混合診療の危険性 | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

混合診療の問題は、国民の命にかかわる重大な問題です。

”国の借金”問題と同様、これから何度も取り上げることになると思います。

それくらい重大なことなのです。

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かつて小泉内閣の規制改革・民間開放推進会議では、
医療費削減を図るため混合診療の解禁が打ち出された。
自由診療分を増やしていけば国や企業の負担分は減るからだ。

なんでも規制緩和の小泉政権.
混合診療解禁に向けても,
オリックスの社長の宮内氏が率いる規制改革・民間開放推進会議を中心に,
混合診療まっしぐらという状況だったのが2004年.

オリックスはつまるところ保険会社.
混合診療というものを保険会社の立場から視ると,これはビッグチャンスなのである.
自由診療分に対する保険を作れば,その様な保険を販売出来る.
アメリカの保険会社もこのビッグチャンスに沸き立った.
日本人は実は保険好きで,故に,日本は保険大国なのである.
また,アメリカは国民保険などがないので,すべて保険会社が医療保険をやっている.

当時,小泉政権は郵政民営化には関心は高かったが,
混合診療に対してはそんなに関心が高くなかったし,小泉元総理自身,
「混合診療がなぜダメなんだ.なぜ,金持ちだけの医療になるんだ?」
と側近にのんびりと聞いていたくらいだ.

しかし,オリックスの宮内氏は違った.
彼と彼ら保険会社の一味は,混合診療解禁に向けて狂奔していた.
彼は着々と手を打っていたのである.
彼は恐ろしい事を言った.

一度,混合診療になったものを健康保険の対象に入れてはならない」というのだ.

国民の方からすれば,これこそが,おかしな話である.
今の時点で保険で認められていない治療や薬でも
非常に良い効果があると周知されれば,
それは保険で積極的に認めていくべきではないだろうか.
それが当たり前の考え方である.


しかし,保険屋の宮内は,そうは考えていなかった.
保険屋の立場からすると,それでは保険を作ることが出来ないではないか.
「これは国民健康保健でカバー.しかし,この治療とこの治療と・・・はカバーされていない.
 これをカバーするのが,我が社のこの保険ですよ」
という感じで保険は販売される.

それがある時,国民健康保険外のものが,
次から次へと国民健康保険に組み入れられていったら,
だれも自分たちの保険を買ってくれないではないか.

今,このように考えると,宮内はとんでもない奴だ!
 ということが簡単にお分かりいただけるだろうが,
混合診療の議論というのは実に難しいし,
政府内の一挙一動に着目し,かなり継続的に研究しないと分からない.
そしてこのようなことというのは往々にして,一つの文言が重要な意味を持っていたりする.
したがって,この文言の罠を分かっていたのは,実は,当時,医師会くらいだったのである.

結局,医師会とそれに動かされた厚生労働省の大反対により
この混合診療という話は,
「その時まで差額ベッドなど一部のものにしか認めていなかった
 特定療養
(特定療養に認められた治療に関しては例外的に混合診療が認められる.
 ただ,施設基準などが厳しく定められていて,どこの病院でもやれるというものではない)
 の枠をひろげる.
 また,新治療,新薬の国民健康保険適応をスピードアップする」
ということで,決着した.

当時の宮内氏.大きく思惑がはずれ,結局これでは自分の会社の保険を組む事は出来ない.
「国民の治療の選択の幅が広がった」
と負け惜しみを言うのが関の山であった.

私は一応医師会のあまり熱心ではない末端会員であるが,
このことに関して,医師会は国民にとって大きな貢献をしたと特筆大書して良いと思っている.
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http://consultanta.web.fc2.com/KongouSinryou/KongouKoreda.html
から抜粋して引用。(青字、赤字による強調は筆者による)

官僚に対して、悪いイメージをお持ちの方、

混合診療は、厚労省の頑張りで、全面解禁を免れたのです。

国民皆保険制度の崩壊を防いでくれたのは、官僚(および医師会)なのです。

ここは、

「厚労省よくやってくれた」

と素直に感謝すべきでしょう。

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米国はお金持ちあるいは
十分な医療保険に守られた特権階級には
世界最高レベルの医療を享受できる国であるが、
それ以外の市民、
とりわけ保険料の低い不十分な医療保険しか掛けられない層や
無保険者にとって、米国の医療制度は非常に冷たく、残酷でさえある。

例えば、
月当たりの医療給付額に著しい制限のある安い医療保険
(いわゆるデイスカウント保険)に入っていたある市民が、
非ホジキンリンパ腫(がんの一種)の治療のため訪れたがん専門病院は、
特効薬といわれる薬を一本注射するのに

$13,702(約130万円)を請求した

(仕入れ価格は$3,000 ~ $3,500とみられ、その4倍もの額が請求されたことになる)


無論、この患者の保険はこのような高額な治療をカバーしていなかった。
一回の注射で車一台分のお金がふっとび、
しかも、治療は一回だけで済むわけもない。
かといって、治療を止めれば、生命が脅かされる。
こんな無慈悲なことがまかり通っているのが米国医療の現実なのである。
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http://www.asahi-net.or.jp/~rp8i-fkm/managedcare.html
から抜粋して引用。(赤字強調は筆者による)

上記URLには、こんな一節もあります。

>米国の医療制度・問題を学ぶ中で私の頭の中に浮かんできたのは
>「ぼったくり」
>という言葉であった。

>HMO (Health Maintenance Organization)を運営する保険会社は
>利益第一主義の貪欲・冷酷な悪魔のような存在であった

世界に誇れる日本の医療制度を、アメリカのような

利益第一主義、「ぼったくり」

の制度に変えてしまうのが、混合診療解禁なのです。

2004年ごろは、医師会(とそれに動かされた厚労省)ぐらいしか、

混合診療の危険性に気づいておらず、

もしかしたら、その時点で、解禁されていたかもしれないのです。

しかし、混合診療の危険性を多くの国民が知れば、

医師会、厚労省の孤軍奮闘のような状況ではなくなります。

グローバルな保険会社や製薬会社、医療機器メーカーは、

混合診療解禁に向けて強力な圧力をかけてくるでしょう。

これに対抗するには、なるべく多くの国民が、

混合診療の危険性についての知識を得ることが不可欠です。

$国家戦略研究













↑ こんなことを言ってる以上、オリックスは「ぼったくり保険屋」と言わざるを得ません。
http://consultanta.web.fc2.com/ZZZ/MixWhere/MixWhere.htmlより転載


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