暗黒女子(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

暗黒女子(ネタバレ)

暗黒女子

暗黒女子

2017/日本 上映時間105分
監督:耶雲哉治
原作:秋吉理香子
脚本:岡田麿里
企画・プロデュース:松本整、明石直弓
エグゼクティブプロデューサー:柳迫成彦
プロデューサー:大畑利久
アソシエイトプロデューサー:小松重之、宮城希
ラインプロデューサー:佐藤幹也
撮影:中山光一
照明:松本憲人
録音・整音:竹内久史
美術:松塚隆史
装飾:有村謙志
スタイリスト:櫻井まさえ
ヘアメイク:酒井夢月
編集:日下部元孝
音楽:山下宏明
主題歌:Charisma.com
助監督:北川博康
制作担当:和氣俊之
VFXプロデューサー:赤羽智史
音楽プロデューサー:緑川徹、濱野睦美
出演:清水富美加、飯豊まりえ、清野菜名、玉城ティナ、小島梨里杏、平祐奈、升毅、千葉雄大
パンフレット:★★★☆(540円/コンパクトで値段も安くて、悪くないです)
(あらすじ)
聖母マリア女子高等学院で、経営者の娘にして全校生徒の憧れの存在である白石いつみ(飯豊まりえ)が、校舎の屋上から謎の転落死を遂げた。彼女の手には、なぜかすずらんの花が握られていた。真相が謎に包まれる中、いつみが主宰していた文学サークルの誰かが彼女を殺したという噂が流れる。いつみから文学サークルの会長を引き継いだ親友の澄川小百合(清水富美加)は、「白石いつみの死」をテーマに部員たちが書いた物語を朗読する定例会を開催。部員たちはそれぞれ「犯人」を告発する作品を発表していくが……。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




70点


※この映画は「ミステリー」ということで、ネタバレを知らないで観た方が面白いので、未見の人は読まないで!

「観たい映画の覚え書き」では「△」を付けていたものの、特に観るつもりはなかったんですが、しかし。今年の4月8日、“劇場と一体化する試練”バルト9を実施する際にタイミングが合ったので、新宿三丁目プレスサンドのツナフレークとオリーブマリネを食べてから、3本目として鑑賞いたしました。楽しかったです (´∀`=) イヤーン


シアター7、ほぼ満席でしたよ。
暗黒女子 シアター7


原作小説は「イヤミス」として人気だったそうで、まぁ、確かにそんな話でしたよ(微笑)。あらすじを雑に書くと、舞台はミッション系の女子高、聖母女子高等学院。全校生徒の憧れの的だったいつみが校舎の屋上から転落死しましてね。自殺なのか事故死なのか他殺なのか怪しまれる中、彼女が主催していた文学サークルでは、会長の座を引き継いだ小百合朗読会を開催。闇鍋を食べながら、苦学生の美礼は「先輩を殺したのは、いつみの父親とイチャイチャしていた志夜!m9▽Д▽し ビシッ」、お菓子作りが上手なあかねは「いつみの家から金目の物を盗んでいた美礼が原因だわ ( ̄ー ̄し ニヤッ」、ブルガリアからの留学生のディアナは「お菓子に毒を盛っていたあかねが犯人では… (`Δ´;し ヌゥ」、高校生作家の志夜は「いつみディアナの呪いで死んだのよ… (°д°;し ヒィィ」ってな内容の短編小説を各々朗読するのです。


最初に小説を読むのは美礼で、志夜を告発。
美礼(平祐奈)

2番目のあかねは、美礼を犯人だと指摘。
あかね(小島梨里杏)

3番目のディアナは、あかねが殺したと示唆。
ディアナ(玉城ティナ)

で、4番目の志夜は、ディアナの仕業だと言いだすのでした。
志夜(清野菜名)


ところが、いつみの遺した小説を小百合が読んでみれば、美礼老人相手の援助交際あかね実家の料理屋への放火ディアナ双子の姉エマへの暴行志夜小説のパクリと、4人が脅迫されて服従していたことが判明。しかも、校舎から飛び降りた時点でいつみは死んでいなくて、恋愛関係にあった北条先生との子どもを妊娠→4人が告げ口したせいで出産を父親に反対されたので、死を偽装して駆け落ちしようとしていたんですけれども。ラストは、いつみの親友だった小百合が、「普通の幸せ」に満足げな彼女に失望して殺害したことを告白。その遺体を闇鍋で4人食べさせることで屈服させて、うふふあははと学生生活をエンジョイして、終わってた気がします、確か。


すべてはいつみの手のひらで踊らされていた…と思いきや!
いつみ(飯豊まりえ)

結局、小百合が勝利するというね。
小百合(清水富美加)


なんて言うんですかね、キャスティングと舞台設定の時点でオチまで読めた…というのは、偉そうですかね(苦笑)。でも、そりゃあ誰が見ても清水富美加さん(a.k.a.千眼美子さん)が一番美味しいところを持っていくと考えるのが普通だし、「みんなで闇鍋を食べる」という時点で「人肉とか食わされるんだろうな」なんて、かなりの人が予想済みだったのではないでしょうか。とは言え、僕的にはラスト、「弱みを握られた後の4人は出家させられるのでは? (´Д`;) ハラハラ」なんてハラハラしていたので、そういう方面の予想は外れているのですが…(無闇な深読み)。あと本作では、「戦う君は美しい」「私たちは美しい」なんてナレーションが流れたり、登場人物が「女子高生は一番大事な時期」みたいな台詞を言ったりと、「女子高生」を「女性が人生で一番輝く時期」みたいに扱うんですけど、スムースに頷けないというか。ごめんなさい、今の僕は30〜40代の女性が好みでございます(心底どうでも良い文章)。


どう考えたって、この人が犯人っぽいキャスティングだし…。
この人が殺しました

闇鍋が出てくれば、何かタブーなものを食わせると思うのが人情じゃないですか。
闇鍋

鑑賞中の僕の気持ちを代弁するシコルスキーを貼っておきますね(「バキ」より)。
三角絞めでつかまえて-予想通りだ


ただ、実写版「マリア様がみてる」に90点をつけるようなブログ主ですよ、「ごきげんよう!川`∀´) オホホホホホ」なんて挨拶がデフォルトなお嬢様学校で、女子高生たちが(上辺だけであれ)キャッキャするシーンを見られただけでお腹いっぱい。千葉雄大さん演じる北条先生がいつみに手を出した時は「てめぇ、教師のくせに!(`Δ´) ブッコロス!」と憎悪をボーボー燃やしましたが、彼女のために仕事を辞める→真剣な交際だったので、許すことにしましてね…(しみじみ)。女優さんたちは全員頑張ってたし、「この子、出家しちゃったんだよなぁ… (´・ω・`)」なんてセンチな気持ちになったりもして。なんだかんだ文句を書きながらも、とても楽しかったのでした (´∀`=) イヤーン


この教師ったら生徒に手を出すわけですが、その後に観た「ひるなかの流星」でも似た展開があって少しビックリ。
北条先生(千葉雄大)

こんな光景が観られただけでも素晴らしかったですよ (〃∇〃) エヘヘ
仲良し風景


そんなワケで、ソフトのレンタルが始まったらもう一度観たい程度には好きなんですが、娘を持つ父親の立場としては「お父さん、友だちを殺して、遺体を人に食べさせるような子には育ってほしくないぞ!( ゚д゚) コラッ」と諫めたい気持ちにもなったので、70点という着地(なんだこれ)。女優さんたちの「お嬢様高校の女子高生振り」とか、映画のムードとか、なかなか味わい深いので、この手の作品を好む方は要チェックじゃないでしょうか。




秋吉理香子先生による原作小説。映画は登場人物を1人削ってるんですよね。



サントラです。デジタル盤もあります。



耶雲哉治監督作。未見ですが、乙一先生の原作は好きよ。



なんとなく思い出した映画。僕はこういう平和な女子校ファンタジーの方が好き…という身もフタもない文章。