JR豊肥本線、南阿蘇鉄道の鉄路での復旧を呼びかけていきます! | 鉄道マンたしろかおるのナイショ話

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元山手線運転士・元参議院議員 たしろかおる の鉄道ブログです。

元山手線運転士で、現在は参議院議員の たしろかおる です。


今回は、私の公式フェイスブックページでも報告した、地震で被災した鉄道の視察報告をします。


たしろかおる の公式フェイスブックページはこちら



5月7日より熊本に入り、被災地を視察させていただきました。


霧の熊本空港に降り立ち、大きな被災を受けている益城町の現地視察を行いました。益城町に住むJRの先輩には、自ら被災したにも関わらず必死に町内の激震地域、町役場、社協のボランティアセンターなどを案内していただきました。




活断層直下での断層のズレによる激震の後の、破壊力の強大さと底知れない恐怖を実感させられました。改めて、被災者の皆様にお見舞いを申し上げると共に、犠牲になられた方々のご冥福をご祈念いたします。


「洋服ダンスや茶箪笥などの天井や壁に固定する地震対策は通用しない。寝室は、倒れる物の無い部屋でないと身を守れない」との、先輩の実感のこもった言葉は教訓にしなければなりません。



JR豊肥線の崩落現場も目指しましたが、2km手前くらいで立ち入り禁止でした。直近のJRと南阿蘇鉄道の乗り入れる立野駅に寄ってみました。





ホームの先端部分が脱落していました。南阿蘇鉄道もふくめ、地域の足であり、観光資源でもある貴重な地方ローカル線が自然災害をきっかけに廃線になってはいけません。


私は、豊肥本線や南阿蘇鉄道同様に震災で被災した三陸沿岸の路線、豪雨により被災した只見線の鉄路での復旧を、国政の場でも訴えてきました。


只見線の記事についてはこちら


私は参議院議員になるまでは、鉄道マンとしての視点で、仲間の働く場を残すということで、鉄道の存続を訴えることはありました。しかし、それは鉄路の本当の価値を理解した上での行動ではありませんでした。


しかし、参議院議員になり、東日本大震災を経験し、鉄路の復旧のために奔走している中で、多くの方とお会いし、お話を聴く機会に恵まれました。その中で私は鉄路の真の価値を知りました。


鉄路での復旧に際し、どうしても前面に出てしまうのが採算性の問題です。しかし、鉄路の真の価値は、採算性を見ているだけではわからない、地域にもたらす大きな効果がたくさんあるということです。


頼りになる地域の足であるということが、将来のあらゆる発展可能性を開拓するという効果。各地のローカル線で成功している観光資源としての効果。鉄道があることによって、地価をはじめとする地域の様々な資産的価値を向上させる効果。さらに災害対策にも大きな効果を発揮することは、東日本大震災で証明されました。これらの効果はその路線独自の採算性を見ているだけでは気づきません。


東日本大震災での鉄路の活躍についてはこちら


実際「自然と人間」という月刊誌で東北の鉄道模型の会の皆さんと対談した際、ある第三セクターの路線が、沿線自治体の赤字補てんにお金がかかりすぎるという理由で廃止されたところ、沿線の地価が下落して税収が減少。結局、沿線自治体の収支がプラスマイナスゼロになったというお話も聞きました。


豊肥本線や南阿蘇鉄道も、震災前は観光列車が運行されていました。それだけでも、沿線への波及効果は大きいと思います。さらに、震災復旧、復興を進める上でも、鉄路の復旧を進め、鉄路がもたらす様々な効果を最大限活用することが必要です。


今回、被災地の実情について、現場に立ち、自分の眼で確認し、そのことを実感しました。現場でお会いした皆さんの想い、現場に立って私が感じたことを胸に、鉄道マンの一人として、参議院議員として、いまだに不通となっている豊肥本線や南阿蘇鉄道の鉄路での復旧を呼びかけていきます!



今回もご覧いただき、ありがとうございました。



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