かめおかゆみこ です。
2003年11月1日に創刊した、日刊メルマガ「今日のフォーカス
チェンジ」が、きたる7月10日に、5000号を達成します。
その記念に、自分の人生ドラマをまとめています。
題して、「『かめおかゆみこ』ができるまで」
01★黒曜石が採れた村
02★「いのちの場」で
03★自然と絵本と空想と
04★「トリップ」する子ども
05★「世界」の終わり
06★2つの交通事故
07★頭のよくなる薬
08★居場所を見つけた!
中学校は、同じく小清水町の小清水中学校に進みました。坂の上に
あったのですが、あまりに急で長い坂道なので、自転車通学でしたが、
自転車置き場は、坂の下にあったと記憶しています。
この年は、私の人生のなかで、原点となるエポックになった年といって
いいと思います。中学校に入って、演劇部に入部したのです。
小学校時代、私自身の妄想癖、過集中、コミュニケーションのとれな
さ(まわりがどう思っていたかわかりませんが、私のなかに距離感が
ありました)から、ひそかな孤立感をいだいていました。
音読が大好きで、授業中はよく読ませてもらっていたのに、学芸会で
は、2度とも、せりふのある役にはつくことができませんでした。
だからこそ、演劇部は、私にとってあこがれでした。文芸部という選
択肢もあったでしょうが、小清水中学校に文芸部はなかったのです。
部室は、体育館のステージ横のスペースを、なんと、剣道部と半分
こにして使っていました。そのため、ひじょーに汗くさかったです。
当時の小清水中学校は、それまで演劇部顧問をつとめていた、松
岡義和先生が転出したばかりでした。
北海道の美術教育のリーダー的存在でしたが、演劇への造詣が深
く、脚本も書き、そのため演劇部はとても活気があったのです。
はじめての発声練習。はじめての基礎練習。何もかもが新鮮で
した。そして、5月にははじめての公演が待っていました。
しかもなんと、その公演は、地域の小学校の巡回公演。5月の
連休のあいだに、町内の小学校(すべて僻地の小規模校です)
3つほどをまわるというのです。
いまとなっては信じられません。連休中に学校を開けて(参加
は任意だったでしょうが)、中学生のお芝居を小学生が観に来
てくれるのですから。
演目は、「ジャックと豆の木」。私は音響助手で、はじめて、オ
ープンリール(年代がわかるな~。いまや骨董品?)の使いか
たを教えてもらいました。
ところが、本番2週間くらい前のことです。主役のジャック役の
3年生が、急に部活を休むようになってしまったのです。
うわさでは、高校受験にそなえるため、演劇部をやめるかもし
れないとのこと。部内に衝撃が走りました。
そんなある日、演出さん(たぶん、部長さんでもあったかも)に、
呼ばれました。
「かめおかさん、もしかしたら、代役を頼むことになるかもしれ
ないから、せりふを暗記しておいて」
えええええ? まだ入ったばかりの1年生ですよ。でも、
私が劇に夢中なのは、はたから見ても感じられたのでしょう。
私は、こころの半分では、主役の先輩がもどってきてくれるこ
とを願いつつ、必死にせりふを暗記しました。そして、なんと
3日で、台本そのものを全部暗記してしまったのです。
幸い、先輩は1週間ほどでもどってきてくださいました。
ほんのちょっぴり、がっかりしたのを記憶しています。
連休、無事に僻地公演が実現しました。路線バスで、自分た
ちで小道具などをもってまわりました。体育館では、子どもたち
が待っていてくれました。夢中で音出しをしました。
次の公演は、文化祭だったと思います。このときの作品は、O
・ヘンリー原作、松岡先生脚色の「最後のひと葉」。
このころ、私は、すでに脚本に興味をもっていました。見よう見
まねで、自分でも同じ作品の脚色をしてみました。もちろん、没
になりましたが、これが最初の脚本創作になりました。
また、役としても念願の出演を果たしました。私は病気の女の
子…ではなく、はげますほうの友だちの役でした♪(笑)
そして、この作品をもって、秋、「オホーツク子ども劇場」という
催しに参加することになりました。
「子ども劇場」というと、「親子劇場」など、児童劇団の観劇組織
と思われるかもしれませんが、ここのそれは、そうではなく、地
域の演劇クラブなどが集まっておこなう発表会でした。
当時、松岡先生をはじめ、民間教育団体である、日本演劇教育
連盟の会員になっていた教員のかたがたが中心になり、「オホ
ーツク演劇教育連盟」という団体をつくっていました。
網走・北見管内(現在は「オホーツク」管内)の小学校・中学校
の演劇クラブ・人形劇クラブ、図書館の紙芝居サークルなどが、
一堂に集まって上演し、観劇し、交流するのです。
それを、「オホーツク子ども劇場」と呼んでいたのです。
あの日の不思議な感動は、数十年経ったいまも忘れません。
影絵、人形劇、舞台劇…、はじめて見る、他校の舞台。さまざ
まな表現形態に、こころをうばわれました。
なかでも、ある小学校の舞台に、強くひきつけられました。
「村の子どもと雪んこ」(松岡義和作)。素朴なストーリーと、子
どもたちのピュアな演技が、強くこころを打ったのです。
帰りのバスのなかで、ひそかに涙が止まりませんでした。その
ときは、なぜ涙が出るのかわかりませんでしたが、いま振り返
ると、「自分の居場所を見つけた」想いだったのでしょう。
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