茨姫はたたかう | 本との出会いは、師との出会い。

本との出会いは、師との出会い。

智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

茨姫はたたかう (祥伝社文庫)/祥伝社




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『カナリアは眠れない』に続いて、整体師<合田力>シリーズの第二弾を読んでいます。コミカル物語りの底に流れる人間ドラマが秀逸な作品!



 書店に勤める梨花子は、実家を離れレディスマンションに引っ越すが、両脇には梨花子と全く異なる人種が住んでいた。梨花子は、職場の対人関係で傷つき、ストーカーの影にも怯えていたが、異質な隣人達との交流の中で少しずつ変わって行く。



 一方、小松崎は、整体師<合田力>の元で働く恵と歩に、暗い過去が落とす闇があることを知り、好意を寄せる歩の力になれない自分の無力さに打ちひしがれる。この2つのシリアスな物語を近藤史恵さんは、前作『カナリヤは眠れない』よりもエンタメ度が増した展開で繋げて行く。もちろん繊細な人物描写も健在だ。



 力先生名言集1「愛情なんてもんは、そんな大層なもんやないと思っている。しょうもない、エゴだらけの、いやらしいもんや。でも、人間って、それがないと生きられへんみたいやなあ」



 力先生名言集2「そんなに飛びぬけて幸福な人間も、不幸な人間も、ほんまはそんなにおれへんで。みんなどんぐりの背比べや、自分を不幸やと思う奴は、自分を不幸にしているんや」



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