「我が闘争」が、2016年1月に再度出版 【Mein Kampf】 | Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

Kazuのかんたんドイツ語 【文法・語法・会話】

ドイツ語は難しい?いえいえ、実は英語よりも簡単です。挨拶・発音・数字から、ドイツ語を簡単に分かりやすく解説します。単語の増やし方、動詞・前置詞の格支配や名詞の性の学び方も解説していきます。マルチリンガルの私が、外国語一般の学習方法についても紹介します。

Quatsch!のコーナーです。


そろそろ出版されるだろうな…と思っていたのですが、
どうやら来年あたりにありそうです。

最終的にSZ(Süddeutsche Zeitung)で確認しましたが、
どうやら、ヒトラーの「我が闘争」(Mein Kampf)が2016年1月に再出版されるようです

"Mein Kampf"-Ausgabe soll 2016 erscheinen
http://www.sueddeutsche.de/bayern/kommentiertes-hitler-buch-mein-kampf-ausgabe-soll-erscheinen-1.2359700



この記事の文章については、後日扱うとして…


実は、「研究目的」で「我が闘争」を再出版しようという話は数年前からあったのですが、
今年限りでバイエルン州が持っていた版権が切れるために、
再出版の運びとなったようです。


このヒトラーの「我が闘争」ですが、
ご存じない方もいらっしゃるかも知れませんので簡単に説明すると、
ヒトラーの自叙伝で、かつ、彼の人種差別的な「政治思想」を書いた本です。


…というのが、模範解答的な説明です。

でも、あの本に書いてあるのは、「思想」と言うより、「妄想」と言った方が適切かも知れません。

言い方は悪いですが、
たちの悪い「中二病」に罹患したヒトラーが「人種主義的な世界観」に浸った「妄想」を連ねた本です。


しかし、
その「妄想」が、あながち彼一人の「狂気」でない所が、
怖い所であったりする
のです。


今でこそ、表向きはどの国も「人種差別」自体には、眉を顰めますが、
20世紀前半では、「人種差別主義」的な考え方自体は、残念ながら欧州内各地で見られていた現象でした。

まして世の中が行き詰っている状況であれば、
こういった「狂気」が表になっても不思議ではありません。

そのため、こんな「妄想」が広まってナチズムが台頭した理由が、
戦後になって大きな研究テーマになりえたのです。



そのため、今回の出版については、
大量の学術的な注釈が付けられることになっていますし、
ドイツ政府も学術的な注釈抜きで出版することは、2016年以降も禁じるようです。



出版までも紆余曲折がありました。

「ナチズム」の再来を危惧して、出版をしてこなかった過去がありましたし、
今回もそれを理由に、議論が起こっていた部分もあります。


が、議論のために出版されること自体は、
別にいいことだと個人的には思っています。

むしろ、いつまでもタブー視し続けることの方が、
結局解決に向かわないため、良いことだとは決して思いません。



日本語訳は持っていましたが、
来年にはなりますが、ドイツ語の元原稿も見てみたいと画策中です。


今日はこれにて。


<リンク>
Quatsch! バックナンバーはコチラ。
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11528446169.html

次回:高3の英語力が中学卒業相当? 対策は?
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-12004687500.html

前回:元々、言葉を話す時は、「イメージ」を持っているのでは?
http://ameblo.jp/kantan-doitsugo/entry-11990304668.html



<下のバナーをクリックして、応援をお願いします。>
にほんブログ村 外国語ブログ ドイツ語へ にほんブログ村 外国語ブログ 語学学習法へ  


読者登録してね ペタしてね