データ作成上の注意点(オーバープリント・リッチブラックの設定のご注意)
今日は、オーバープリントとリッチブラックの設定でのご注意点です。
【オーバープリント】とは?
弊社の印刷工程では、基本的に「ブラックオーバープリント」の処理を行います。
印刷機上では紙の収縮等により見当ズレ(CMYKインクの微妙なズレ)が発生する場合があり、
罫線や細かい文字など若干ズレて印刷されてしまう事があります。
特にK100%の罫線や文字は白い隙間が目立つので、K100%のオブジェクトのみを
下のオブジェクトに対して上にのせた状態にします。
この「ブラックオーバープリント」の処理により、K100%のオブジェクトの回りの白い隙間は目立たなくなります。
「ブラックオーバープリント」処理をしない方が良い場合もあります。
下記の「リッチブラックについて」をお読み下さい。
【リッチブラック】について
K100%は下地の色が完全に見えなくならないため、下にあるオブジェクトが若干透けて見えてしまいます。
そのため、広い面積の場合や重なりあったオブジェクト(イラスト等)は、下地の色が目立つ事があり、
下地が見えない工夫をする必要があります。
回避方法としては、K100%に他の色を1%ずつでも混ぜると「ブラックオーバープリント」の処理は
されませんので、ほぼK100%の色で印刷され下地の色は目立たなくなります。
K100%のみでは濃度が足りない場合、「リッチブラック」にすることで黒をより黒く出来ますが、
その場合のカラー設定に注意が必要です。
<リッチブラックの注意点>
Kが100%として、CMYKの総量が320%を超えないようにして下さい。
これは印刷の問題で、例えばCMYK全て100%の総量400%のデータで印刷した場合、
インクの乾きが非常に悪く、紙の収縮が激しくなったりインクが裏写りしたりするため
印刷品質に問題が起こります。
「リッチブラック」を罫線や文字部分で使うと、紙の収縮等により見当ズレが起こると
K100%以外の色がずれて見えてしまいます。どうしても必要な部分のみ設定をして下さい。
RGBで作られたデータをCMYKに変換すると「リッチブラック」と同じような設定になります。
モニタ上ではK100%に見えても実際はCMYKに色が入っています。そのまま1色で印刷すると
濃度が足りない印刷物になります。
グレースケールに変換すると正常なカラー設定に戻る場合がほとんどですが、
この場合の意図したものでは無い「リッチブラック」の設定には十分注意して下さい。
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「オーバープリント」に関するトラブルが非常に多くなっています。
アプリケーション上で、意図していない部分に「オーバープリント」が設定されている場合、
その設定が有効になります。
特に、白いオブジェクトの「オーバープリント」設定は、白抜きにならず透明になり消えてしまいます。
一般的なプリンタの出力では「オーバープリント」の設定がうまく表現出来ない場合がほとんどです。
オーバープリントプレビュー機能を使用してモニタ上で確認し、アプリケーションでの設定に注意して下さい。
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本日は以上です。
長々と最後までお付き合いいただき、お疲れ様でございました。
m(__)m
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