コリン LOVE OF THE DEAD(ネタバレ)
コリン LOVE OF THE DEAD
原題:COLIN
2008/イギリス 上映時間97分
監督・製作・脚本・編集・撮影:マーク・プライス
製作総指揮・視覚効果:ジャスティン・ヘイルズ
音楽:ジャック・エルフィック、ダン・ウィークス
特殊メイク効果:ミシェル・ウェップ
出演:アラステア・カートン、デイジー・エイトケンス、タット・ウォーリー
(あらすじ)
世界中で死者がよみがえり生きた人間を襲い始め、ロンドンの街もパニックに陥る中、青年コリン(アラステア・カートン)も地獄絵図に巻き込まれ、自らもゾンビになってしまう。やがてコリンの意識は遠のいていくが、ある場所へ行かなければならないという衝動に駆られ始める。思うように動かない体を引きずりながらコリンがたどり着いた場所は……。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
72点
先週は「東京国際ゾンビ映画祭2011」が開催されてましてね。「せめて1本くらいは観に行って貢献せねば!」と思ってはいたんですけど、なかなか行けなくて…。「死霊のえじき」とか大きい画面で観たかったんだけどなぁ。でも、まぁ、それはそれとして、「せめて江戸木純さんが激押ししている『コリン LOVE OF THE DEAD』の初日の観客動員には貢献しよう」と、ヒューマントラストシネマ渋谷に行ってきたワケです。僕の感想は…「なかなかやるじゃん! (°∀°)bグッジョブ」と感心しましたよ。
会場では監督&主演俳優のサイン入りポスターなどが飾られてましたが…。
なんと「入場者プレゼント」の告知が! 初日と2日目に来場した先着50名は「ゾンビ肉ジャーキー」がもらえるという太っ腹なお話。
ということで、僕も「ゾンビ肉ジャーキー」をもらったんですが…ちょっと甘くて予想外に美味い!
受付でも絶賛販売中。よく考えるとゾンビの肉を人間が食べるってのは変ですよね…って、どうでもいいぜ!
ちなみに上映前には江戸木純さんの挨拶があったんですが、この映画への熱い想いがビンビン伝わってきてグッときたりはしつつも、「制作費がわずか45ポンド(約5,800円)」という話だったので、「かなり安っぽいんだろうな~」と全然期待してなかったんですよ。ところが、実際に観てみたら予想以上に頑張ってたんでビックリしました。いや、もちろん映像は安っぽかったりするんですけど、特殊メイクはそれなりにしっかりしてるし(担当したのは「X-MEN:ファイナル ディシジョン」に参加してた人だとか)、ゾンビ映画には付き物のゴア描写とかも普通に用意されてるし、何よりもストーリーがそれなりに面白かったというか。
ちょっとチープだけど、ゾンビモノに付きものの阿鼻叫喚シーンも頑張ってましたぞ!
ゾンビが主人公の映画というのは結構あるみたいですけど(僕が思いつく作品は「ゾンビ・コップ」くらい…)、基本的に“人間の心”が残っていて「オレ、ゾンビになってどうしよう… (゚ロ゚;))((;゚ロ゚)オロオロ」的な感じのお話ばかりなんだそうで。ところが、この映画の主人公コリンだけはガチ。知能は“人間のころの記憶が微かに残っている程度”であり、行動はノロノロしているという“フツーのゾンビ”なんですよ。
自宅でゾンビ化してしまったコリンは、ボンヤリと生前の記憶が導く場所を目指すワケですが、初めて人を食べてみたり、人間たちに襲われてスニーカーを奪われそうになったり、実の姉リンダ(デイジー・エイトケンス)に助けてもらうも姉だと分からずに噛んでしまったり、他のゾンビたちが家を襲っている場面に出くわしてちょっと参加してみたり、「女性が助けを求めたオッサンは、実はゾンビを飼っている狂人だった!」的な展開に出くわしたり、組織的なゾンビ狩りに遭って大変な目に遭ったりと、その様子はまさにゾンビのロードムービー。主人公の視点…というよりは俯瞰的な視点で話は進むんですけど、上映中はコリンに感情移入しまくりでした(まぁ、もともとゾンビ自体が感情移入しやすいクリーチャーだと思いますが)。
結局、コリンが目指していたのは恋人マーレン(タット・ウォーリー)の家でして。回想シーンが流れると、「冒頭のコリンはゾンビ化したマーレンを殺して自宅に逃げてきた→腕の噛み傷は彼女がつけたもの」ということが発覚。ゾンビになって恋人の家に戻ってきたコリンが彼女のそばで佇んで終了…。ラストシーンは非常に切ない雰囲気でして、ちょっと泣けちゃいましたね。
僕的に褒めたい点は2つありまして。まず、情緒溢れるシーンを見せるのが上手いと感じました。ラストも素晴らしかったけど、僕的に一番良かったのは中盤。コリンがリンダと夫とその仲間たちに拉致されて、「母親に会えば、人間に戻れるかも!?」と実家に連れられてきたあたりのシーンは、画面からどうしようもない悲しみが伝わってきて、久しぶりに「大好きな人がゾンビになったらどうしよう・°・(ノД`)・°・」とか妄想しちゃいましたよ…。
ベタといえばそうなんですけど、かなり好きなシーン。
もう1点は、人間側の描写。ある意味、ゾンビ映画では“ゾンビを描くよりも大事な要素”なワケですが、飛び降りて重傷を負った人とか、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」オマージュっぽい“ゾンビをテーマにしたドキュメンタリーを作ろうとしてた若者たち”とか、ゾンビを飼う狂人とか、なかなかバラエティ豊か。終盤、ゾンビ狩り集団がゾンビに噛まれてしまったメンバーを殺すシーンも醜悪で良かったです。
まぁ、残念ながら不満点もあります。動きが激しいシーンでは手持ちカメラがブレすぎて、何が起こっているのか全然分からないことが多くて、結構イライラしました。あと、恋人のマーレンなんですが、彼女がゾンビに噛まれる過程がちょっと自業自得…というか、むしろ頭が悪い感じなので(浴室に閉じこめたゾンビを調子に乗った感じで殺そうとする)、正直、「彼女にあまり同情出来ない→“悲劇”に対して感情移入がしづらかった」んですよね。アレだけは本当に微妙というか…。そういえば、ゾンビ狩り集団の無計画な襲撃っぷりにもガッカリしましたね(いくら何でも噛まれやすすぎ!)。
ただ、基本的にはいろいろと“工夫した感”が伝わってくる、素敵な雰囲気のゾンビ映画だと思いました。予算があればもっと素晴らしい作品になったと思うので、リメイクするのも全然アリな気がします。低予算映画ということで、興味がある人は期待値のハードルをかなり下げてから観るのが良いんじゃないですかね~。
エドガー・ライト監督作。こちらもイギリス製のゾンビ映画ですが、コメディ色強し。
ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD]
ジョージ・A・ロメロ監督が撮った伝説の映画。青い顔が好き。
スマイルBEST ゾンビ ディレクターズカット版 [DVD]
ゾンビ三部作最終章。「コリン LOVE OF THE DEAD」にもオマージュシーンが出てきます。
スマイルBEST 死霊のえじき 完全版 [DVD]
自主製作のゾンビ映画。一応、三部作まであるそうですが、未見です。
ミートマーケット ゾンビ撃滅作戦 [DVD]
制作費135万円の低予算映画。僕の感想はこんな感じ。
パラノーマル・アクティビティ [DVD]
原題:COLIN
2008/イギリス 上映時間97分
監督・製作・脚本・編集・撮影:マーク・プライス
製作総指揮・視覚効果:ジャスティン・ヘイルズ
音楽:ジャック・エルフィック、ダン・ウィークス
特殊メイク効果:ミシェル・ウェップ
出演:アラステア・カートン、デイジー・エイトケンス、タット・ウォーリー
(あらすじ)
世界中で死者がよみがえり生きた人間を襲い始め、ロンドンの街もパニックに陥る中、青年コリン(アラステア・カートン)も地獄絵図に巻き込まれ、自らもゾンビになってしまう。やがてコリンの意識は遠のいていくが、ある場所へ行かなければならないという衝動に駆られ始める。思うように動かない体を引きずりながらコリンがたどり着いた場所は……。(以上、シネマトゥデイより)
予告編はこんな感じ↓
72点
先週は「東京国際ゾンビ映画祭2011」が開催されてましてね。「せめて1本くらいは観に行って貢献せねば!」と思ってはいたんですけど、なかなか行けなくて…。「死霊のえじき」とか大きい画面で観たかったんだけどなぁ。でも、まぁ、それはそれとして、「せめて江戸木純さんが激押ししている『コリン LOVE OF THE DEAD』の初日の観客動員には貢献しよう」と、ヒューマントラストシネマ渋谷に行ってきたワケです。僕の感想は…「なかなかやるじゃん! (°∀°)bグッジョブ」と感心しましたよ。
会場では監督&主演俳優のサイン入りポスターなどが飾られてましたが…。
なんと「入場者プレゼント」の告知が! 初日と2日目に来場した先着50名は「ゾンビ肉ジャーキー」がもらえるという太っ腹なお話。
ということで、僕も「ゾンビ肉ジャーキー」をもらったんですが…ちょっと甘くて予想外に美味い!
受付でも絶賛販売中。よく考えるとゾンビの肉を人間が食べるってのは変ですよね…って、どうでもいいぜ!
ちなみに上映前には江戸木純さんの挨拶があったんですが、この映画への熱い想いがビンビン伝わってきてグッときたりはしつつも、「制作費がわずか45ポンド(約5,800円)」という話だったので、「かなり安っぽいんだろうな~」と全然期待してなかったんですよ。ところが、実際に観てみたら予想以上に頑張ってたんでビックリしました。いや、もちろん映像は安っぽかったりするんですけど、特殊メイクはそれなりにしっかりしてるし(担当したのは「X-MEN:ファイナル ディシジョン」に参加してた人だとか)、ゾンビ映画には付き物のゴア描写とかも普通に用意されてるし、何よりもストーリーがそれなりに面白かったというか。
ちょっとチープだけど、ゾンビモノに付きものの阿鼻叫喚シーンも頑張ってましたぞ!
ゾンビが主人公の映画というのは結構あるみたいですけど(僕が思いつく作品は「ゾンビ・コップ」くらい…)、基本的に“人間の心”が残っていて「オレ、ゾンビになってどうしよう… (゚ロ゚;))((;゚ロ゚)オロオロ」的な感じのお話ばかりなんだそうで。ところが、この映画の主人公コリンだけはガチ。知能は“人間のころの記憶が微かに残っている程度”であり、行動はノロノロしているという“フツーのゾンビ”なんですよ。
自宅でゾンビ化してしまったコリンは、ボンヤリと生前の記憶が導く場所を目指すワケですが、初めて人を食べてみたり、人間たちに襲われてスニーカーを奪われそうになったり、実の姉リンダ(デイジー・エイトケンス)に助けてもらうも姉だと分からずに噛んでしまったり、他のゾンビたちが家を襲っている場面に出くわしてちょっと参加してみたり、「女性が助けを求めたオッサンは、実はゾンビを飼っている狂人だった!」的な展開に出くわしたり、組織的なゾンビ狩りに遭って大変な目に遭ったりと、その様子はまさにゾンビのロードムービー。主人公の視点…というよりは俯瞰的な視点で話は進むんですけど、上映中はコリンに感情移入しまくりでした(まぁ、もともとゾンビ自体が感情移入しやすいクリーチャーだと思いますが)。
結局、コリンが目指していたのは恋人マーレン(タット・ウォーリー)の家でして。回想シーンが流れると、「冒頭のコリンはゾンビ化したマーレンを殺して自宅に逃げてきた→腕の噛み傷は彼女がつけたもの」ということが発覚。ゾンビになって恋人の家に戻ってきたコリンが彼女のそばで佇んで終了…。ラストシーンは非常に切ない雰囲気でして、ちょっと泣けちゃいましたね。
僕的に褒めたい点は2つありまして。まず、情緒溢れるシーンを見せるのが上手いと感じました。ラストも素晴らしかったけど、僕的に一番良かったのは中盤。コリンがリンダと夫とその仲間たちに拉致されて、「母親に会えば、人間に戻れるかも!?」と実家に連れられてきたあたりのシーンは、画面からどうしようもない悲しみが伝わってきて、久しぶりに「大好きな人がゾンビになったらどうしよう・°・(ノД`)・°・」とか妄想しちゃいましたよ…。
ベタといえばそうなんですけど、かなり好きなシーン。
もう1点は、人間側の描写。ある意味、ゾンビ映画では“ゾンビを描くよりも大事な要素”なワケですが、飛び降りて重傷を負った人とか、「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」オマージュっぽい“ゾンビをテーマにしたドキュメンタリーを作ろうとしてた若者たち”とか、ゾンビを飼う狂人とか、なかなかバラエティ豊か。終盤、ゾンビ狩り集団がゾンビに噛まれてしまったメンバーを殺すシーンも醜悪で良かったです。
まぁ、残念ながら不満点もあります。動きが激しいシーンでは手持ちカメラがブレすぎて、何が起こっているのか全然分からないことが多くて、結構イライラしました。あと、恋人のマーレンなんですが、彼女がゾンビに噛まれる過程がちょっと自業自得…というか、むしろ頭が悪い感じなので(浴室に閉じこめたゾンビを調子に乗った感じで殺そうとする)、正直、「彼女にあまり同情出来ない→“悲劇”に対して感情移入がしづらかった」んですよね。アレだけは本当に微妙というか…。そういえば、ゾンビ狩り集団の無計画な襲撃っぷりにもガッカリしましたね(いくら何でも噛まれやすすぎ!)。
ただ、基本的にはいろいろと“工夫した感”が伝わってくる、素敵な雰囲気のゾンビ映画だと思いました。予算があればもっと素晴らしい作品になったと思うので、リメイクするのも全然アリな気がします。低予算映画ということで、興味がある人は期待値のハードルをかなり下げてから観るのが良いんじゃないですかね~。
エドガー・ライト監督作。こちらもイギリス製のゾンビ映画ですが、コメディ色強し。
ショーン・オブ・ザ・デッド [DVD]
ジョージ・A・ロメロ監督が撮った伝説の映画。青い顔が好き。
スマイルBEST ゾンビ ディレクターズカット版 [DVD]
ゾンビ三部作最終章。「コリン LOVE OF THE DEAD」にもオマージュシーンが出てきます。
スマイルBEST 死霊のえじき 完全版 [DVD]
自主製作のゾンビ映画。一応、三部作まであるそうですが、未見です。
ミートマーケット ゾンビ撃滅作戦 [DVD]
制作費135万円の低予算映画。僕の感想はこんな感じ。
パラノーマル・アクティビティ [DVD]