シェルター | 本との出会いは、師との出会い。

本との出会いは、師との出会い。

智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

Shelter(シェルター) (祥伝社文庫)/近藤 史恵




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前作『茨姫はたたかう』前々作『カナリアは眠れない』に比べるとライトノベル化しているというか、日常的には稀な出会いが事件の発端となっている。さて、この後の展開は?



 整体師<合田力>シリーズなんて言われると、整体師が探偵役の推理小説なのだろうか?と思ってしまいますが、やはりこの物語の主役は、様々な過去を引きずる女性たちなのだろ思います。



 現実の女性たちの多くは、登場人物の女性たちほど重い境遇に置かれていないでしょうけれども、登場人物である女性たちが時として自分で自分を傷つけようとしてしまうほど苦しんでいる状態から、他の誰かに手を差し伸べることによって生きる力を取戻して行く過程は、現実の女性たちに勇気と希望を与えてくれるのではないでしょうか?



 彼女たちの周囲に現れる愚かで自己中心的な男性たちと、頼りなくて時として失敗してしまうこともあるけれども、常に誠実に生きようとする小松崎との対比も、男性としてどの様に生きる事が潔いのかというテーマを考えさせてくれます。



 近藤史恵さんの作品としては、ライトノベルのように間口が広いのですが、深く読んで行こうとすると、とてつもなく奥の深い物語だと思いました。



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