ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣(ネタバレ)

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣

原題:Dancer
2016/イギリス、アメリカ 上映時間85分
監督:スティーブン・カンター
製作:ガブリエル・ターナ
製作総指揮:キャロリン・マークス・ブラックウッド、クリスティーン・ランガン、ニコラ・マーティン、キム・トーマス、スティーブ・クーガン、ヘンリー・ノーマル
撮影:マーク・ウルフ、トム・ハーウィッツ、ブラディミール・クルーグ
編集:フェデリコ・ローゼンツビット
音楽:イラン・エシュケリ
出演:セルゲイ・ポルーニン、ガリーナ・ポルーニナ、ウラジミール・ポールニン、ジェイド・ヘイル=クリストフィ、ヴァレンティノ・ズケッティ、サルヴァトーレ・スカルツォ、トニー・ホール、イーゴリ・ゼレンスキー、モニカ・メイソン
パンフレット:★★★★(800円/コラムが充実してるし、劇中の演目解説も面白かった!)
(解説)
バレエ界きっての異端児といわれるダンサー、セルゲイ・ポルーニンを追ったドキュメンタリー。19歳の時、史上最年少で英国ロイヤル・バレエ団のプリンシバルとなったポルーニンは、その圧倒的な存在感と類まれな才能で「ヌレエフの再来」と称されながら、わずか2年後に突如として英国ロイヤル・バレエ団からの退団を発表。そのニュースは世界中を駆けめぐり、彼にまつわる様々な噂が飛び交った。その後、歌手ホージアのグラミー賞ノミネート曲「Take Me To Church」のMV出演で、ポルーニンは再び大きく注目されることに。写真家のデビッド・ラシャベルが監督をつとめてポルーニンが踊ったこのMVはYou Tubeで1700万回以上の再生数を記録し、それまでバレエに関心がなかった人々にもその存在を知らしめた。本人や家族、関係者のインタビューなどを通し、ポルーニンの本当の姿に迫る。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




90点


バレエにはそれほど興味がなく、”ヌレエフの再来”と称賛されたセルゲイ・ポールニンのことも全然知らなかったんですが(汗)、身体能力の高いダンサー自体は好き&特典の特製チケットホルダーが気になったのもあって、前売り券を購入。7月下旬、横浜のシネマ・ジャック&ベティにて、「海辺のリア」と勝手な2本立てにして鑑賞いたしました。見事なドキュメンタリーでしたヨ… (iДi) ヨヨヨ...


最近は仕事で横浜に行く機会が増えていて、そこそこ通うようになったジャック&ベティ。
ジャック&ベティ

ふと売店を見たら、「まめやの厚焼きたまごサンド」だと…?
まめやの厚焼きたまごサンド!?

ということで、映画が始まる前に近くの「まめや」に行きまして。昔ながらの珈琲専門店って雰囲気。
まめや

店内には「しあわせの記憶」のポスターと渡辺謙さんの直筆メッセージがありましたよ。
「しあわせの記憶」ポスター

まめやの厚焼きたまごサンド(ピリ辛トマトソース付き)、テイクアウトしちゃいました。
まめやの厚焼きたまごサンド

紙袋のデザインも可愛いじゃあ〜りませんか(突然、チャーリー浜さん風に)。
テイクアウトしました

劇場はシネマ・ジャックの方。僕を含めて観客は10人程度だった記憶。
シネマ・ジャック

で、モリモリと食べながら映画を観たというね (´∀`) オイシー
ピリ辛トマトソースをかけて食べる!

ちなみに「ウィッチ」を観に行った時、新宿武蔵野館にはバレエバーの展示があってビックリ。力が入ってますな〜。
新宿武蔵野館のバレエバー展示

ただ、「木人樁」と同じく、本気の練習はダメだぞ!(o^-')b ダメ、ゼッタイ!
本気の練習はやめて

一応、記事の切り抜きもあったので、貼っておきますね。
記事の切り抜き


ザッと本作のあらすじを書いておくと、1989年にウクライナで生まれたセルゲイったら、どの角度から見ても才能に溢れていたので、4歳から体操教室に通い始めて、9歳からキエフ国立バレエ学校に入学し、13歳で英国ロイヤル・バレエスクールに入るというエリートコースまっしぐら状態だったんですが、しかし。19歳でロイヤル・バレエの史上最年少プリンシバルになったにもかかわらず、3年後には電撃退団。ロシアに行ったりと“自分探し”をするも、やっぱり嫌になったので引退を決めて、これが最後とMV「Take Me to Church」を撮影したら、大ブレイクしましてね(再生回数2000万回突破)。家族とも和解して、「落ち込んだりもしたけれど、私は元気です ( ´_ゝ`)」って感じで終わってたんじゃないかな、確か。


映画のクライマックスでこのMVを撮影するのです。ギャラは断ったそうな。




いや〜、とにかく素晴らしい映画でした…(しみじみ)。残念ながら偏差値が低い僕的には、「ここが映画的に優れている!m9`Д´) ビシッ」なんて見事な批評が書けるワケではなく、「面白かったら〜ん♪ ヘ(゚∀゚*)ノ ホエホエ」程度の小並感溢れる駄文を垂れ流すしかないのですけれども。スゲー雑に書くと「超イケメンで美しい肉体を持つ天才ダンサーの成長と苦悩、そして再生するまで」を“幼いころからの映像”をふんだんに使って見せてまして。なんて言うんですかね、ちょっと連想したのがリチャード・リンクレイター監督の「6才のボクが、大人になるまで。」で、成長する姿を時系列に沿って見せられている分、観客の感情移入もハンパないのです(「こんなに大きくなって… (ノД`)」気分)。今どきの若者って小さいころからビデオカメラや携帯などで動画を撮影されているから、センスのある人がそれらをまとめるだけで“そこそこ良い作品”になりそうな気がするんですが、本作はその被写体が「バレエの天才児」ということで、もう面白くないワケがないんですよね。


こんなに小さくて細かったセルゲイ少年が…。
小さいころ

ここまで成長するなんて…と、すっかり親目線でしたよ (ノД`) リッパニナッテ
成長しました


僕のように心の狭い人間は「天才」という言葉を聞くだけで「ケッ!( ゚д゚)、ペッ」と憎悪をたぎらせがちですけど、人にはそれぞれ事情があって。「ケガをしたらいけないから」と子ども時代に遊べなかったことを悲しんでいたりとか、「自分をバレエ学校に入れるために父親が海外へ出稼ぎ→母親が浮気→一家離散」という状況が心の傷になっていたりとか、度重なる公演で肉体にダメージが蓄積していたりとか(ダンサーはアーティストでありアスリートでもあるんですよね)、何のために踊っているかわからなくなったりとか、涙なくしては観られなくて… (ノω・、) グスン だからこそ、すべてから解放されたかのように踊る「Take Me to Church」のシーンは感動的だったし、その後の公演に初めて両親を呼ぶラストは涙が止まらなかったし、「ハラショー、セルゲイッ!(`Δ´)」と心からエールを送りたくなった次第。


映画鑑賞後の僕の気持ちを代弁する“セルゲイ・タクタロフの師匠”を貼っておきますね(「グラップラー刃牙」より)。
ハラショー、セルゲイッ


その他、「音楽の使い方が良かった!」とか「天才って小さいころからモノが違うんだな…」とか「僕は娘のために海外へ出稼ぎに行けるだろうか…」とか「地元のバレエ教室で先生と再会するシーンが素敵」とか思ったんですが、長くなるので割愛! あらためて書きますけど、「イケメンの鍛え上げられた美麗な肉体が躍動する映像」が観られるだけでも最高な上に「1人の少年の成長譚」としても面白いということで、見事なドキュメンタリーでしたヨ… (iДi) ヨヨヨ... まったく触れませんでしたが、スティーブン・カンター監督は過去に撮った2本のドキュメンタリーのどちらも高評価されているので、この人も十分スゴいんでしょうな(被写体と信頼関係を結ぶのが上手いのでは)。まだ都内でも劇場公開されているので、興味がある方はマジで観に行くと良いザンス。




スティーブン・カンター監督による音楽ドキュメンタリー。評判は良い様子。



ちょっと連想したリチャード・リンクレイター監督作。僕の感想はこんな感じ



ハービー・山口さんによるセルゲイ・ポルーニンの写真集。古本がそこそこ高騰しております。



「不思議の国のアリス」のバレエ版。セルゲイ・ポルーニンが出演しているそうな。