中国包囲網 順調に形成 | 朝倉新哉の研究室

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日とフィリピン、海空分野で協力 防衛相、国防相と会談

【マニラ共同】
フィリピン訪問中の小野寺五典防衛相は27日午前(日本時間同)、
ガズミン国防相と国防省で会談した。
両国の戦略的パートナーシップを深め、海洋、航空分野で協力していくことで一致。
防衛次官級会合の実現に向けて調整していくことで一致した。

海洋進出を活発化させる中国をにらみ、
国際法を順守し、法の支配による
海洋紛争の平和的解決が重要との認識も確認したもようだ。

ガズミン氏は会談で、
中国との南シナ海の領有権争いをめぐり
国連海洋法条約に基づき仲裁裁判所に解決を求めた手続きを説明。
小野寺氏は、フィリピンの立場を支持したとみられる。  
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http://www.nagasaki-np.co.jp/f24/CO20130627/po2013062701001203.shtml
から引用。

中国とフィリピンの南シナ海の領有権争いとは、こういうことです。

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1995年に中国がフィリピンのミスチーフ礁を手に入れた際には、
フィリピン海軍がモンスーン期でパトロールをしていない時期を見計らい、
瞬く間に建造物を建ててしまった。

フィリピン政府の抗議に対し、中国は、
「建物は自国の漁師を守るためのもの」
と主張した。

1998年から99年には、中国がついにミスチーフ礁に
鉄筋コンクリートの施設を建ててしまい、マニラで大規模抗議運動が起きた。
とはいえ、
すでにミスチーフ礁は中国が実効支配してしまっており、
中華人民共和国が維持される限り
フィリピンが取り戻せる可能性はゼロに近い。

何しろ、ミスチーフ礁には、すでに中国が
港を備えたコンクリートの土台、ヘリポート、パラボラアンテナが設置された
3階建ての建物までつくってしまったのだ。
事実上の要塞化だ。
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『目覚めよ!日本経済と国防の教科書』 三橋貴明 中経出版 より引用。
(青字強調は筆者による)

中国の実効支配がここまで進んでいると、

”法による解決”はちょっと無理じゃないでしょうか。

となると、武力奪回しかありませんが、

フィリピンと中国の海軍力の差は歴然としています。

フィリピン海軍は、人員2万2000人。
有力な戦闘艦艇としては、
フリゲート  1隻
コルベット 14隻
高速艇    8隻

中国海軍は、人員25万人。
駆逐艦           26隻
フリゲート         52隻
攻撃型原子力潜水艦   5隻
通常動力型潜水艦    48隻

駆逐艦やフリゲートといった水上戦闘艦艇の差も圧倒的ですが、

致命的なのは、潜水艦です。

中国がこれだけ多数の潜水艦を持っているのに対して、フィリピンはゼロ。

それだけでなく、フィリピンは、対潜水艦作戦能力を全くもっていないのです。

潜水艦を持っていなくても、水上艦が対潜水艦作戦能力をもっていればいいのですが、

その能力がないのです。

自衛隊が持つP3CやP1のような哨戒機も持っていません。

潜水艦が1隻出撃するだけで、フィリピン海軍はお手上げなのです。

1982年のフォークランド紛争で、

イギリスの原子力潜水艦がアルゼンチンの巡洋艦を撃沈しました。

そのため、対潜能力が低いアルゼンチン海軍は、自由に行動できなくなりました。

潜水艦は、まず見つけるのが大変なのです。

潜っていれば、見えませんし、レーダーの電波は、水中には届きませんから、

スクリュー音を探知することが中心になります。

このスクリュー音を探知するのが一苦労なのです。

$国家戦略研究










http://www.clearing.mod.go.jp/hakusho_data/2005/2005/html/17322000.htmlより転載
(クリックして拡大してご覧ください)

上の図のように、水上艦、ヘリ、哨戒機が一致協力して探して、

やっとのことで見つけることができるのです。


もし本当に、中国のミスチーフ礁支配を終わらせたいなら、

日本かアメリカが代わりに戦ってあげるしかないですが、

日米ともにそこまでの覚悟はないでしょう。

かといって、中国の横暴を見過ごしていいわけはありません。

そこで、

『目覚めよ!日本経済と国防の教科書』の

”中華人民共和国が維持される限り”

という部分がキモになります。

中華人民共和国という国が維持されている限りは、

このまま実効支配が続くでしょうが、

彼の国がなくなってしまえば、実効支配もご破算にしてしまえるわけです。

そこで、久しぶりに出てくるのが、”天下六分の計”です。

国家戦略研究

天下六分の計とは、

満洲、東トルキスタン、チベット、台湾を中国から独立させ、

内モンゴル自治区を中国から分離させ、モンゴルと合併させる工作です。

上の地図の赤い部分が、新中国ということになりますが、

新中国の範囲はどこからどこまでか、ということが必ず問題になります。

そのとき、ミスチーフ礁は、”旧中国”がフィリピンから不当に奪ったものだから、

返還せよ、という方向へもっていくわけです。

同様に、西沙諸島も”旧中国”がベトナムから不当に奪ったものだから、返還、

ということにさせます。

中国分裂が実現すれば、理想ですが、何年かかるかわかりません。

ですから、今は、中国包囲網を形成して、外から牽制することが必要です。

しかし、1番よいのは、内部から分裂させてしまうことです。

中国は、日本にとってもフィリピンなど東南アジア諸国にとっても、

共通の脅威です。

その脅威を取り除くためには、

外からの牽制と内部分裂工作(天下六分の計)を同時に進めることが必要なのです。


中国包囲網形成と天下六分の計に
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