豪州、対中国共同防空網参加に意欲? | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

『軍事帝国 中国の最終目的』 杉山徹宗 祥伝社黄金文庫

からの引用です。

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中国の核の脅威に対して、究極のところ米軍はあてにならず、
頼みのMDも100パーセントではないとすると、ほかに打つ手はないのだろうか。

かつてのレーガン大統領が提案し、88年から始めて93年に終了した
SDI(戦略防衛構想)の復活である。

日本が主体的に新SDIを始めれば、コストは確かにかかるが、
開発段階で得られる先端技術で、日本企業が恩恵を被ることができる。

もしもオーストラリアやカナダなどが参加を希望する場合には、ぜひ参加してもらうべきであろう。
筆者と議論したオーストラリア国防大学の教授たちは、
日本がもし新SDIを進めるならば、オーストラリアもぜひ参加して、費用と技術の負担をし、
その成果も公平に分配してもらいたいと述べている。
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国家戦略研究
日本が開発中のBMD
http://www.mod.go.jp/j/approach/defense/bmd/index.htmlより転載

この本が出版されたのは、2005年で、

日本がBMDのミサイル迎撃実験に成功したのは2007年です。

よって、MDに対して否定的な書き方をしています。

もともとBMDは、技術的に非常に難しいと言われていたので、

筆者の杉山さんが否定的に考えるのは当然だと思います。

迎撃実験に成功したとはいえ、中国、ロシア、北朝鮮のミサイルを完全に防ぐには、

相当な数の迎撃ミサイルを配備しなければなりません。

そこで私は『対中国共同防空網』という記事で、

いろいろな国が共同で、迎撃ミサイルを運用するシステムを作ったらどうか、

と提案しました。


杉山さんが言及したSDIに関しての動画があるので、ご覧ください。


SDIは、レーザーやビーム兵器を使うことから、”スターウォーズ計画”などと呼ばれました。

動画にあるように、アメリカが進めていたSDIは頓挫しましたが、

計画が中止された1993年より技術は進歩しています。

『軍事帝国 中国の最終目的』の中で、杉山さんも言っていますが、

ミサイル発射直後から上昇していく”ブースト段階”といわれる時点で、

ミサイルを破壊するシステムの研究はやるべきでしょう。

(日本が進めているBMDでは、上に掲載した図でわかるように、
 ブースト段階の迎撃は含まれていません)



・オーストラリアは”新SDI”に興味をもっている

・日本のBMDは、ミサイル迎撃実験に成功している

この2つを考え合わせれば、オーストラリアが対中国共同防空網に参加することは十分ありえます。

共同防空網は、単に敵の弾道ミサイルを迎撃するだけではありません。

報復手段を共同でもつことも含まれています。

↓これがその報復手段です。


このミサイルなら、核弾頭を装備していませんから、

NPT(核拡散防止条約)に抵触することもありません。

動画にあるように、アメリカから核攻撃を受けることもありません。

日本だけでCSMをもつとすると、国土が狭いので、あまりたくさんもてません。

オーストラリアが参加するなら、広大な国土に多数のCSMを配備できます。

日本に弾道ミサイルを撃ち込んでも、まず、迎撃ミサイルによって、かなりの確率で撃ち落とされるし、

日本からもオーストラリアからも多数の報復のミサイルが飛んでくる、

となれば、かなりの抑止効果になるでしょう。

オーストラリアだけでなく、ASEAN、モンゴル、

カザフスタン、キルギス、ウズベキスタン、トルクメニスタン、アフガニスタン、タジキスタン、

イラン、トルコ(中国から分離独立後の満洲、東トルキスタン、チベット、台湾も含む)

など、中国やロシアに脅威を感じていて、核兵器を持つことが難しい国は、

みな参加したがるのではないでしょうか。

(インド、パキスタンも参加を希望するなら当然加入を認めるべきです)


”共同防空網”は、言わば”外からの牽制”です。

中国、ロシアの軍事的脅威に対して共同で牽制しつつ、

中国の内部分裂を図り、中国を”無害化”する。

共同防空網と親日回廊工作はセットで進めるべきなのです。


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