不定期更新真っ最中のUNDER GROUNDですw


しばらく空いちゃったし…


覚えてない方、初読みの方はこちらから読んで頂けたらm(_ _ )m


UNDER GROUND1~夜から始まる~ 


UNDER GROUND2~朝焼けに間に合わない~


UNDER GROUND3~昼休みはまだか?~


UNDER GROUND4~昼過ぎの憂鬱~





窓をあけると吹き込んでくる夏の風。


あんたの夏の思い出はなんだい??


可愛いギャルと海に行った夏かい?


それとも部活や仕事に明け暮れた夏かい?


どっちにせよ…


夏が終わり日焼けした皮膚が生え替わる事には、

みんな一回り成長してるんだ。


よく言うじゃん。


夏休みでクラスの女子が急に大人になったって。


…うん?


俺の夏の思い出?


そんなの決まってるよ。


パチ屋の開店待ちが暑くて死にそうだったって事だよ。




空回りのスロット~UNDERGROUND5~


「夕日と共に沈む」




初当たりは1400G越え。


そしてさらに追い金。


「このままじゃ負けるんじゃねーの?」


そう思いながらも俺はただレバーを叩いた。


鈴木から言われたできるだけは回してくれ。


それをただ犬のように守ってれば誰からも文句は言われない。


何も考えずに回せばいい。


そんな事を考えてると850G台のゾーンで障子が閉まった。


G数的にはモードBの濃い場所。


前回が初当たりだから変更してたら当然モードA。


それなら今は…。


次ゲームで高確ならしまったままの障子が開いた。


そして…


画面には鷹狩りに興じる殿の姿が。


ホールにひびき渡る鷹狩りの音。


横の台から、後ろの島から絶えず視線を感じる。


「…はずれちまえ。」


誰かのそんな心の声が聞こえる。


そんな他の客の思惑とは逆に鷹狩りに投入して数G後、

左リールのスベリと共にボーナスは確定した。


揃ったのはBIG。


世界で一番美しい透過光の青。


当然選ぶは爺BIG。


一体何人のスロッターが爺に夢をたくしてレバーを叩いたんだろう?


俺もいつもは必死にレバーを叩いた。


でも今日は何も考えず死んだ魚のようにレバーを叩いていた。


「どーせいくら出ても俺には関係ねーし…。」


「くだらねぇ…。」



キーン!!



突然の甲高い音に思わず体が反応してしまう。


右リールに2連7を狙い、中リールにも7を。


次は左にも2連7を。


そして…


世界で一番美しい青7は斜めと平行で交差した。


1G連2回確定。


枚数にしたら1422枚。


さらに鷹狩り経由なんで次回は天国。


液晶のハワイを見ながら誰に聞こえるでもなく俺はつぶやいた。


「こんな時は引くんだな…。」


吸っていたセブンスターの火を消し、俺はドル箱を手に取った。




太陽が沈み夜がやってきた頃、鈴木から電話がかかってきた。


「切りが良いところで上がれ」


それと良く出してくれたなぁと、嬉しくもないお褒めの言葉を頂いた。


別に出したくて出した訳でもねーよ。


そんな事を思いながらも流したコインの枚数は一万枚を超えていた。


スロッター最高の瞬間。


自信でも吉宗初の万枚。


なのに…



なのに…



何でこんなに虚しいんだ??


パネルの姫の笑顔が無償に苛つく。


「アナタはナニヲシテルノ?ナニヲシタイノ?」


何処からか聞こえるそんな声。


俺が何をしてるかって??


…知るかよ。


俺が聞きたいぐらいだ。


確実なのは俺に未来なんてねーって事だけだろ?


今日、金を得ても借金総額から考えれば雀の涙。


その場しのぎにしかすぎねぇ。


たとえ月に5万返済しても元金は数千円しか減らない。


何時までたっても終わらないロードランナーの借金返済。


繰り返す行為はまるでマゾ。


んな事は分かってる…分かってるんだ…。


ギュと下唇を噛みしめながら、

換金を終えた俺は鈴木の待つ駐車場へと向かった。



朝、車を止めた場所に戻ると待ってい鈴木はすでに待っていた。


「FREE君、よー出してくれだが!!万枚いったろアレ??」


「はぁ…まぁ…」


苦笑いを浮かべ金を鈴木に手渡すと鈴木はいった。


「…投資金額と枚数しっかりりメモっとるか??」


携帯でとったメモを鈴木にみせ大丈夫ですと答えると、

鈴木はこうつぶやいた。


「後でかいて上や店の奴に報告せんとおえんけんなぁ。」


こんな事でも上司に報告する必要がある。


結局、世の中は縦社会って事なのか?


「今日は稼ぎましたよ社長!!だから俺の給料も少し…」


そんな事をいいながらスーツにネクタイのサラリーマン風の鈴木を想像すると…


俺は無性におかしくなった。


パチ屋への不正行為の持ちかけもある種の営業みたいなものなのかもな。


ふと遠くを見つめると南国を打ってたガキ二人も帰ってきたようだった。


これでよーやく帰れる。


俺の時と同じく鈴木はガキ共から投資と収支。


ヤメたG数を聞いてるようだった。



空を見上げると雲の隙間から月がでてた。


吹き付ける夏の風が気持ちいい。


後は金を貰って帰るだけか…。


そんな事を思いながらペットボトルのコーラを飲んでると…


鈴木が不快感をこめガキ共にこういった。


「お前等、なんしてんの??」



…OK。狂った夜はまだ続いてる。


月はいつの間にか雲にかくれていた。



夜中に続く。


★当記事は事実を元にしたフィクションのようなそうで無いような…。


次回で終わり予定ですw