はじまり
幾重もの遮り
けれどあの音は私に透り
遠くなり 近くなる
揺れているようで
真っ直ぐなようで
時を食べては私を覆い
丸くなり 色を帯び
私の中で燻りながら
気がつくと 手のひらは
その核を掴んでいる
けれどそれはちりぢりとし
いつの間にか 跡形もなく
掴んだことさえも
幻ではないかと
私の心に雨を降らす
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