いや~GW暇ですよねw


てか、もーすぐブログ開設して一年なんですよね^^;


そんな事もありまして久しぶりに読み物でも書いてみようかなと。


一応4~5話になる予定です。


舞台は俺がスロ返済にはいる前のブログなんて言葉を知らなかった頃。


まだまだ借金まみれだった頃のお話です。


そして…


腐ってた時期でした。


正直、記事をUPしようか迷いました…。


幻滅される方もいるかもしれませんが、

格好いいことばっかじゃないんですよ。


何故かやっかい事や知らなくて良いことが舞い込みやすい性分ですしね…。

でわGW中の暇つぶしにでもどーぞ♪


空回りのスロットUNDER GROUND。





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「あいつサクラじゃけぇのう!!」


ホールに通ってたら一度は耳にするこんな言葉。


大抵は妄想癖のあるおっちゃんの只の戯言。


だいたい、そう思うならホールに来るなよって言いたいしね。


そこまでしてあんたがホールに通う義理もないんじゃねーのって?


ただ…


中には本当のサクラもいるのは確か。


4月の頭に美しく咲く桜じゃなくて…


ホールで煙草の煙と人の欲望を吸って生きてるサクラが。


咲く花の色はピンクじゃなくてドスグロい黒。


誰もが知りたいと思うけど、別に知ってもなんの得もない。


これは、そんなお話。




空回りのスロット~UNDER GROUND~


第1話 「始まりは夜」



プルルルルルルル…


プルルルルルルル…


プルルルルルルル…


深夜の電話は何時だって不吉な事の始まりなんだ。


それでも、現代人の悲しいサガなのか

俺の手はベット脇の携帯電話へと伸びていた。


勿論、発信者が消費者金融じゃないのを確認してからだけどね。


「…もしもし」


「あっ!FREE君起きてた?」


電話の相手は奈美。


酒やけしたハスキーな声は残念だけど、

クリッとした大きな目にほどよい肉付きの体。


クルッとカールした髪の毛がいかにも夜働いてますって感じ。


どちらかというと美人て部類に入るんだろうけど…。


ちょっとぬるめな頭が俺的にはマイナスポイント。


チラッと時計をみると今の時間は午前2時過ぎ。


きっと仕事が終わってメシでもいかないか?ってお誘いなんだろうな。


残念な事にそっから先に進ましてくれないのは、頭が痛い所。


「起きてたけど…どしたん?」


俺はセブンスターに火をつけながらそう返した。


どーせ、メシの誘いだろうなって思ってた俺の期待を裏切って、

奈美は言葉を続けた。


「…FREE君ってスロット上手かったよね??」


スロット…。


借金はあるけど種銭のない俺には今や遠い存在。


紫色の煙を吐きながら俺は答えた。


「…まぁ普通には打てるけど。」


「良かった!!」


「あのね…お客さんで鈴木さんって人がいるんだけど、

その人がスロット打てる人探してるみたいなの…。」


「良かったらFREE君バイトしたら?ただ、今日の朝集合なんだけど…」


さらに奈美は言葉を続けた。


これがTV電話だったら俺の訝しげな表情に焦ってるんだろうな。


「なんかイベントで打ってくれる人さがしててお金も出るみたいなの…」


「本当、急な話じゃとは思うんだけど…」


ほっといたら永遠に喋りそうな奈美の会話を遮って俺は聞いた。


「急な話じゃな…イベントで代打ちのバイトせん?って事??」


「…多分そう思う。怖い人とかじゃないし。バイト代でるし…」


バイト代でるし、その言葉が頭ん中を駆けめぐった。


次の支払いは一週間後…。


現時点では、支払うお金なんて用意できてない。


派遣の給料の振り込みまでは後2週間もある。



また誰かから借りるのか?


それともまた何かを売るのか?


借りる?誰にだ??


売る?何をだ??



一体、俺の回りには何があるっていうんだ。


お気に入りのレコードもレアなバンズの靴も、ターンテーブルも

金目のものなんてもはや何も存在しない。


そして、金を貸してくれる奴なんて誰もいない。


そんな事は最初から分かってた。


最初から分かってて今日も俺は1人でこの部屋にいたんだ。


夢を見ることもなく半分寝たままこの部屋にいたんだ。


理想論や安心なんて言葉は余裕のある奴のもんだ。


なら…


「…もしもし?FREE君きいてる?」


俺は短くなった煙草を灰皿に押し当てながら答えた。



「で、何時集合なん??」



朝に続く。



★当記事は事実を元にしたフィクションのようなそうで無いような…。