隣りのゾンビ~The Neighbor Zombie~(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

隣りのゾンビ~The Neighbor Zombie~(ネタバレ)

隣りのゾンビ~The Neighbor Zombie~

三角絞めでつかまえて-隣りのゾンビ
隣りのゾンビ~The Neighbor Zombie~ [DVD]

英題:THE NEIGHBOR ZOMBIE
2010/韓国 上映時間90分
監督: オ・ヨンドゥ、ホン・ヨングン、リュ・フン、チャン・ユンジョン
出演:ホン・ヨングン、リュ・フン、ペ・ヨングン、ハ・ウンジョン、イム・ジョンソン、キム・ヨジン、ノ・ジェファンパク・ヨンソ、イ・ハンソル、キム・ヒチャン、ソ・ユナ、ホ・ソングァン、ペ・ジフン、ノ・スンウ
(あらすじ)
2010年、全世界でまん延するゾンビウイルスがソウル全域で発生したため、政府は即座に戒厳令を敷き、ウイルス感染者を排除し始める。だが、一般市民たちはゾンビにかまれて感染するという危険を顧みず、彼らをかくまって食事を与え、共存するためにありとあらゆる知恵を絞る。やがて政府によるゾンビ狩りはより一層激しさを増し……。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




70点


レイトショー限定で劇場公開されていたころも気になっていたんですけど、つい行きそびれてしまって…。DVDレンタルが始まってからも、パッケージを手にとっては「う~ん、次でいいかな (・ε・)」って感じだったりしたんですよ。ただ、先日観た「エイリアン・ビキニの侵略」が思いのほか楽しくて、「オ・ヨンドゥ監督はチェックせねば!」と思わされたので、やっと借りてきました。感想は、「あら、面白いじゃないの (・∀・)」って感じでしたよ。

「エイリアン・ビキニの侵略」の感想の時、書きそびれちゃいましたけど、「エイリアン・ビキニの侵略」はオ・ヨンドゥ監督が仲間とともに立ち上げた映像製作集団キノマンゴスチンが自主制作した2番目の作品でして。で、彼らが初めて自主制作した長編映画がこの「隣りのゾンビ~The Neighbor Zombie~」なんだそうで。そういう視点で観ると、低予算だから確かに安っぽさを感じるシーンがなくはないんですけど、全体的にはスゲーよく出来てるというか。「エイズ治療のためのワクチンを作ろうとしたら、感染するとゾンビになるウィルスが出来ちゃって、みんなゾンビになっちゃいました ┐(´ー`)┌ヤレヤレ」的な世界観をベースに、<すきま><逃げよう><骨を削る愛><ワクチンの時代><その後… ごめんなさい><ペインキラー>全6話のオムニバスで構成されているということで、各話の感想を書いておきますね↓


<すきま>

監督・脚本:オ・ヨンドゥ
オモチャマニア:ホン・ヨングン
宅配男:リュ・フン
声:キム・ヨジン

“オモチャマニア”を演じたホン・ヨングンは、「エイリアン・ビキニの侵略」の主役を演じた人ですな。
三角絞めでつかまえて-すきま

1人の男が、すきまに引きずり込まれたり、すきまから出られなくなったりしながら、いつの間にかゾンビになっていたという、結構不条理なお話。順番が一番最初ということで、ゾンビ発生時を描いているワケですが、この映画のゾンビウィルスは傷口から空気感染するって設定なのかな? ホン・ヨングンの演技がなかなか愉快なんですが、クライマックスで自分の足をポリポリ食べ始めるシーンはマジでゾッとしました…。結構好き。


<逃げよう>

監督・脚本:オ・ヨンドゥ
男:ペ・ヨングン
女:ハ・ウンジョン

女の人は、「エイリアン・ビキニの侵略」でエイリアンを演じた人です。
三角絞めでつかまえて-逃げよう

最愛の彼氏がゾンビになりかけているので(まだ意識はある)、彼女もゾンビになることを決意して、ウィルスに感染しまして。2人で治療薬があるとウワサされている場所に向かおうとしたものの、外に出たら銃声が鳴り響いて…って感じ。要は「愛する人がゾンビになったら?」的な話なワケですけど、狭い部屋を舞台にそこそこコミカルに描かれてたからか、そんなにグッとはこなかったかなぁ。まぁ、普通。


<骨を削る愛>

監督・脚本:ホン・ヨングン
娘:イム・ジョンソン
母:キム・ヨジン
警察官:ノ・ジェファン

この女性は、直後に自分で指を切断します。
三角絞めでつかまえて-骨を削る愛

ゾンビ化した母親を匿っていた娘のところに警察官がやってきまして、「母親が見つかる→殺される」のを恐れた娘は警察官を監禁するんですね。で、拘束から逃れた母親に娘は襲われちゃって、ドタバタした挙句、母親を射殺した際、警察官もウィルスに感染。最後は娘を射殺して終わってました。

この話の何がゲンナリするって、「娘が自分の指や血を母親に与えてた」という展開ですよ。この映画のゾンビはいわゆる“ダッシュ系”というか、“理性がなくなって凶暴化して肉と血が大好きになる感染者”だから、「特効薬があれば治療できそう→とりあえず匿おう」という行動はありそうだけど、自分の指を切断してまで助けようと思うのは、家族を大事にする韓国ならではという気がしました。巻き込まれた警察官はたまったモンじゃありませんが…。そこそこ好き。


<ワクチンの時代>

監督・脚本:リュ・フン
マスク:パク・ヨンソ
殺人鬼:イ・ハンソル
本隊長:キム・ヒチャン
男隊員:キム・ヒョンテ
女隊員:イ・ジュヨン

この3人、驚くほど役立たずです。
三角絞めでつかまえて-ワクチンの時代


ゾンビ治療のワクチンを巡った、開発した博士と彼を殺そうとする暗殺者の戦いに、疾病統制局の隊員たちが巻き込まれるという話。アクションシーンが中心なんですが、なかなか頑張ってましたよ。冒頭、暗殺者がゾンビの体液から作ったドラッグ「ゾンビ・ハイ」を打ってパワーアップするあたりとか、ゲームっぽいなぁと思ったり。最後、博士が暗殺者をロープで拘束しながら倒すシーンは悪くなかったです(ドニー・イェン兄貴の映画で似たシーンがあった気がする)。まぁ、嫌いじゃないかな。


<その後… ごめんなさい>

監督・脚本:チャン・ヨンジョン
ペ・ヨングン:ペ・ヨングン
復讐する女:ソ・ユナ
泥棒:ホ・ソングァン

ペ・ヨングンはフットボールアワーの後藤輝基さんに似てると思ったんですが…。どうでしょうか。
三角絞めでつかまえて-その後… ごめんなさい

ワクチンが完成したことで、ゾンビだったペ・ヨングンは普通の状態に戻って日常生活を送るんですが、ゾンビ状態だった彼に両親を食い殺された娘に命を狙われて…って内容。「ゾンビだったころの殺人は許されるのか?」「ゾンビ=感染者を殺したことは許されるのか?」という“罪と贖罪”のお話でして、これがかなり面白かった!ヽ(`Д´)ノ 元ゾンビが社会的に差別される設定も感心したし、最後、ペ・ヨングンが自己犠牲で泥棒から娘を守って死ぬシーンは、そりゃベタかもしれないけどね、演技の上手さもあって胸をワシ掴みにされました。大好き!ヽ(`Д´)ノ


<ペインキラー>

監督・脚本:ホン・ヨングン
作家:リュ・フン
配達男:ペ・ジフン
ゾンビ:ノ・スンウ
特攻隊:オ・ヨンドゥ

締め切りに追われる作家。トイレも座ったまま済ませます。
三角絞めでつかまえて-ペインキラー

一応、締め切りに追われる作家が上記5話のエピソードを書いているうちに、物語が現実を侵食してきて、自分もゾンビになってしまって射殺されて終了…ってことですよね? ううむ、違うのかしら… (´・ω・`) エンドロールを兼ねた総集編的な感じだったので、ちょっと深読みしすぎですかね。雰囲気は悪くないんですけど、この話に関しては、正直、どうでも良かったカナー。


ってことで、感想をダラダラ書きましたけど、「ゾンビ発生から事態の収束までを時系列に沿ってオムニバスで描く」という構成が面白いし、各エピソードもなかなか良かったので、観て良かったです (o^-')b なんか「エイリアン・ビキニの侵略」を観直したくなりましたよ。興味がある人は、低予算映画ということを念頭に置きながら、借りてみてくださいな~。




今年公開された低予算の自主制作ゾンビ映画。僕の感想はこんな感じ