日本を韓国にしないために… | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

『グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本』 三橋貴明 徳間書店
国家戦略研究
によると、

韓国は日本より早いペースで少子化が進んでいます。

2010年の合計特殊出生率を比べると、

日本 1.39

韓国 1.23

です。

韓国企業は人件費を抑制するため、非正規雇用を増やしました。

そのため、韓国人の所得は減りました。

そうなると、子供を産んで育てることもできなくなります。


森永卓郎さんが『世界一受けたい授業』という番組の中でこう言っていました。

「日本で出生率が下がっているのは、結婚の件数が減ってるからです。
 結婚してる人たちは大体2人ぐらい産んでるんです。」

私の周囲で結婚してる人たちを見ても、全員2人以上子供がいます。

みなさんの周りでもそうではないですか?

国家戦略研究
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2011/23webgaiyoh/html/gb1_s2-1.htmlより転載
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国家戦略研究
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上2つのグラフの中で、棒グラフだけに注目してください。

上の棒グラフは、出生数です。

下の棒グラフは、婚姻件数です。

おおざっぱですが、婚姻件数が増えると出生数も増え、婚姻件数が減ると出生数も減る、

という関係になっています。

森永さんの言うとおり、”少子化の原因は結婚の件数が減っていること”

だと言ってよいでしょう。

つまり、

”少子化の解決のためには、婚姻件数が増えるよう施策を打つこと”

だと言えるでしょう。


ところで、森永さんは別の番組でこう言っていました。

「私のゼミの女子学生に聞いたんです。
 正社員とそうでない人どっちと結婚するか、と。
 全員、正社員がいい、と答えました。」

当然でしょう。

正社員のほうがクビになりにくいし、収入も多いのですから。

私が女性だったら、やはり、正社員のほうがいい、と答えます。


http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2011/23webgaiyoh/html/gb1_s2-1.html

によると、

>>>
子育て世代の所得分布をみると、
30代では、1997(平成9)年には年収が500~699万円の雇用者の割合が最も多かったが、2007(平成19)年には300万円台の雇用者が最も多くなっており、
この10年間で低所得層にシフトしていることがわかる。
>>>
第1-2-14図 子育て世代の所得分布
収入階級別雇用者構成(30代)
国家戦略研究
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確実に、低所得者層が増えているのです。

その原因はこれでしょう。
国家戦略研究
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若者の非正規雇用割合の増加が顕著ですが、

全年齢でも、91年から2007年まで、非正規雇用の割合が増えています。

低所得者が増えたのは、非正規雇用者が増えたからです。


国家戦略研究
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http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2011/23webgaiyoh/html/gb1_s2-1.htmlより転載

上のグラフは、

正社員、非典型雇用(非正規雇用と同じと思ってください)、

非典型雇用のうち「周辺フリーター」、無業

の4つの雇用形態の人々の中で結婚している人がどのくらいいるかというグラフです。
(男性のみです)
(グラフの左側に「非正規雇用割合」と書いてありますが、間違いです
 「結婚している人の割合」だと思ってください)

正社員は20~24歳のときは結婚している人は12.2%しかいませんが、

30~34歳になると59.6%にまで急増します。

”正社員は30過ぎると6割は結婚している”

というところでしょう。

非典型雇用の場合はどうでしょう。

30~34歳でも、30.2%しか結婚していません。

非典型雇用のうち「周辺フリーター」、無業は、もっと低いですね。

”非正規雇用者は、30過ぎても結婚できるのは3割だけ”

という感じでしょう。


以上から言えるのは、

”少子化が進行したのは、結婚の件数が減ったからだ”

”結婚の件数が減ったのは、収入が低くて身分が不安定な非正規雇用者が増えたからだ”

ということになります。


『グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本』 三橋貴明 徳間書店

によると、

>日本の製造業が、とくに小泉政権以降、人件費より配当金という色を強めたのは疑いない。

ということです。

配当金総額および人件費総額の推移
(法人企業統計年報・大企業)(2000年度を100とした場合)
国家戦略研究
http://www.garbagenews.net/archives/990472.htmlより転載
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2002年以降の配当金の増え方が驚くほどです。

ただ、意外なのは、人件費がさほど減っていないということです。

上のグラフを見るかぎり、日本企業は

”人件費を削って、配当に回す”ところまでは、いっていないようです。

ただ、”グローバル市場で勝つため”、

人件費を削って、価格競争力を高め、あがった利益を配当に回したいのではないでしょうか。

だからこそ、『グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本』で三橋さんが言っているように、

経団連、マスコミがこぞって「韓国を見習え」と言っているのではないでしょうか。

しかし、韓国のマネをして、人件費を削ると、

非正規雇用者が、今以上に増え、国民の所得は減ります。

その結果、ますます婚姻件数が減り、少子化は深刻化します。


かつて日本企業は、配当性向が低いことで有名でした。

配当を低く抑えて、その分を設備投資に回すというやり方で成長してきました。

人件費も不当に低く抑えるということはなく、

70年代前半までは上昇傾向にありました。

繰り返しますが、2002年以降の配当金の増え方は異常です。

これを全部とは言いませんが、(日本経済の成長のために設備投資を増やす必要もあるので)

正社員を増やすことに回してほしいのです。

いや、回すべきです。

少子化を問題視するなら、回すべきです。

”少子化が進行したのは、結婚の件数が減ったからだ”

”結婚の件数が減ったのは、収入が低くて身分が不安定な非正規雇用者が増えたからだ”

”少子化の解決のためには、婚姻件数が増えるよう施策を打つことだ”

”婚姻件数を増やすために企業は正社員を増やせ”

”特に大企業は配当金を減らして正社員を雇え(設備投資は減らしちゃだめよ)”

”経団連、ならびに輸出企業は
 安易な手段(人件費を減らして競争力をつけようということ)に走るな”

”派遣の解禁のようなことをしたから、非正規雇用者が増えて婚姻件数が減って、
 少子化が進行したのだ”

”少子化を問題視するなら、人件費を抑制して競争力をつけようなどと考えるな”

”少子化を問題視するなら、日本より少子化が進んでいる韓国を見習うな”

”政治家は経団連などの要求(派遣労働の解禁など)は無視しろ”

”政府は、企業が正社員を雇いやすくなるような施策を打て”

長くなりましたが、まとめると以上のようなことです。

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