『今、観光まちづくりが求められるこれだけの理由』① | 関西観光応援団

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藻谷浩介氏の講演『今、観光まちづくりが求められるこれだけの理由』をお聴きした。
刺激的な講演だったので時間は立つ(7/3)がご紹介したい。
 
冒頭、『昨年、日本の国際収支は第2次石油ショック以来の31年ぶりの貿易赤字となった。震災、超円高、ユーロショックと続く激震のなか、貿易収支を再び黒字にする方策とは何か?』 最も問題の本質に対応した策を一つだけ選びなさいとの設問から始まった。

①技術開発の徹底支援で輸出競争力を回復する。
②あらゆる手だてを使って為替を円安に誘導する。
③人件費などのコストを究極レベルまで削減する。
④(家庭用電力料金を上げ)節電、省エネを進める。

日本の貿易収支は、バブルがはじけた後も、リーマンショックの後も、激しい落ち込みには見舞われたが、赤字に転落することもなく、大幅に黒字に転じている。
テレビや家電製品こそ、韓国や中国にシェアを奪われつつあるが、部品の輸出は増大した。輸入も増大しているが、もっとも大きいのが原油だ。バブル当時、1バーレル50円を超えれば輸出は成り立たないと言われていたが、少し前には150円に達した。
日本は、世界の価格競争に負けないよう価格を下げる努力をしており、良い工業製品を作るので、アジアを中心に輸出を拡大している。しかし、工業製品を作るため電気=原油を必要とし、コストダウンの努力も原油価格に消えている。すなわち、①技術開発を進め輸出競争力を高めても原油に消える。また、輸出競争力は現在も高いことを改めて認識しなければならない。

②為替が円安になった場合、原油の輸入価格が高騰して工業製品が生産できない。1ドル100円になると、貿易収支で10数兆円の赤字に膨らむ。

③人件費などのコストを究極レベルまで削減するは、さらに国内消費を減少させることとなる。逆に、若者の収入を増やし消費拡大を図らなければならない。

④節電、省エネを進めるは、原油に頼るエネルギー構造は自転車操業の構造となるので脱却しなければならない。
グローバル化により、誰でも作れるモノを作っていては価格競争にさらされるだけである。
原油の使用量が少ない産業の一つが、『観光』であるとの論旨であった。

4回連載となるが、日本の経済に取って何が重要なのか、『観光』が重要な産業となるのは何故かについて藻谷さんの講演の内容を紹介しながら述べたいと思います。