海辺のリア(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

海辺のリア(ネタバレ)

海辺のリア

海辺のリア

2017/日本 上映時間105分
監督・脚本・プロデューサー:小林政広
エグゼクティブプロデューサー:杉田成道
プロデューサー:宮川朋之
アソシエイトプロデューサー:ニック・ウエムラ、塚田洋子
撮影監督:神戸千木
撮影:古屋幸一
録音:小宮元
音響効果:渋谷圭介
美術:鈴木隆之
衣装デザイナー:黒澤和子
ヘアメイク:小泉尚子
編集:金子尚樹
音楽:佐久間順平
演奏:マティアス・ストリングス
助監督:石田和彦
制作担当:棚瀬雅俊
出演:仲代達矢、黒木華、原田美枝子、小林薫、阿部寛
パンフレット:★★★★(1,000円/高いけど、完成台本が載っているパンフは好き)
(あらすじ)
役者として半世紀以上のキャリアを積み、かつては大スターとして映画や舞台で活躍した桑畑兆吉(仲代達矢)。認知症の疑いがある兆吉は、家族に裏切られ、遺書を書かされた挙句、高級老人ホームへと送り込まれる。ある日、その施設から脱走した兆吉は、シルクのパジャマ姿にコートをはおり、スーツケースをひきずり、あてもなく海辺をさまよううちに、娘の伸子(黒木華)と突然の再会を果たす。伸子は兆吉が妻とは別の女に産ませた子だったが、そんな伸子が私生児を産み、それを許せなかった兆吉は、伸子を家から追い出した過去があった。兆吉は再会した伸子に「リア王」の娘であるコーディーリアの幻影を見る。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




60点


※今回の記事は、かなりどうでも良く、つまらない文章がダラッと書かれているので、普通の感想が読みたい方は違うブログに行った方が良いです…。

4月下旬に開催された「タマフル&トップ5&生活は踊るオフ会」にて、映画仲間のエリア48さんから「Blu-rayのお礼」として本作のチケットをもらいましてね。ハッキリ言って、いかにもアクション要素がない作品ということで1ミリも興味がなかったんですが、せっかくの好意を無にするのも悪いなぁと思って、金券屋に売ることは断念(サラリと失礼な文章)。とは言え、いろいろと忙しかったので、6/3からのテアトル新宿での上映はあえてスルーして、7月下旬から公開が始まったシネマ・ジャック&ベティにて、「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣」と勝手な2本立てにして鑑賞してきました。「達矢100パーセント!Σ(°д°;) ヒィ!」とビックリしましたよ。


最近、仕事で横浜へ行くことが増えていて、ジャック&ベティの利用率が上がっているのです。
ジャック&ベティ

劇場では「カメヤ」のパンが販売中ということで…。
カメヤのパンが販売中

「ダンサー、セルゲイ・ポルーニン」を観た後、玉子サンドを買っちゃったのでした。美味しいヨ!(「味っ子」風に)
玉子サンドを買いました


ザッと内容を書いておくと、海辺で撮影した写真集の未公開ショットを交えながら、「グラビア界の黒船」と呼ばれたリア・ディゾンのデビューから「ポイしないで (´Д`;し」発言再来日8年振りに「週刊プレイボーイ」の表紙を飾るまでの軌跡を描いた感動のノンフィクション。ごめんなさい、当時は僕も「コンサートでの結婚&妊娠報告」のニュースをヤレヤレ顔で見ていたけれども、よくよく考えれば、20歳の女の子が単身で来日して、言葉もあまり通じない異国で目まぐるしく働かされる日々を送っていたら、そりゃあ孤独に苛まれることも少なくなかっただろうし、優しくしてくれたスタイリストの男性に心を許してしまうのも仕方なかったのではないだろうかーーなんてウソの文章がつまらないことぐらい、自覚していて。それでも、カエルの背に乗ったサソリがその尻尾でカエルを刺し殺さざるを得なかったように、僕も書かざるを得なかったことはわかってほしい。わかってほしいのです…。


ここまで読んだ人の心境を代弁する素敵な歌を貼っておきますね↓




さて、気を取り直して、あらためて雑に話を書いておくと、かつての映画スターで舞台俳優だった桑畑兆吉(仲代達矢)が認知症になったせいで、財産を取り上げられて老人ホームに入れられたものの、脱走して砂浜をウロウロしていたところ! “兆吉が愛人に産ませた娘”伸子(黒木華)がやってきて延々と恨み節を口にしたり、”兆吉の長女と結婚した弟子”行男(阿部寛)がグダグダしたり、”財産ほしさに兆吉を追い出した長女”の由紀子(原田美枝子)が「オホホホホホ! 川`∀´) オホホホホ!」って感じだったり、由紀子の愛人っぽい謎の運転手(小林薫)がニヤニヤしたりしましてね。最後は、すっかりボケた兆吉が「リア王」のクライマックスを演じてから海の中に入って死にそうになるんですが、伸子が助けて終わってた気がします。


まぁ、こんな感じの映画でございます。
海辺で演じる最後の舞台


「リア王」については、中学生ごろに「アーサー王」みたいなものかと間違えて読んだんですけど(微笑)、「塩のように好き」の長いバージョンといった印象で、僕的にはむしろ「モナ王」の方が好き…というどうでも良い文章。さらに「仲代達矢さん×リア王」と言えば、昔の邦画に疎い僕だってシェイプアップ「乱」ぐらいは頭に浮かぶワケでね。予告編は未見だったんですが、「現代版『リア王』って感じの話なんだろうな (・ε・)」と予想しながら観てみれば、かなり変な映画だったので非常に面食らいました。

「長女にそそのかされて伸子を家から追い出した兆吉が、由紀子に追い出されるも伸子に救われる」という展開はモロに「リア王」ベースなんですけど、本作は登場人物の説明台詞がとにかく多い。ワンカットの長回し&長台詞だらけで、ある意味、舞台っぽいと言える演出は“計算”なのかもしれませんが、その計算が映画として功を奏していたとは全然思えなくて。予算の問題とかいろいろあるんでしょうけど、台詞回しが不自然だから登場人物にあまり感情移入できないし(台詞を言わされてる感があって冷める)、場面が大して変わらないから飽きてくるし、なかなかキツかったんですよね…仲代達矢さん以外は。

なんて言うんですかね、主人公・兆吉は認知症の老人なんですが、仲代達矢さんのメタ的なキャラクターということで(仲代さんに子どもはいないようですけど)、本作には「もしも仲代達矢さんがドリフの神様コントにチャレンジしたらーー?」といった感じの不思議な面白さがあって。その素っ頓狂な言動と表情の愛らしさに呆れながらも笑っちゃうんですよ。そして、ラストに繰り広げられる1人芝居は圧巻のひと言で、もう“仲代達矢さんの魅力”がスパーク状態というか。脳裏に浮かんだのは、藤岡弘、さんが好き勝手に暴れた「仮面ライダー1号」で、あの時と同様に「達矢100パーセント!Σ(°д°;) ヒィ!」と胆が冷えた次第(ただ、藤岡弘、さんが企画段階からガッツリ関わっている分、「仮面ライダー1号」の方が20パーセント上という着地)。


仲代達矢さん、スゴかったなぁ…(しみじみ)。
達矢100パーセント!


その他、「仲代達矢さんがメタ的なキャラを演じたせいで、他の有名な役者さんたちがノイズになってしまった部分もあるのでは?」とか「勘当された娘が救ってくれるラストは、親に都合が良すぎると思いつつ、“過去の愛情の蓄積”があったと考えれば悪くないのかも…」とか思うところはあるんですが、割愛! 正直、退屈な部分は多いながらも、最後に兆吉を救う時の黒木華さんにはちょっとグッときたし、仲代達矢さんには大満足でした (´∀`=) タツヤ ウン十年振りにシェイプアップ「乱」とか観たくなったし、未見の仲代達矢さん主演作もチェックしたくなったし、春日太一さんの著書もスゲーほしくなりましたよ。決して万人にオススメはしませんが、達矢が好きな人は観るといいんじゃないかな(突然の呼び捨て&タメ口)。まぁそんなワケで、チケットをくれたエリア48さん、ありがとうございました m(_ _ )m オシマイ




年金不正受給問題を扱ったという小林政広監督×仲代達矢主演作。ちょっと気になりますな。



黒澤明監督×仲代達矢主演作。久しぶりに観ようかしらん。



スゲー連想した「弘、120パーセント」映画。僕の感想はこんな感じ



一応、貼っておきますね。