写真詩で綴る、失われた自分を探す物語。全16回の予定です。
ストーリーを意識しているので、第一回 から順に見て頂けると嬉しいです。
目次が第一回 にあります。
『流れ込む夏のかたち』
第三章 消息
詩 「旗」
足に絡む砂が重たくて
冷たい浜辺に腰をおろした午後
胸の底に響く波の音
私はここに思い出を捨てに来た
何よりも大切な思い出を
風に飛ばせる気がして
赤い旗が立てられて
一人
傷つくことを知らない海を感じたくて
差し出す想いを打ち砕いて欲しくて
見つめ続ける高波の行方
私はここに無心を求めに来た
赤い旗がブルーグレーの空を掻き乱して
激しく揺れる
繰り返すしぶきに光を見たくて
光を見たくて
大切なものがにじむほどに強い光を
なおも思い出は戯れて激しく揺れる
DANGEROUS
旗に書かれた白い文字
私はここに大切な思い出を確かめに来たのか
果てしない空 海
たった一つのものを愛し続けた 心
かっぱぶいこ
ポチッとお願いします