ローラーガールズ・ダイアリー(ネタバレ) | 三角絞めでつかまえて2

ローラーガールズ・ダイアリー(ネタバレ)

ローラーガールズ・ダイアリー

三角絞めでつかまえて-ローラーガールズダイアリー

原題:WHIP IT
2010/フランス 上映時間112分
監督・製作:ドリュー・バリモア
原作・脚本:ショーナ・クロス
出演:エレン・ペイジ、マーシャ・ゲイ・ハーデン、クリステン・ウィグ、ドリュー・バリモア、ジュリエット・ルイス、ジミー・ファロン、ダニエル・スターン
(あらすじ)
17歳のブリス(エレン・ペイジ)は、美人コンテストで優勝することだけが幸せな将来を送れると信じて疑わない母親の下で、コンテスト漬けの日々を過ごしていた。そんなある日、ブリスは年齢も仕事も多種多様な女性たちが集うローラーゲームに心奪われ、新人発掘試験に参加。ずば抜けたスピードで見事入団を果たしてしまう。(以上、シネマトゥデイより)

予告編はこんな感じ↓




96点


TOHOシネマズシャンテで観てきました。最初から最後まで涙が止まりませんでしたよ…。マジでオススメの映画です。

というか、「アメリカン・クライム」で散々酷い目にあったエレン・ペイジを観てしまったせいで、とりあえず普通に生きていて頑張っている彼女の姿を大画面で見るだけで「良かったねぇ…」「今度は幸せになるんだよ」と泣けてしまって…。僕の周りに座っていた人たちは間違いなく「なんでこの人、この段階から泣いてるんだろう?」って思ったハズです。最近、心が弱っているせいもあるんでしょうけど、もう自分の姪を観ているような気分で、ずっと応援しながら観てました。

まぁ、それは置いといても、ドリュー・バリモアが初監督とは思えないほど演出やら音楽の使い方やらが上手くて、脚本も非常にベタなところを抑えつつも実にしっかりしていて、主演のエレン・ペイジが超可愛い&上手かったりして、さらにワキを固める役者さんたちもとにかく素晴らしくて、普通に青春映画の名作になる要素がギュッと詰まってると思って。いや、映画評論家の人とかが観ればアラもいろいろ見つかるんでしょうけど、この作品にすっかり恋をしてしまった僕的にはもう“完璧な青春映画”にしか見えなかったですね。

まず、エレン・ペイジ演じる主人公のブリスが内気な少女という設定がたまらなくて。僕的に「JUNO」の主人公はちょっと言葉遣いが乱暴すぎて乗れないところもありましたが、こっちはもう完璧! で、その内気な少女がローラーゲームと出会って、「自分は本当はどういう人間なんだろう」ということを学んでいくワケですよ。スポーツに打ち込んだり、友情を育んだり、恋をしたりと、もうオジサン的には「良かったねぇ…」「今度は幸せになるんだよ」と泣けてしまって…(2回目)。いや、「アメリカン・クライム」を観てなかったとしても、かなりグッときたと思います。今のエレン・ペイジは“成長する少女”を演じさせたらピカイチなんじゃないでしょうか。本当に素晴らしかったです。

で、ワキを固めるキャラクターたちも完璧で。まず、母親がマーシャ・ゲイ・ハーデンで、僕的には「ああっ、『ミスト』の恐ろしい&ムカつく狂信者ババアだ!」って感じで、本当に怖くて。下手なオッサン以上に全然迫力がある存在なんですよ。一瞬、「早く射殺しないとスーパー内が大変なことに!」ってハラハラしましたが、よく考えればこの映画はそんな内容じゃないんですよね、エヘヘ。“必要以上に迫力があって強情に見えるけど、実は愛情あふれる母親”を好演していて、「良い役者さんなんだなぁ」と感心しました。

ローラーゲームのメンバーたちも最高としか言いようがなくて。よくある部活青春モノとは違って、いろいろな年齢と職業の女性たちが集まっているので、コクのある人選が可能なワケですよ。主人公チームの女優たちも僕は本当に大好きでしたが(クリスティン・ウィグとか、ドリュー・バリモアも良かったけど、僕的には大好きなゾーイ・ベルが出ているのが超うれしい!)、一番良かったのはジュリエット・ルイス!(この女優さんも大好き!) 意地悪なライバルを演じていたんですが、本当にカッコ良くて、正直、あの人になら抱かれても良いと思いました(なぜか受身)。このキャラクターたちの「ベイブ・ルースレス(非情)」とか「アイアン(鉄人)・メイビン」とか「マギー・メイヘム(暴力)」といったネーミングセンスもプロレス好きの僕的にはストライクでしたね~。

その他、父親役のダニエル・スターンとか、コーチ役のアンドリュー・ウィルソンとか、“この手の映画の初恋の相手っぽさ”全開のランドン・ピックとかも非常に良かったんですが、親友のパシュを演じたアリア・ショウカットもなかなか素晴らしかったりして。特に彼女のポッチャリ具合については、声を大にして言いますが、僕は嫌いじゃありませんよ!

話的には、「親や親友とぶつかったり、恋に挫折したりしつつも、自分が本当に好きなことに打ち込んでいく」という感じで、ありがちっちゃありがちなんですけど、そのありがちなことをしっかりと説得力があるように描くというのがどれだけ大変なことか…。親友と仲直りして、裏切った彼氏とは決別して、母親とは和解して(あの手紙のくだりはいらないようにも感じるけど、号泣メーン!)、試合には負けたけどライバルには認めてもらったりして…(あの握手するところで号泣メーン!)。もうね、僕的には映画が終わるのが寂しくて仕方なかったです…。

題材となったスポーツ・ローラーゲームのシーンも結構迫力があって面白かったですね。「日本にも東京ボンバーズとかあったんですよね?」程度の認識しかなかった僕ですが、序盤でちゃんとルール説明があったので、実に分かりやすかったです。実際のゲームを観たことがないのでなんともいえませんが、この映画で描かれたローラーゲームは十分迫力と説得力があったと思いますよ(若干、「あれ?」と思うシーンもありましたが)。ほとんどスタントを使わなかったのでかなり大変だったみたいですけど、「よくやった!」と褒めてあげたいですな。ちなみに単にローラースケートで滑るだけのシーンも良い感じに撮っていたので、小学生のころに後頭部をしたたかに打って以来、まったくやっていなかったけど、ちょっとローラースケートを履いて滑りたくなったりしました…。

ということで、ダラダラと書いてしまいましたが、「今、公開されている映画でどれを観たらいい?」と僕が聞かれたら、観終わった後の爽快感も含めて一番オススメするのはこの映画です。本当に素晴らしい青春映画なので、ぜひ劇場で観てくださいな~。間違いなくDVDは買うし、本当はもう一度観に行きたいくらい好きになっちゃいました。ちなみにパンフレットですが、簡単な相関図が入ってたり、インタビューが2本にコラムが3本(そのうち1つは東京ボンバーズ監督!)も入ってたりとなかなかオトクなので、損はしないと思いますよ。




この作品のエレン・ペイジも可愛いですな。実に良い映画です。
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JUNO/ジュノ<特別編> [DVD]


この作品を観ておくと、かなりエレン・ペイジを応援したくなります。内容がかなり凄惨なので要注意!
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アメリカン・クライム [DVD]


この作品を観ておくと、母親役のマーシャ・ゲイ・ハーデンが恐ろしく見えます。ラストがかなり非道なので要注意!
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