- 万能鑑定士Qの事件簿VIII (角川文庫)
- /角川書店(角川グループパブリッシング)
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竹富町の嘉陽果議員は、波照間島の渇水問題を解決するために自費で台湾に渡る。 黄春雲と名乗る人物が、渇水問題に苦しむ人々に送信した海水淡水化技術に関するメールを受信したからである。佐賀大の海洋エネルギー研究センターに留学していたという黄春雲は、嘉陽果議員の前で、海水を淡水化して見せるのであった。竹富町議会は、嘉陽果議員の提案を受け入れ、12億を出費しようとするが、その知らせを聞いた莉子は、議会が幻にとらわれていると考え台湾へ渡る。
今までは、莉子一人の個人技で問題を解決する物語りだったが、今回の物語りは、嘉陽果議員の娘で莉子の同級生だった葵と、同じく同級生の結愛とトリオを組み姿を消した犯人を追う。徹夜で『地球の歩き方 台湾』などに記載されている情報を感受性に伴う記憶力で頭に刻み込んだ莉子の知識が炸裂する。台湾で出会った劉美玲も加わり4人の女性が活躍が痛快だ。
登場人物の心理描写にも優れ、タイムリミットが迫るスリリングさも堪能できる。
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