Quatsch!のコーナーです。
先日、「高校生の英語力」ということで、こんなニュースが出ていました。
高3の英語力、中卒級=「書く、話す」に課題—文科省
http://news.biglobe.ne.jp/domestic/0317/jj_150317_4917252426.html
文部科学省が、国公立高校の480校(国公立高校の約1割)を抽出して、
その高3生の「読む」「書く」「聞く」「話す」の英語の4技能をテストして、
その結果の速報値が出てきたわけです。
なんと…
9割弱が欧州評議会の基準だとA1相当だとのこと。
文部科学省の基準によると、「A1=中卒相当」とのことですから、
この結果に対して、お役人の皆様はさぞ落胆されたことかと思います。
しかし、私はそれほど驚きませんでした。
というのも、私の肌感覚とそれほど変わりがなかったからです。
どういうことかと言うと、実は2か月くらい前に、そんな記事を書いていたんですね。
言葉を操るということ
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11981595371.html
「文章を組む」ということを日本語ですらやっていないのに、
英語で「書く」「話す」ことができるわけがないのです。
記事をよく見てみると、
「読む」「聞く」=25%程度がA2以上の英語力
「書く」「話す」=10%程度がA2以上の英語力
ということみたいです。
(A2相当:日常生活の意思疎通は十分にできるレベル)
また、留学・ビジネスに必要なレベル(B2相当:専門的な内容を意思疎通できるレベル)の英語力を身につけたいと言っている高校生が14%程度ということであれば、「書く」「話す」で見てもA2相当以上が10%程度だという数字は妥当な結果のように思います。
英語力を身につけたいと言っている高校生が14%程度という結果自体にも、文部科学省は落胆しているのかもしれません。
しかし、よく考えてみてください、日本語で十分意思疎通が成り立つこの国の環境で、この14%という数字は十分な数字かと思います。
(「べき論」を抜きにすれば…)
そんなことよりも、
1:英語を学ぶ意志のある14%の英語力を伸ばし切れていないこと
2:「読む」「聞く」と「書く」「話す」の間にある15%の差が生まれていること
3:「英語」嫌いを58%も生み出していること
の3点に注目して、その点の改善に努めるべきではないのか、と私は思うのです。
1と2については、
・ちゃんと文を作る練習をする
・その作った文を読む練習をする
…ということを意識付けするだけでも、状況が変わるように思うのです。
例えば、文法の穴埋め問題があったりしますが、
それを解く際にも、文の形で書かせるように意識付けできているのでしょうか?
例えば…
英語:Never put ( off ) till tomorrow what you can do today.
ドイツ語:Alex spielt Gitarre ( auf ) der Straße.
という問題があったとして、ここに当てはまる単語だけ書くのではなく、
この問題文を丸ごと書いているのでしょうか?
あるいは、
単語帳やら文法問題集を電車・バスの中で開いている学生は見かけますが、
自宅など声を出せる環境で例文を音読している…という学生はほとんど聞きません。
「話す」ということに注目しても、A1相当の話で言えば、
例えば、英語だったら、
「誰が(S)」「どうする(V)」「何を(O)」
Sakura drinks tea every day.
と言う形、
例えば、ドイツ語だったら、
「誰が(主格Nom.)」「どうする」「何を(対格Akk.)」
Sakura trinkt Tee jeden Tag.
といった基本的な形を音読するなどして、口をついて出るレベルまでやっているのでしょうか?
これらのことは、指導として今すぐでも変えられることですし、
外国語を学ぶ皆様も、是非やって欲しいことです。
3については、ちょっと手がかかる話ですが、
習熟度別にクラス分けすることは最低限必要だと思います。
というのは、「全員同じ習熟度を目指す」という建前は、実際には無理だという現実を認めるべきです。
今のままのカリキュラムでは、できない人にとっても意味のない苦痛ですし、(少ない層とはいえ)授業内容では簡単すぎると感じている人にとっても苦痛でしかないのですから。
今日は、これにて。
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http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11528446169.html
次回:2015/3/29 予定
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http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11992670896.html
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