国による閣僚会合を開いて交渉の進展状況を確認し、結果を発表する


交渉では、
難航3分野で最大の焦点だったバイオ医薬品のデータ保護期間で、
激しく対立していた米国と豪州が4日、
「実質8年」とする譲歩案で折り合った。
これを受けて、甘利明TPP相は
4日正午(同5日午前1時)すぎ、
「大筋合意を発表する準備が整っている」
と表明していた。

その後の調整で、5年を求めてきたチリやペルーなどの理解も大筋で得られた模様だ
日本は現行の保護期間が8年となっており、大きな変更はないとみられる。

菅義偉官房長官は5日午前の記者会見で、
「各国は今回こそ最後の閣僚会合であるという共通の認識をもって、
 まさに大詰めの交渉を行っている。
 不退転の決意と覚悟で臨んで、成功裏に交渉をまとめ上げたい」
と語った。
閣僚会合開催がずれ込んでいることについては
各国が最終的な調整を行っている段階で、結果を予断すべきではない。
 大筋合意がなされることを期待していたい

と話した。
>>>

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151005-00000038-asahi-polから引用。
(青字、赤字による強調はブログ主による)

今日の未明には、大筋合意になるはずだったのが、
午後になってもまだ調整が続いているのです。
で、共同記者会見が開かれるのは、午後10時。
それで大筋合意の発表になるのかというと、

>残る懸案の整理を進めたうえで、
>12カ国による閣僚会合を開いて交渉の進展状況を確認し、結果を発表する。

ということなので、
必ずしも、合意の発表とは限らないわけです。
”結果発表”としか言っていません。
合意という結果なのか、合意に向けて今後も交渉を続ける、という結果なのかは、
まだわかりません。

医薬品データの保護期間でも、

>チリやペルーなどの理解も大筋で得られた模様だ。

得られた模様 です。
合意した、ではありません。

TPPでは、この手の報道が何度もありました。
実質合意へ、とか、大筋合意へ、とか、
すでに合意したかのような印象を与える報道が何度もありました。

仮に大筋合意となっても、まだ協定とか条約が結ばれたわけではありません。
大筋合意した内容に基づいて、条約の文言をどうするかを、
今後話し合うことになるでしょう。
その間に各国で反対運動を盛り上げれば、つぶしてしまうことも不可能ではありません。
条約が締結されても、各国の議会で批准しなればなりませんから、
批准させなければ発効しません。

自民党のHP
https://ssl.jimin.jp/m/contact
に、

>>>
自民党へのご意見

自由民主党に対するご意見・ご要望をお寄せください。
皆さまから寄せられた内容は、
すべて目を通して、党の貴重な資料として参考にさせていただきます。
>>>

とあります。
ここに、たくさんの人が意見を書き込めば、かなりの圧力になります。
同様に、官邸メールでも反対意見がたくさん寄せられれば、
これも相当な圧力になります。

大筋合意したとしても、まだ条約ができたわけではありません。
まだ終わったわけではないのです。

前九年の役(1051年~1062年)の中で起こった
黄海の戦い(1057年11月)で、源頼義は、安倍貞任率いる反乱軍に敗れます。
(安倍総理は、貞任の弟、宗任の子孫です)
頼義の軍は、大敗を喫し、有力な部下を失い、戦力が払底してしまいます。
普通は、自前の戦力がなくなれば、あきらめてしまうものです。
しかし、頼義はあきらめませんでした。
黄海の戦いの後、4年8か月もの間、
頼義は、安倍氏の勢力拡大を黙って見ているに等しい状態でした。
頼義は、
安倍氏の勢力圏のすぐ隣の地域を勢力圏とする
有力豪族清原氏に援軍を要請します。
1062年7月、清原氏は援軍を送ることを決定、
同年9月に安倍氏は滅びました。
頼義は、自前の戦力が尽きてもあきらめることなく、
援軍を得ることに成功したため、最終的には、勝利を得たのです。

たとえTPPが大筋合意したとしても、あきらめることなく”戦い”は続けるべきです。
あきらめたら終わりなのです。

日本が直面している敵は、在日や左翼だけではありません。
新自由主義(=市場原理主義、自由原理主義)、グローバリズムとの戦いも
今まさに進行中なのです。


日本の敵に負けたくない方はクリックをお願いします。

人気ブログランキングへ