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一昨日の孤立型・受動型・積極奇異型だけではない発達障害、「ほがらか個性派型」がこれからどんどん増えていくという記事に、大きな反響をいただきました。「うちのこもそう!」「うちも!」といった声がたくさん届きました。(その声はまたご紹介しますね)また、「幼少の頃に発達障害である事を診断され、親御さんも熱心に勉強されて、早くから療育を受けて育った発達障害者は、孤立型・受動型・積極奇異型・尊大型とは違う様相を示すという仮設を示したことに、危惧を感じた投稿もいただきました。今日はこのあたりを整理してみたいと考えています。

その危惧とは、私の一つの仮説は、
親学を推進する人たちにとって、
都合の良い口実を与えてしまうのではないか・・・というものでした。

まず最初に結論を申し上げるなら、
僕の考える早期療育や親の勉強は、
世を騒がせている「親学」とは全く違うものです

また
、「発達障害を予防するために親が親になる勉強をさせるべき」
などという論とは、まったく正反対
と言っていいことを、
ここに宣言しておきます。
その理由についてはこれから述べさせていただきます。

また僕は昨日の記事
詳しくはこちらで、
発達障害の概念すら知られていない時代でも、
個性が潰されず、自己否定をためずに、
昨日の「ほがらか個性派型」の記事であげているように、
人懐っこいお人柄の成人の方が育っているという事実
」を書きました。

このことも、
古き良き子育てで、発達障害が予防できたという論に、
 正当性を与えないか
」という危惧をいただきました。

このことに関しては、いろいろと反証・説明したいことがあるのですが、
今日は、
「成人発達障害者に
『ほがらか個性派型』がいるという事実は、
古き良き子育てで、発達障害が予防できたという論に、
正当性を与えないか

に焦点を当てて記事を書きたいと思います。

非常に嬉しいお話です。
ここで僕が記事に書いて大切にしたいことが、このお言葉にも表現されています。
そうした者にも
 やはり「自閉脳」ゆえの困難があるのだということも、
 もっと社会に伝えていきたい
・・・ここです。

ここで僕は一つの論を語ります。
これは世間でよく語られているような
発達障害の基本概念とは少し違うかもしれない論です。

よく発達障害は三つ組の困難を代表的なものとして上げられ、
社会性の困難、コミュニケーションの困難、想像性の困難、
の三つが主たる特性
であるように言われます。
しかし、ぼくはこのことが多くの誤解を生み、
この障害の立場を悪くしていると感じています。

僕の考えでは、
これらは発達障害者から表出される行動であって、
困難の根本原因ではない
んですね。

また、この三つは、
大抵の人に多かれ少なかれ存在する気質とよく似ていて、
それとは程度がまるで違うのに、
「そんなの誰にでもあるよね」と誤解を受ける元凶
だと、
僕は思っています。


例えば、多くの発達障害者に共通する、
身体的な不器用さや協調運動の困難です。
そこそこの運動ができる子でも、
低学年時に縄跳びが全くダメだったりします。
縦笛も苦手な子が多いです。
身体のパーツを連携させて何かをするのが難しいのですね。
前者では、飛ぶと縄をまわすの二つの動きの連動に、
タイミングとそれぞれの強弱調整という脳の働きを必要とします。
縦笛は、息を吹く・指で押さえる(あるいは離す)・
楽譜を見る(眼の動き)・曲をイメージする、
などの連係動作が必要ですが、これが難しいのです。

次に、
シングルタスクの困難です。
同時に二つの事をやることが難しいのです。
例えば、電話で話しながら、
メモを取るのが苦手な人が居ます。
簡単なことのようで、一流大学を出たような人でも、
こんなつまづきを抱えています。

ゼロ百思考も有ります。
何事も極端に考えがちな傾向です。
「すきか、嫌いか」「やるか、辞めるか」「許すか、破談するか」
スケジュールを立てたり、
優先順位をつけるのに困難
があります。
これ何かというと、時間の概念が弱かったり、
それぞれの予定にかかる所要時間を把握するのに苦手が有ります。
また優先順位では、諸事情を考慮して、順番を検討するのに、困難を抱えます。
これらは、抽象概念を形成したり、扱うことへの脳の器質上の困難が、
自閉脳にある事が原因となっているようです。

また、
因果関係・状況把握の把握に困難があります。
「これをこうすると、こうなるかもしれない。
 こうやって置けば、周囲からも、非難までは浴びないだろう。
 安全策としては、あの手段が良さそうだ」
といった、こんな思考が中々苦手です。
物事の関係性や、それぞれが持つ事情の情報収集に
困難があるので、そこを検討して扱うことも難しい
のです。

他にもたくさんあるのですが、今日の例示としてはこのくらいとさせていただきます。
これらは、外見からは中々見え難いものばかりですが、
発達障害者の行動や思考を大きくしばっています。
そして、こうした特長は、療育によって解消するのはは難しく、
時間をかけた成長の中で、幾分かが克服できる程度です。
つまり、
発達障害者の努力だけでは、中々乗り越えられない特徴や器質なのです。


【「ほがらか個性派」への成長の先に必要な、理解と配慮・支援】
さて、本日の締めの論に入ります。
発達障害者は、周囲の理解ある関わりや適切な療育で、
発達障害者は「ほがらか個性派型」という本来の人格を、
捻じ曲げられずに育つ可能性を持っている
と、僕は思って言います。

しかし
その成長は親だけの努力で得られるものではないし、
発達障害児の子育ての大変さを
乗り越えられるものではない
と考えていいます。

そして、もっと大切なのが、
こうした人間成長ができた発達障害者であっても、
今日書いたようなたくさんの内的な困難は抱えたまま
なのです。
あえて言うならば、精神的に幾分か安定していられる時期は、
こうした特性の悪い面が、比較的表に出てこないというのはあるでしょう。
しかし、彼らはこうした内的な困難を日々抱えていて、
自分達の努力だけでは社会適応が難しいし、
青年期であっても、成人した後であって、
やはり配慮と理解の中で、ようやく社会適応がかなうということなのでようね。

この実態に眼を向けず、もしくは余り知らない状態で、
発達障害者へのあたたかい関わりが人間成長を促進する事ばかりに眼を向けると、
「いないないばぁや高い高いで、発達障害は予防できる」というような、
おかしな論が生まれてしまうのだと、僕は考えています。
その先にある、もっと重篤な内的困難に対する配慮が抜け落ちれば、
結局、当事者さんも親も、理解のない社会で孤立して困ってしまう
のだと、
僕は考えているのです。

今日は、
「成人発達障害者に
『ほがらか個性派型』がいるという事実は、
古き良き子育てで、発達障害が予防できたという論に、
正当性を与えないか

・・・と言う危惧に対して、僕の考えを記事にしてみました。

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