アメリカン・クライム(ネタバレ)/キツそうだから観たくなかった映画特集
アメリカン・クライム![](https://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=kamiyamaz-22&l=as2&o=9&a=B001J231SQ)
![三角絞めでつかまえて-アメリカンクライム](https://stat.ameba.jp/user_images/20100325/15/kamiyamaz/59/84/j/t01690240_0169024010466420857.jpg?caw=800)
アメリカン・クライム [DVD]![](https://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=kamiyamaz-22&l=as2&o=9&a=B001J231SQ)
原題:AN AMERICAN CRIME
2007/アメリカ 上映時間98分
監督:トミー・オヘイヴァー
出演:エレン・ペイジ、キャサリン・キーナー、ジェイムズ・フランコ、ブラッドリー・ウィットフォード、ヘイリー・マクファーランド
(あらすじ)
65年にアメリカで実際に起きた事件を元に描いた衝撃のドラマ。シングルマザーのガートルードに預けられたシルビアとジェニーの姉妹が、ガートルードやその子供たちなどに恐ろしい虐待を受ける様子を鮮烈に描く。(以上、amazon
より)
予告編はこんな感じ↓
72点
※今回の更新は不快になる表現が多いかもしれないので要注意です。
何の罪もない少女が陵辱されるのを観るのは非常にキツかったものの、何とか「隣の家の少女」を観終わったワケですが、実は「シルヴィア・ライケンス事件」を元に作られた映画はもう1本ありまして。「キツそうだから観たくなかった映画特集」の最後の作品は、この「アメリカン・クライム」
になります。
冒頭に出る字幕によると、「バニシェフスキー対インディアナ州」(という本? それとも裁判自体のこと?)が原作で、すべての証言は裁判記録から引用しているとか。要は“実録モノ”ですな。虐待されるシルヴィアのナレーションから始まるんですが、僕は彼女が死んでしまうのを知っているということで、「おっ、スーザン・サーモン方式ですな」と思ったり。そうなると客観的になれるから、「ちょっとは気楽に観られるかなぁ」なんて思っていたんですが…全然そんなことなくて。もうね、激怒しすぎて死ぬかと思いましたよ。
「隣の家の少女」の加害者家族も相当非道かったですけど、アイツらはむしろモンスターっぽいんですよ。でも、こっち
は“実在してそうな感じ”というか。誰かが「殴れ」と命令したワケでもないのに、子どもたちが残虐性を遺憾なく発揮して積極的に虐待するシーンとか、もう最悪すぎるというか、おぞましいというか…。加害者側が“良い感じで被害者に無関心”なんですよね。
両親からの小切手が遅れたことから、ちょっとずつ憎悪が積み重なって、虐待がエスカレートしていって。近所の人はしっかり“見て見ぬフリ”をして。ガートルードは精神を病んでいて、家は貧乏でドン底感が漂っていて…。実に「ありそうだなぁ」と。また、ガートルードを演じたキャサリン・キーナーが良い感じにイヤな感じで素晴らしかったです。
ずっとシルヴィアに好意を持っていたリッキーが虐待に参加して、焼けた針で腹に「私は高慢な売春婦」と文字を書くシーンは、非常に残酷だと思いました。「隣の家の少女」に欠けていたのはコレなんですよ。終盤、シルヴィアに同情的だったポーラが彼女を逃がして、リッキーが車で両親のところに連れて行ったくだりは、「あれ、確か死んでるよね? …でも、このまま生き延びてくれれば良いか」なんて思っていたら、しっかり“夢オチ”でゲンナリ。まぁ、そりゃそうなんだけどさ…。この“幽霊になったシルヴィアが自分の死体を見るシーン”は結構好きです。
最後は、裁判でガキも含めて全員有罪判決を受けて、その後の人生がちょろっと語られて、カーニバルのメリーゴーランド(シルヴィアの思い出の場所で、冒頭と途中に出てくる)にシルヴィアが乗っているシーンで終わってました。主人公が幽霊化しているせいか、思ったより後味は悪くなかったです(あくまで“思ったより”なので注意!)。妹が裁判で「保身に走ってた」ことを話していたのは、仕方ないとはいえ、救いがなくてかなり好感が持てました(「隣の家の少女」では姉妹はずっとお互いを思いやっている感じ)。
イチイチ比べるのも申し訳ないんですが、同じテーマを扱った映画としては「アメリカン・クライム」
の方が良い出来だと感じました。さすがに虐待には参加しないとしても、「もし自分があの状況に置かれたら、見て見ぬフリくらいはしそう」と思わされて、心から恐ろしくなりましたよ。ただ、暴力描写が非常にマイルドでして、そこが非常に残念というか。エレン・ペイジの演技は素晴らしくて、彼女が泣き叫ぶだけでもかなりキツいんですが、視覚的な残酷さがないと若干の絵空事感を感じるじゃないですか(まぁ、アソコにコーラのビンを入れさせられるシーンをリアルに描かれても吐きそうですが…)。「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」での坂井真紀さん的な凄惨さがほしいというか。だから、この映画
に「隣の家の少女」の暴力描写が加わっていたら最凶の作品になっていたと思います。
正直、かなり鬱になるのであまりオススメはしませんが、非常に悪くない映画だと思います。僕は結構好きになりました…もう観ないだろうけど。気になる人はチャレンジしてみるのもアリですぞ。
エレン・ペイジの出世作。未見なんですが、非常に観たいです。特に「アメリカン・クライム」
を観た後なので…。
![三角絞めでつかまえて-ジュノ](https://stat.ameba.jp/user_images/20100326/17/kamiyamaz/e3/3a/j/t01690240_0169024010467999713.jpg?caw=800)
JUNO/ジュノ<特別編> [DVD]![](https://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=kamiyamaz-22&l=as2&o=9&a=B001WBXLZW)
暴力の残酷さをしっかり描きつつ、エンターテインメントとしても非常に優れている作品だと思うんですよ。…これは宇多丸さんの影響じゃないんだからね!
![三角絞めでつかまえて-アポカリプト](https://stat.ameba.jp/user_images/20100326/17/kamiyamaz/1a/a0/j/t01710240_0171024010467999714.jpg?caw=800)
アポカリプト [DVD]![](https://www.assoc-amazon.jp/e/ir?t=kamiyamaz-22&l=as2&o=9&a=B000V7SEW8)
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アメリカン・クライム [DVD]
原題:AN AMERICAN CRIME
2007/アメリカ 上映時間98分
監督:トミー・オヘイヴァー
出演:エレン・ペイジ、キャサリン・キーナー、ジェイムズ・フランコ、ブラッドリー・ウィットフォード、ヘイリー・マクファーランド
(あらすじ)
65年にアメリカで実際に起きた事件を元に描いた衝撃のドラマ。シングルマザーのガートルードに預けられたシルビアとジェニーの姉妹が、ガートルードやその子供たちなどに恐ろしい虐待を受ける様子を鮮烈に描く。(以上、amazon
予告編はこんな感じ↓
72点
※今回の更新は不快になる表現が多いかもしれないので要注意です。
何の罪もない少女が陵辱されるのを観るのは非常にキツかったものの、何とか「隣の家の少女」を観終わったワケですが、実は「シルヴィア・ライケンス事件」を元に作られた映画はもう1本ありまして。「キツそうだから観たくなかった映画特集」の最後の作品は、この「アメリカン・クライム」
冒頭に出る字幕によると、「バニシェフスキー対インディアナ州」(という本? それとも裁判自体のこと?)が原作で、すべての証言は裁判記録から引用しているとか。要は“実録モノ”ですな。虐待されるシルヴィアのナレーションから始まるんですが、僕は彼女が死んでしまうのを知っているということで、「おっ、スーザン・サーモン方式ですな」と思ったり。そうなると客観的になれるから、「ちょっとは気楽に観られるかなぁ」なんて思っていたんですが…全然そんなことなくて。もうね、激怒しすぎて死ぬかと思いましたよ。
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両親からの小切手が遅れたことから、ちょっとずつ憎悪が積み重なって、虐待がエスカレートしていって。近所の人はしっかり“見て見ぬフリ”をして。ガートルードは精神を病んでいて、家は貧乏でドン底感が漂っていて…。実に「ありそうだなぁ」と。また、ガートルードを演じたキャサリン・キーナーが良い感じにイヤな感じで素晴らしかったです。
ずっとシルヴィアに好意を持っていたリッキーが虐待に参加して、焼けた針で腹に「私は高慢な売春婦」と文字を書くシーンは、非常に残酷だと思いました。「隣の家の少女」に欠けていたのはコレなんですよ。終盤、シルヴィアに同情的だったポーラが彼女を逃がして、リッキーが車で両親のところに連れて行ったくだりは、「あれ、確か死んでるよね? …でも、このまま生き延びてくれれば良いか」なんて思っていたら、しっかり“夢オチ”でゲンナリ。まぁ、そりゃそうなんだけどさ…。この“幽霊になったシルヴィアが自分の死体を見るシーン”は結構好きです。
最後は、裁判でガキも含めて全員有罪判決を受けて、その後の人生がちょろっと語られて、カーニバルのメリーゴーランド(シルヴィアの思い出の場所で、冒頭と途中に出てくる)にシルヴィアが乗っているシーンで終わってました。主人公が幽霊化しているせいか、思ったより後味は悪くなかったです(あくまで“思ったより”なので注意!)。妹が裁判で「保身に走ってた」ことを話していたのは、仕方ないとはいえ、救いがなくてかなり好感が持てました(「隣の家の少女」では姉妹はずっとお互いを思いやっている感じ)。
イチイチ比べるのも申し訳ないんですが、同じテーマを扱った映画としては「アメリカン・クライム」
正直、かなり鬱になるのであまりオススメはしませんが、非常に悪くない映画だと思います。僕は結構好きになりました…もう観ないだろうけど。気になる人はチャレンジしてみるのもアリですぞ。
エレン・ペイジの出世作。未見なんですが、非常に観たいです。特に「アメリカン・クライム」
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