クソすばらしいこの世界(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

クソすばらしいこの世界(ネタバレ)

クソすばらしいこの世界

三角絞めでつかまえて-クソすばらしいこの世界

2013/日本 上映時間78分
監督・脚本:朝倉加葉子
プロデューサー:山口幸彦、中林千賀子、モリ・コウ
撮影:木津俊彦
編集:洲崎千恵子
音楽:森野宣彦
出演:キム・コッピ、大畠奈菜子、北村昭博、しじみ、甘木ちか、阿部友保、ジュリアン・カーティス、アダム・ラフランボワーズ
パンフレット:なし
(あらすじ)
ロサンゼルスに留学してきた韓国人のアジュン(キム・コッピ)は、日本人留学生たちに誘われキャンプにやってくるが、英語も話せず、酒やドラッグに溺れて遊んでばかりの彼らに苛立ちを覚える。そんな時、冷酷な殺人鬼がコテージを襲撃し、アジュンは惨事に巻き込まれる。(以上、映画.comより)

予告編はこんな感じ↓




65点


この映画に関しては、間違いなく合わない人も多いというか、無闇にオススメはできないんですけれども、ネタバレを知らない方が面白い映画なのは間違いなくて…。アスファルトのすき間からたくましく生えているタンポポを愛でるような優しい心を持つスラッシャー映画ファンの方だったら、意外とイケるような気がしないでもないので、こんなブログのネタバレ全開の駄文を読む前に観に行くと良いですぞ。
※ただ、都内での上映は6/28(金)まで&レイトショー限定公開なので、気をつけて!


毎月買っている映画雑誌「映画秘宝」でプッシュされてたので、気になりまして。レイトショー限定公開ということで、なかなか足を運べなかったんですけど、先週の土曜日、やっとポレポレ東中野に行って来ました。「今後に期待!ヘ(゚∀゚*)ノ ワッショイ!」って感じでしょうか。


ポレポレ東中野に到着しまして。
三角絞めでつかまえて-ポレポレ東中野

なんと上映後にはトークイベントが! コイツは楽しみだぜ!
三角絞めでつかまえて-上映後にはトークイベントが!

狭めのロビーには、記事の切り抜きなどが貼ってありましたよ。
三角絞めでつかまえて-記事の切り抜きが!

ちなみに上映前、大盛軒に行ってしまったんですが…それはまた別のお話
三角絞めでつかまえて-大盛軒


基本的にはスラッシャームービーでして。「韓国人留学生アジュン&日本人留学生5人が、アメリカの田舎に遊びに行って、ホワイトトラッシュの強盗兄弟に襲われて…」というよくあるパターン。ただ、実に面白かったのが「韓国人留学生は英語は話せるけど日本語が話せない」「日本人留学生で何とか英語が話せるのが1人で(でもアメリカ人には通用しないレベル)、他は日本語しか話せない」という状況設定でしてね。ケンジロー(阿部友保)が殺人鬼ヘンリー(アダム・ラフランボワーズ)を相手にカタコトの英語で話す場面の滑稽さと恐怖は、何とも言えない味わいがありましたよ。


旅行に誘われたアジュン(右)ですが、なんと英語が話せるのはタカコ(甘木ちか)だけ。
三角絞めでつかまえて-キム・コッピと甘木ちか

その他はまったく話せない…って、ここまでバカな留学生はさすがに実在しない気がしますがー。
三角絞めでつかまえて-アホな日本人留学生たち


で、何よりも驚いたのが、マッドな兄弟が襲撃してきた際、その弟ビクター(ジュリアン・カーティス)とエリカ(大畠奈菜子)が坂を転がり落ちると、なんとビクターの意識がエリカの肉体に乗り移ってしまうという「転校生」的な展開が発生するんです!(ビクターの肉体は死亡) その後、自分が弟だと信じてくれない兄ヘンリーを殺すくだりも含め、かなり意表を突かれましたね~。

一応、その後の流れを書いておくと、ビクターは兄を殺害すると、殺人鬼として覚醒。エリカに擬態して留学生たちを皆殺しにしようとするも、アジュンに倒された…かと思いきや! 坂を転がり落ちた時、またもや中身が入れ替わってしまい、最後は兄のように「fucking Beautiful Day~♪ヘ(゚∀゚*)ノ」と歌いながら立ち去って、映画は終わってました。


ビクターとアジュンの中身が入れ替わってしまったというね… (ノω・、) カワイソウ
三角絞めでつかまえて-そして殺人鬼は去って行く


なんとなくマイケル・ブーブレ「It's A Beautiful Day」を貼っておきますね↓




まず、役者さんたちが素晴らしくて。主演のキム・コッピの存在感&可愛らしさは言うまでもないんですが、日本人留学生たちのムカつくオーラが絶品なんです。特に「ムカデ人間」などでお馴染みの北村昭博さん演じるマサノリと、阿部友保さん演じるケンジローの“役に立たない男”振りには超イライラさせられましたね(褒め言葉)。あと、ヒロノ役のしじみさん、「超・悪人」の時も思いましたけど、彼女が“陵辱される女性”を演じると悲惨さが5割増しというか。オッパイを見せることを厭わない姿勢も清々しいし、良い女優さんだとあらためて感心ですよ。


無惨に殺されるしじみさん。手足を切断されて死ぬ彼女の死に様は一見の価値アリ!
$三角絞めでつかまえて-しじみさん、ナイス!


ゴア描写も良かったです! 全員、それなりに哀れな死に様を見せるんですけど、ヒロノとケンジローがスプラッター全開で無惨に殺される場面はスゲー良かった!ヽ(`Д´)ノ ヒロノの凄惨な死に様もナイスでしたが、上映後のトークショーで、朝倉監督が「イカメシ」とおっしゃっていた“ケンジローの脚が斧で輪切りに切断されていく場面”とか、なかなか新鮮だったのではないでしょうか。


情けなく死ぬケンジローですが、サクッと検索してみたら、演じた阿部友保さんはイケメンのモデルだったり… (;`Δ´) オノレ
三角絞めでつかまえて-輪切りにされるケンジロー


ただ、ごめんなさい、結構残念なところもあって。賛否両論ありそうな「転校生」的な展開自体は嫌いじゃなかったんですけど、僕はすっかり序盤から中盤に掛けて描かれたディスコミュニケーション要素と上手くリンクして、良い感じの着地を見せてくれると思ってたので、特にそういうワケでもなく終わったのは拍子抜けしちゃいました。それと、劇中に出てくるプールの位置関係とかよくわからなかったし、ケンジローがヘンリーに捕まってダラダラと殺されている間に登場人物たちが何の策も練ってなかったのもガッカリしたし。ラスト、ビクターが「私、エリカよ… 川;`∀´) ホントヨ」とアジョンに命乞いするシーンも、もう一捻りほしかった…ってのは贅沢ですかね。

とは言いつつも、“白人兄弟に虐げられていたクズな叔父”とか、「たぶんあの兄弟はコイツに虐待されたからああなったんだな~」なんて想像が膨らむキャラがいたりするのはサービス精神が感じられるし、低予算ながら非常に頑張ってて、かなり好感が持てる映画でした (´∀`) 朝倉監督の次回作、期待したいところですな。で、上映後、朝倉監督と中原昌也先生と山崎圭司さんによるトークショーがありまして。監督と10年来の友人という中原昌也先生がスゲー適当で面白かったんですが、正直、もう少し山崎さんの話も聞きたかったです (・∀・) オシマイ




キム・コッピがヒロインを演じたヤン・イクチュン監督作。ハードな名作でございます。
三角絞めでつかまえて-息もできない
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朝倉加葉子監督が影響を受けたというトビー・フーパー監督作も貼っておきますね。怖い!ヽ(TДT)ノ
三角絞めでつかまえて-悪魔のいけにえ
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大林宣彦監督作。昔、観た時はその設定にドキドキしたものですよ… (〃∇〃) ウフフ
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