万能鑑定士Qの事件簿 II | 本との出会いは、師との出会い。

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智慧は、先生から指導されて身につけるものではなく、自ら学ぶものです。ですから、先生が本であっても、生徒の意欲が高ければ、学習の成果が期待できます。書店には、素晴らしい先生方が、時代を超えて、いつでも待っています。

万能鑑定士Qの事件簿 II (角川文庫)
/角川書店(角川グループパブリッシング)

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 科学捜査研究所でも識別できないほど精巧に印刷された偽1万円札が大量に出回るという、信じられないような事件が起こった。政府の試算によると、発行された偽札は、20~30兆だったか?円の信頼は失墜し、日本をハイパーインフレが襲う。

 良くも悪くも漫画的な展開ではあるが、読者が抱くであろう疑問を解消するように、調査に裏付けられた迫真性のある現象を次々に繰り出すことによって、現実感が感じられるように工夫されているところには好感が持てる。ギリギリセーフかスレスレアウトのエッジに乗っているかのような面白で、莉子が手がかりを掴むあたりから緊張感が高まった。

 しかし、残念ながら大風呂敷を広げた割には、事件の原因は小さなことで、原因と結果の関係は良く調べられていると感じられるが、結末は期待外れと言わざるを得ない。重要な登場人物である小笠原の終盤での再登場もなく、裏切られた感じがした。次回作に期待しろということなのかもしれない。

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