中国依存と環境問題とエネルギー問題と原発事故による汚染問題を全て解決できる方法 | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

日本は、レアアースの中国依存から脱却するため、調達先の多様化を進めています。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120927-00000042-xinhua-cn

から抜粋して引用します。

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日本、レアアース調達で脱中国狙う マレーシアで調査開始

【中国証券網】
このほど、
「日本の経済産業省に所属する独立行政法人、
 石油天然ガス・金属鉱物資源機構が、
 レアアース合金企業の三徳(本社:兵庫県神戸市)などと共同で、
 マレーシアでゼノタイム鉱石の調査に着手した」と伝えられた。

日本はこの調査を通じて、鉱石中のジスプロシウムの含有量を分析し、
現地の鉱山企業の抽出、精錬方法を確認した上で、
2013年2月までに採掘計画をまとめ、国内に供給する計画とされる。

これについて業界関係者は、
「多くの要因から、日本は中国からのレアアース輸入を避けて、
 より多くの資源を得る方法を模索し始めている」と指摘した。

豊田通商など日本企業は、
ジスプロシウムなど重レアアース資源の確保に向けた取り組みを強化しており、
カナダにおいて現地企業と共同で同国の重レアアース鉱山を開発することを計画する。
2015年以降、日本への供給を開始できると予測されている。
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一方、こんな動きがあります。

http://www.jiji.com/jc/rt?k=2012051000454r

から抜粋して引用します。

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マレーシアのレアアース工場、市民の反対で建設中断

【ゲベン(マレーシア)ロイター時事】
マレーシア政府は、
オーストラリアの資源会社業ライナスが
レアアース(希土類)の原料をマレーシアに輸入し、
同国東海岸のゲベン工業団地で
レアアース精錬工場の操業を始めるのを認めるかどうか検討している。
同工場は完成すれば中国国外で世界最大のレアアース精錬工場になる。

ゲベン工業団地には燃えるような暑さの中、
20人程度の人々が集まり、「ライナス反対。母国に帰れ」と叫んで抗議活動を始めた。

同業界が中国で深刻な環境問題を引き起こしているからだ。

同工場から10キロメートルに満たない場所に住むノリザン・モクタルさんは
「西側諸国は嫌がっているのに、なぜマレーシアに建設するのか」と述べた。

彼女は
「一番小さい子は6歳だ。影響はすぐには出ないかもしれないが、将来出るかもしれない。
 毎日魚を食べているから、放射性物質が含まれていたら心配だ」と語った。
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なぜ、このような反対運動が起こるのか?

実は、レアアース採掘の副産物として、放射性物質のトリウムが生成されるからなのです。

以下、『平和のエネルギートリウム原子力Ⅱ』亀井敬史 雅粒社

からの引用です。

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レアアースを生産する現場で、放射性の廃棄物として毎日発生しているのがトリウムである。

レアアース鉱石の製錬過程で、これに含まれる放射性物質のトリウムが分離される。

日本はレアアース対策に2011年度の補正予算1000億円を計上して
中国以外のレアアース資源開発に乗り出しているが、
いずこにおいても放射性物質のトリウムは発生する。
これを適切に処置するすべについて考えなければ、レアアースの確保はあり得ない。

2010年の秋以降、日本の大手商社がアメリカやオーストラリア、ベトナムで
レアアースを開発する案件が取り上げられているが、
その際に発生するトリウムの対処について語られることはない。
現時点においてもトリウムの対処を日本が自らの責任において果たそうとする姿勢は見えない。
日本が何もしないのは、不可避的に発生するトリウムの汚染を資源国に押し付けるのと同義だ。

中国南部のイオン吸着鉱には(トリウムは)ほとんど含まれないが、
北部、包頭近郊のバイヤンオボではレアアースの鉱物にトリウムが多く含まれている。
トリウムは一般工業的にはほとんど利用価値がない。
このため、レアアースの製錬工程で分離したトリウムは廃液の貯留池にためられていることが多い。

レアアース問題の本質は、このトリウムをどうするかにかかっている。
しかし、日本ではレアアースを確保する際に
放射性物質のトリウムが同時に発生することが理解されていない。
これは一般の識者の場合である。
原子力と鉱物資源の専門家の一部は(少数の官僚や政治家も含めて)、
本書で述べた筆者の認識を共有するに至っているが、
双方の分野のほとんどの専門家は、
トリウムは”原子力の”範疇であり、”鉱物資源の”範疇でないと考えている。

トリウムは中国に限らず、世界中のレアアース産地で同じように、いや、
より高い含有率で、現れる。
中国以外で鉱山開発をする際には、このトリウム問題を解決しなければならない。
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・中国以外からレアアースを調達したい

・中国北部以外でレアアースを採掘すると、副産物としてトリウムが出る

・トリウムは、(ある用途以外は)ほとんど使い道がなく、上記のように貯留池に溜められている

こういう状況を解決する方法は1つしかないと思います。

廃棄物同様に扱われているトリウムを、”ある用途”に使うことです。

その”ある用途”とは、「トリウム熔融塩炉」です。

トリウム熔融塩炉は、当ブログで何度も取り上げました。

まず1つの特長は、安全であることです。

原理的に安全であることは多くの専門家が認めています。

詳しくは、当ブログの

『安全な原発はある その名はトリウム熔融塩炉』

をご参照ください。

他にも、

・発電効率がよい

・燃料棒交換の必要がないので、ランニングコストが安い
 (燃料棒を使わないことが安全性にもつながっています)

・アメリカのオークリッジ研究所で4年半の試験運転の実績があり、
 基本技術が確立しており、今後の開発費はそれほどかからない

・負荷追随性が高い
 (必要とされる電力に応じて、いろいろな規模のものが作れる。
  途上国への輸出を考えた場合に有望)

・化石燃料を使わないので、当然ながら二酸化炭素を排出しない

という特長があります。

なんといっても最大の長所は、

放射性物質を消滅させることができる

という点です。

原発事故で放出された

セシウム134、137、ストロンチウム90といった放射性物質を、

炉内で、中性子を吸収させることにより、消滅させることができるのです。


レアアースの副産物として出るトリウムをエネルギー源にできる

放射性物質を消滅させることができる

こんなすばらしいトリウム熔融塩炉をなぜ実用化しようとしないのか?

私には、全く理解できません。


国家戦略研究
トリウムが含まれる鉱物「方トリウム石」
http://www.weblio.jp/content/%E6%96%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%A0%E7%9F%B3より転載


中国以外からのレアアース調達を増やし、
副産物のトリウムをエネルギーとして利用し、
トリウム熔融塩炉を実用化して、原発事故で出た放射性物質を消滅させろ!

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