アンハッピードッグズ | 本との出会いは、師との出会い。

本との出会いは、師との出会い。

智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

アンハッピードッグズ (中公文庫)/中央公論新社




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パリで暮らすを真緒と岳の元に、置き引きに遭った新婚の浩之と睦美が世話になる。些細な出来事を切欠に二つのカップルの関係は、脆くも崩れそうになるのであった。登場人物の心理描写が繊細であった。



 真緒は、幼稚園からの知合いで恋人のような、腐れ縁のような岳と彼の愛犬の弁慶とパリのアパートで暮らしていた。ある日、岳は空港で置き引きにあって困っていた日本人のカップルを連れてアパートへ帰ってくる。真緒と岳は、パスポートが再発行されるまで浩之と睦美を部屋に泊めることにした。



 真緒と岳は、浩之と睦美を気遣い、連れ添ってベルサイユ宮殿に出かけるのだが、弁慶と供に外で待っていた真緒の元に戻って来たのは、浩之だけだった。はぐれてしまった岳と睦美とは会うことができず、真緒と浩之はアパートに戻るのであった。



 ほんの数日の同居生活は、気だるい毎日を過ごしていた真緒と岳だけではなく、旅先での不運に傷ついた浩之と睦美の心にもさざ波をたてる。正直、感受性が枯れたオジサンには分かりにくい男女の関係だが、人の心が動かされる時ってそんな感じなのかもしれないな。



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